第2章
夢小説設定
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まだ高専に来たばかりの憂太は、この辺りの地理に疎く場所がよく分からないとの事だったので、一緒に歩いてきた。その間、会話は一切なかった。小さい頃ならまだしも、6年ぶりの再会だ。しかも、憂太には告げずに私が引っ越したせいで、今まで連絡は取り合う事はなかった……気まずい雰囲気だった。
しかし、いつまでもギクシャクした仲では居られない。これから同期として、同じ仲間として生活していくのだ。以前みたいに仲睦まじくとはいかないが、せめてぎこちない関係だけでもどうにかしたい……とは考えていたけど、まさか憂太の方から声をかけてくれるとは、思ってもみなかった。
(話そっかとは言ったけど、久々の憂太との会話で、何を話題として出せばいいのか全然分からない……。私の近況とか今までの事とか話してみる??……いやいや!!無理……だって私の事聞きたい訳じゃないかもしれないのに、急に自分語りしたら流石の優しい憂太でも引いちゃうかもしれない……。)
―――嫌だよ……、もうこれ以上彼との距離が離れて欲しくない……。
そうモヤモヤしながら、公園のベンチに座って黙っていると、同じく隣に座った憂太が静かに話し出した。
乙「改めて言うね……久しぶり憐ちゃん。」
貴「えっ……うん、久しぶり……乙骨くん。」
乙「今日ここまで一緒に来てもらった理由はね……また前みたいに君と話したかったからなんだ。」
貴「乙骨くん……。」
本当はずっと私も話したかったよ……。だって嫌いになった訳じゃないから。里香の件がなかったら今でも私は、憂太と里香の傍にいたはずだから。自分勝手な理由で離れたけど、それでも本当はずっと会いたかった。
乙「僕は知りたいんだ……。僕と離れていた6年間、今まで憐ちゃんが何を見て、何を聞いて、何を経験したのか……些細な事でいいから教えて欲しい……。もちろん今までの僕の事も教えるから。」
貴「……うん、色々話したいことがあるんだ……。それに乙骨くんのことも聞きたい。教えて……どんな日々を送ってきたの?」
その言葉をきっかけに、私達は公園で話し合った。時には驚いたり、時には怒ったり、悲しんだり笑ったり。今まで離れていた時間を埋めるかのように、話し合っていた。気がつけばぎこちない雰囲気は消えていた。
どれだけの時間が過ぎたのだろう……。気がつくと辺りは真っ暗だった。
(明日も授業あるし、そろそろ帰らなくちゃ。)
貴「もうこんな時間……そろそろ帰らなきゃね。」
乙「ほんとだ?!……憐ちゃんと話してるといつも楽しかったから、あっという間だね。」
貴「そうだね〜。そういえば乙骨くんはいつも空が暗くなっても、まだ遊ぼうって私や里香に言ってたもんね。」
乙「うっ……そうだったっけ?」
苦笑いで憂太は言ったけど、誤魔化されないから。あの頃の憂太はとても明るくて活発的だったな……。
(今はそうでもなさそうだけど……。)
あれから6年、私が見ない間に憂太は変わった。一般の男子高校生よりも大人っぽく成長している。体格は少し痩せ気味だが、背は伸びていて、当たり前だけど、昔よりも男らしく感じる。それはきっと里香の事もあったからだろうな。普通の男子高校生とは言えない辛くて大変な日々を送ってきたことを聞いたから、余計に大人びいて見える。
何にせよ……改めて憂太と会って話して気づいたことがある。
(……結局昔から私って変わらないんだよね。)
今も昔も好きな人は変わらなかった。そのおかげで他に想い人やましてや、彼氏といった相手は出来たことがない。
(でも憂太はきっとまだ里香のこと……好きなんだもんな。)
この想いは報われないけど、それでもいい。例えどんな結末でも私は……
(憂太の幼馴染として、友人として……これからも傍にいよう。)
それならきっと里香は許してくれるはず……。だからごめんね、里香……もう少しだけ、憂太の傍にいさせて。
乙「あっ……そうだ憐ちゃん、帰る前に……最後に一つだけいい?」
貴「うん、いいけど何??」
乙「……もし話しづらいなら言わなくてもいいから、話せるなら教えて欲しい……里香ちゃんの事故の後、どうして何も言わずに引っ越しちゃったの?」
貴「それは…………。」
正直あまり覚えてないけど、里香に酷い態度をとって帰ってきてしまった罪悪感を覚えている。その後里香が事故で亡くなったことにより、里香に謝ることさえ出来ず、永遠の別れとなってしまった悲しさで姉さんに泣きついていたこと。そして、その事で憂太に申し訳なくなったこと……色んなことがあり、私の精神状態は崩壊寸前だった。そして、その時から普通の人には見えないものが見えるようになった。後にそれが呪霊だと姉さんから教わり、姉さんが普通の高校ではなく、実は呪術高専に通っていることを知る。呪霊の事を知っている姉さんの元にいれば安全だろうとのことと、これ以上あの場所にいなくて離れてしまったこと。
(これはまだ言えない……。)
思わず口ごもってしまう。里香を亡くし同じように辛い思いをしていた憂太を置いて、一人で離れた自分の事しか考えていなかった私。そんな私を知られたくなくて、言葉が喉の奥でつっかえる。しかし、憂太は予想出来ていたのかすぐに笑って言ってくれた。
