第1章
夢小説設定
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──────家の近くの公園……。
その場所が、幼い頃の私にとって、思い出に残るとても大切な場所だった。
貴「……あっ。お〜い!里香ちゃん〜!憂太くん〜!こっちこっち!」
里「おはよう憐〜!今日も早いね。」
笑顔が素敵で、可愛らしい女の子……里香ちゃんと。
乙「待ってよ〜里香ちゃん。あっ……憐ちゃん、おはよう。」
人見知りだけど、とても優しい男の子……憂太くんと。
いつも一緒に仲良く遊んでいた。公園と言えば、ブランコやジャングルジムといった遊具もあれば、スコップやバケツを使って遊べる砂場など、小さな子供にとってはまるで遊園地のように遊べる楽しい場所。
例にもれず私達三人も平和に楽しく遊んでいた……。
貴「今日は何して遊ぶ?鬼ごっこ?かくれんぼ?お砂遊び?」
里「どうしようかな〜?憂太は何したい?」
乙「うーん……。あっ!あそこのぐるぐる回すやつがいいかな。」
里「あの丸いものだね。いいよ〜遊ぼう!憐もそれでいい?」
貴「うん、いいよっ!早く行こう!」
ぐるぐる回すやつとは、グローブジャングルの事だが、この時の私はそんな言葉も知らず、駆け出していた。早く遊びたかったんだろ、いつもより走るスピードが早い。
貴「……やっぱり私も回そうか?憂太くん一人で回せる?」
乙「大丈夫だよ憐ちゃん。一人で回してみる!それより憐ちゃん、里香ちゃん、ちゃんと座った?」
乙「憂太もこう言ってるんだし、憐も早く座って座って。憂太〜!里香も憐もちゃんと座ったよ〜!」
乙「じゃあ回すよ〜……そぉ〜れ!」
憂太くんのかけ声とともに、ゆっくり回り出す。ゆっくりだったスピードが、徐々に早くなる。
乙「あははっ!やめて憂太〜。やめてったら!」
貴「うわぁ〜〜〜楽しい……!一人で回してるなんて力持ちだね、憂太くん!」
乙「えへへっ!まだまだいくよ〜!」
三人の笑い声が公園中に響きわたる……。何の変哲もない平和なひととき……。何気ないこの時間が幸せだった。幸せだったのだ……あの日までは……。
幸せな夢が音を立てて崩れていく……。まるで全ては幻だったかのように……。そして気づけば、公園で遊んでいた少女の私は、高校生の姿になっており、横断歩道の前に立っていた。
貴「ここはどこなの……??なんでこんな場所にいるの……??」
なんで横断歩道の前に??よく見たらあの公園の近くの横断歩道な気がする。よく三人で通った道。
そして今、幼い憂太と里香が私をすり抜けて、横断歩道を渡ろうとしていた……。その光景を見て私は、背筋が凍った。待って、もしかしてこの場所は……?!
貴「駄目だよ……!!そっちへ行っては駄目!!だってこの横断歩道を渡ったら貴女は……!!」
里香も憂太も私の声が、聞こえていないのか気づかず、笑顔で横断歩道を渡ろうとする。
貴「お願い止まって……!気づいて……!!」
私は必死に里香に叫んでいた……この横断歩道を渡っては駄目……だってここで里香は……。
キキッー!!!
突如聞こえた甲高い音……それは車のブレーキ音だった。右の道路から猛スピードで車が横断歩道の方向に向かって走ってくる。
貴「逃げてぇえええええええええ!!!!」
そしてそのまま横断歩道を渡っている里香の方へ突っ込んできた。もう間に合わない……!!走れ……!!今度こそ、助ける……!!私は里香に手を伸ばす……。
貴「里香ーーーーーーーー!!!!!!」
すると何故だろう……今まで私に無反応だった里香がこちらを見たような気がした……。