第3章
夢小説設定
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乙骨side
僕にはずっと考えていた事が二つある……。ひとつは、あの日呪術高専にやってきた夏油さんの事だ。あの人が仲間を引き連れてやってきた時、僕はあの人の事を全然知らなかった。元から通っている真希さん達ですら、知らなかった様子であの人を見ていた。でも、彼女だけは全く違った反応をしていた。
貴「なんで……今更呪術高専 に来たの……、夏油さん……。」
彼女は驚いた表情の反面、辛そうな表情であの人を見ていた。そして小さい声だったけれど、僕には憐ちゃんが呟いた内容が聞こえていた。
乙(憐ちゃんの知り合いの人?でもそれにしては、彼女の反応が変だ……手のひらをぎゅっと握りしめている。)
傍から見ても尋常ではない力で手を握っている。僕はあの時咄嗟に、呟いた内容よりも彼女の事を優先した。内容は今聞かなくても、後で聞けばいいと思っていたから。
その後は、なかなか彼女に聞くタイミングがなく、百鬼夜行当日まで来てしまった。丁度手持ち無沙汰だった僕は、休講にも関わらず教室に行き、普段授業で使う椅子に座っていた。そこに丁度僕と似たような理由で、教室に来た憐ちゃんに会った為、いい機会だと思い今気になっている疑問を彼女にぶつけてみた。
乙「……夏油さんって人.......憐ちゃんは知ってるの?五条先生とも知り合いだったような感じだったけど……。」
貴「知ってたよ……。前に話したよね?その……東京に引っ越して来た時、姉さんと一緒に住んでいたこと。呪いが見えるようになり、本格的に呪力や呪術を学び、呪術師を目指したこと。その時姉さんから教わってたけど、もう一人教えて貰ってた人がいたの……その人が夏油傑さん。」
そこから語られた彼女目線からの夏油さんの人間像。
五条先生と凛先生さんと同期の元呪術師で、憐ちゃんはよく色々教えて貰っていたらしい。とても優しい人物で彼から教えて貰った言葉を今でも大事にしている、そしてある日突然高専からいなくなってしまい、今に至ると。
夏油さんの話をする彼女の表情は、懐かしそうに、大切な思い出を語るようなそんな表情だった。
そんな相手の腕を僕は振り払ってしまった。その事について咎められるかと思っていたけど、彼女は僕と同じ気持ちだったようで、彼女も尊敬している真希さんについての侮辱は許せなかった。だからあの時自分の代わりに怒って断った僕にお礼を言ってくれた。
乙(……でも凄く大切な人だったんだね。そんな表情……見た事ないな。……もしかして、憐ちゃんは夏油さんの事……。)
そう思ったらどんどん気持ちが沈んでいった。まだそうと決まった訳じゃないのに……。彼女のあんな表情
を引き出させている夏油さんが、とても羨ましくなった。そして同時に自分のこの想いは、彼女にとって迷惑ではないのかと思い始めた。
乙(……でも、まだちゃんと彼女に聞いた訳じゃない。もしかしたら違うのかもしれない。……それに、僕は君の事を諦めたくないよ……。)
幼き頃から秘めている想い……離れている時だって一日足りとも彼女を忘れた事はなかった。6年の時を経て、奇跡的に再会を果たした憐ちゃん……君の事だけは諦めたくない。
乙「……昔からというか今でも……憐ちゃんは夏油さんの事が好きだったりする?」
そんな想いから、つい彼女へと聞いてしまっていた。
貴「……えっ?!?!」
乙「……ごめん、君の話している姿を見たら本当に良い人で大切な人だったんだろうなって事はよく伝わってきたから……。」
自分は彼女への想いを隠しておきながら、夏油さんに好意があるかの確認をするなんて、僕は狡いな……。でも今の僕にはこれが精一杯……。今でも夏油さんの事を想っているのか聞いた。
貴「……そうね、本音を言えばすっごく嫌い!って訳では無いの。」
貴「確かに大切な人ではあった。私は勝手にお兄ちゃんみたいだなって思ってたんだ。でも……。」
貴「あの人は呪術師をやめて、呪詛師となった。そこに、どんな事情があれど呪詛師となれば、呪術を使って、罪もない人達を傷つけているし、真希の事もよく知りもしないのに、侮辱された……許されるべきじゃない。」
彼女は驚きながらも、一生懸命答えてくれた。そして僕が思う以上に彼女は、とても強かった。
確かに大切な人ではあったし、素敵な思い出も沢山ある。でもだからといって、呪詛師となり他人を傷つけている事、真希さんを侮辱した事は許されるべきではないと、強い意志を持って彼女は答えていた。
乙(……やっぱり凄いよ、憐ちゃん。)
乙「ありがとう、話してくれて。疑ってた訳じゃないんだ……僕はただ、今でもその人が憐ちゃんの中にいるとしたら、敵わないなって思っただけで……。」
僕は彼女の想いに感服すると同時に、彼女の言葉に安堵しつい本音を漏らしてしまっていた。
貴「私の中に居たら、敵わないってどういう事?」
そして彼女に疑問を持たれ、追求された事に凄く焦ってしまった。
乙「っ!?……ごめん!何でもない!気にしないで!……あはは。」