乙「大丈夫だよ。僕はずっと待ってるから、話せるようになったら教えて欲しいな。」
貴「ごめんね……ありがとう。」
乙「さぁ、帰ろっか。」
ほらまた……何気ない憂太の優しさに救われた私。最低だ……。でもその優しさが何より嬉しかったのだ。
しかし、いつまでもギクシャクした仲では居られない。これから同期として、同じ仲間として生活していくのだ。以前みたいに仲睦まじくとはいかないが、せめてぎこちない関係だけでもどうにかしたい……とは考えていたけど、まさか憂太の方から声をかけてくれるとは、思ってもみなかった。
(話そっかとは言ったけど、久々の憂太との会話で、何を話題として出せばいいのか全然分からない……。私の近況とか今までの事とか話してみる??……いやいや!!無理……だって私の事聞きたい訳じゃないかもしれないのに、急に自分語りしたら流石の優しい憂太でも引いちゃうかもしれない……。)
―――嫌だよ……、もうこれ以上彼との距離が離れて欲しくない……。
そうモヤモヤしながら、公園のベンチに座って黙っていると、同じく隣に座った憂太が静かに話し出した。
乙「改めて言うね……久しぶり憐ちゃん。」
貴「えっ……うん、久しぶり……乙骨くん。」
乙「今日ここまで一緒に来てもらった理由はね……また前みたいに君と話したかったからなんだ。」
貴「乙骨くん……。」
本当はずっと私も話したかったよ……。だって嫌いになった訳じゃないから。里香の件がなかったら今でも私は、憂太と里香の傍にいたはずだから。自分勝手な理由で離れたけど、それでも本当はずっと会いたかった。
乙「僕は知りたいんだ……。僕と離れていた6年間、今まで憐ちゃんが何を見て、何を聞いて、何を経験したのか……些細な事でいいから教えて欲しい……。もちろん今までの僕の事も教えるから。」
貴「……うん、色々話したいことがあるんだ……。それに乙骨くんのことも聞きたい。教えて……どんな日々を送ってきたの?」
その言葉をきっかけに、私達は公園で話し合った。時には驚いたり、時には怒ったり、悲しんだり笑ったり。今まで離れていた時間を埋めるかのように、話し合っていた。気がつけばぎこちない雰囲気は消えていた。
どれだけの時間が過ぎたのだろう……。気がつくと辺りは真っ暗だった。
(明日も授業あるし、そろそろ帰らなくちゃ。)
貴「もうこんな時間……そろそろ帰らなきゃね。」
乙「ほんとだ?!……憐ちゃんと話してるといつも楽しかったから、あっという間だね。」
貴「そうだね〜。そういえば乙骨くんはいつも空が暗くなっても、まだ遊ぼうって私や里香に言ってたもんね。」
乙「うっ……そうだったっけ?」
苦笑いで憂太は言ったけど、誤魔化されないから。あの頃の憂太はとても明るくて活発的だったな……。
(今はそうでもなさそうだけど……。)
あれから6年、私が見ない間に憂太は変わった。一般の男子高校生よりも大人っぽく成長している。体格は少し痩せ気味だが、背は伸びていて、当たり前だけど、昔よりも男らしく感じる。それはきっと里香の事もあったからだろうな。普通の男子高校生とは言えない辛くて大変な日々を送ってきたことを聞いたから、余計に大人びいて見える。
何にせよ……改めて憂太と会って話して気づいたことがある。
(……結局昔から私って変わらないんだよね。)
今も昔も好きな人は変わらなかった。そのおかげで他に想い人やましてや、彼氏といった相手は出来たことがない。
(でも憂太はきっとまだ里香のこと……好きなんだもんな。)
この想いは報われないけど、それでもいい。例えどんな結末でも私は……
(憂太の幼馴染として、友人として……これからも傍にいよう。)
それならきっと里香は許してくれるはず……。だからごめんね、里香……もう少しだけ、憂太の傍にいさせて。
乙「あっ……そうだ憐ちゃん、帰る前に……最後に一つだけいい?」
貴「うん、いいけど何??」
乙「……もし話しづらいなら言わなくてもいいから、話せるなら教えて欲しい……里香ちゃんの事故の後、どうして何も言わずに引っ越しちゃったの?」
貴「それは…………。」
正直あまり覚えてないけど、里香に酷い態度をとって帰ってきてしまった罪悪感を覚えている。その後里香が事故で亡くなったことにより、里香に謝ることさえ出来ず、永遠の別れとなってしまった悲しさで姉さんに泣きついていたこと。そして、その事で憂太に申し訳なくなったこと……色んなことがあり、私の精神状態は崩壊寸前だった。そして、その時から普通の人には見えないものが見えるようになった。後にそれが呪霊だと姉さんから教わり、姉さんが普通の高校ではなく、実は呪術高専に通っていることを知る。呪霊の事を知っている姉さんの元にいれば安全だろうとのことと、これ以上あの場所にいなくて離れてしまったこと。
(これはまだ言えない……。)
思わず口ごもってしまう。里香を亡くし同じように辛い思いをしていた憂太を置いて、一人で離れた自分の事しか考えていなかった私。そんな私を知られたくなくて、言葉が喉の奥でつっかえる。しかし、憂太は予想出来ていたのかすぐに笑って言ってくれた。
乙「大丈夫だよ。僕はずっと待ってるから、話せるようになったら教えて欲しいな。」
貴「ごめんね……ありがとう。」
乙「さぁ、帰ろっか。」
ほらまた……何気ない憂太の優しさに救われた私。最低だ……。でもその優しさが何より嬉しかったのだ。