顔から火が出るかと思うくらい、恥ずかしかったが笑って誤魔化したら、憐ちゃんは不思議がっていたが、これ以上は追求されなかった。
僕にはずっと考えていた事が二つある……。ひとつは、あの日呪術高専にやってきた夏油さんの事だ。あの人が仲間を引き連れてやってきた時、僕はあの人の事を全然知らなかった。元から通っている真希さん達ですら、知らなかった様子であの人を見ていた。でも、彼女だけは全く違った反応をしていた。
貴「なんで……今更
彼女は驚いた表情の反面、辛そうな表情であの人を見ていた。そして小さい声だったけれど、僕には憐ちゃんが呟いた内容が聞こえていた。
乙(憐ちゃんの知り合いの人?でもそれにしては、彼女の反応が変だ……手のひらをぎゅっと握りしめている。)
傍から見ても尋常ではない力で手を握っている。僕はあの時咄嗟に、呟いた内容よりも彼女の事を優先した。内容は今聞かなくても、後で聞けばいいと思っていたから。
その後は、なかなか彼女に聞くタイミングがなく、百鬼夜行当日まで来てしまった。丁度手持ち無沙汰だった僕は、休講にも関わらず教室に行き、普段授業で使う椅子に座っていた。そこに丁度僕と似たような理由で、教室に来た憐ちゃんに会った為、いい機会だと思い今気になっている疑問を彼女にぶつけてみた。
乙「……夏油さんって人.......憐ちゃんは知ってるの?五条先生とも知り合いだったような感じだったけど……。」
貴「知ってたよ……。前に話したよね?その……東京に引っ越して来た時、姉さんと一緒に住んでいたこと。呪いが見えるようになり、本格的に呪力や呪術を学び、呪術師を目指したこと。その時姉さんから教わってたけど、もう一人教えて貰ってた人がいたの……その人が夏油傑さん。」
そこから語られた彼女目線からの夏油さんの人間像。
五条先生と凛先生さんと同期の元呪術師で、憐ちゃんはよく色々教えて貰っていたらしい。とても優しい人物で彼から教えて貰った言葉を今でも大事にしている、そしてある日突然高専からいなくなってしまい、今に至ると。
夏油さんの話をする彼女の表情は、懐かしそうに、大切な思い出を語るようなそんな表情だった。
そんな相手の腕を僕は振り払ってしまった。その事について咎められるかと思っていたけど、彼女は僕と同じ気持ちだったようで、彼女も尊敬している真希さんについての侮辱は許せなかった。だからあの時自分の代わりに怒って断った僕にお礼を言ってくれた。
乙(……でも凄く大切な人だったんだね。そんな表情……見た事ないな。……もしかして、憐ちゃんは夏油さんの事……。)
そう思ったらどんどん気持ちが沈んでいった。まだそうと決まった訳じゃないのに……。彼女のあんな表情
を引き出させている夏油さんが、とても羨ましくなった。そして同時に自分のこの想いは、彼女にとって迷惑ではないのかと思い始めた。
乙(……でも、まだちゃんと彼女に聞いた訳じゃない。もしかしたら違うのかもしれない。……それに、僕は君の事を諦めたくないよ……。)
幼き頃から秘めている想い……離れている時だって一日足りとも彼女を忘れた事はなかった。6年の時を経て、奇跡的に再会を果たした憐ちゃん……君の事だけは諦めたくない。
乙「……昔からというか今でも……憐ちゃんは夏油さんの事が好きだったりする?」
そんな想いから、つい彼女へと聞いてしまっていた。
貴「……えっ?!?!」
乙「……ごめん、君の話している姿を見たら本当に良い人で大切な人だったんだろうなって事はよく伝わってきたから……。」
自分は彼女への想いを隠しておきながら、夏油さんに好意があるかの確認をするなんて、僕は狡いな……。でも今の僕にはこれが精一杯……。今でも夏油さんの事を想っているのか聞いた。
貴「……そうね、本音を言えばすっごく嫌い!って訳では無いの。」
貴「確かに大切な人ではあった。私は勝手にお兄ちゃんみたいだなって思ってたんだ。でも……。」
貴「あの人は呪術師をやめて、呪詛師となった。そこに、どんな事情があれど呪詛師となれば、呪術を使って、罪もない人達を傷つけているし、真希の事もよく知りもしないのに、侮辱された……許されるべきじゃない。」
彼女は驚きながらも、一生懸命答えてくれた。そして僕が思う以上に彼女は、とても強かった。
確かに大切な人ではあったし、素敵な思い出も沢山ある。でもだからといって、呪詛師となり他人を傷つけている事、真希さんを侮辱した事は許されるべきではないと、強い意志を持って彼女は答えていた。
乙(……やっぱり凄いよ、憐ちゃん。)
乙「ありがとう、話してくれて。疑ってた訳じゃないんだ……僕はただ、今でもその人が憐ちゃんの中にいるとしたら、敵わないなって思っただけで……。」
僕は彼女の想いに感服すると同時に、彼女の言葉に安堵しつい本音を漏らしてしまっていた。
貴「私の中に居たら、敵わないってどういう事?」
そして彼女に疑問を持たれ、追求された事に凄く焦ってしまった。
乙「っ!?……ごめん!何でもない!気にしないで!……あはは。」
顔から火が出るかと思うくらい、恥ずかしかったが笑って誤魔化したら、憐ちゃんは不思議がっていたが、これ以上は追求されなかった。