第2章
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乙骨side
五条先生が〝帳〟を下ろし、憐ちゃん達と別れた後、僕と禪院さんは、拐われた二人の子供を救出すべく、校舎の中を歩いていた。
夜の学校は暗いし、教室の窓や廊下の隅には気味の悪い化け物が出てたりと怖くてたまらなかった。その道中、禪院さんからは、呪いの習性だったり、呪術師の階級についての説明だったりと、色んなことを教えてもらっていた。その直後、後ろから出てきた大きな呪いが現れていたことに気づくのが遅れた僕達は、そのまま呪いの口の中に飲み込まれた……らしい。
らしいというのは僕はすぐ、気絶してしまっていたから覚えてないが、どうやらこの気持ち悪い空間は、あの大きな呪いの腹の中だった。気絶しなかった禪院さんから怒鳴られながら、教えられた。
また里香ちゃんに守られているのに、呼び出せなかった僕に対して禪院さんが怒鳴っていると、ふと奥の方で小さな声が聞こえた。
「助けて!……お願い。こいつ、死にそうなんだ。」
乙「よかった、生きてた……。」
だが、禪院さんによるとあまり良い状態ではないらしい。片方の子は、息も荒く倒れている状態で、もう一人の子は片目の半分が、異形な目に変化している。
真「誰もがオマエみてぇに、呪いに耐性があるわけじゃねーんだよ。」
乙「?……禪院さん?」
すると禪院さんが突然 ドサッと床に倒れ始めた。
乙「禪院さん!?」
慌てながらも彼女の身体を確認する。
乙「なんだこの傷……。呪いがかかってるのか……?」
どうやら禪院さんの太ももに傷が出来ており、そこから呪いがかかっているようだった。顔も赤い……どうやら熱も出ているようだ。
「助けてよ、お兄ちゃん!!」
乙「そんなこと……言ったって。」ガッ
思わず弱音を吐いてしまうと、倒れていた禪院さんに胸ぐらを掴まれた。
真「乙骨……オマエ マジで何しにきたんだ……呪術高専によ!!」
真「何がしたい!!何が欲しい!!何を叶えたい!!」
乙「僕は……。」
禪院さんの怒号とも呼べる問いかけに、僕はこれまでの胸の内を明かす。
乙「もう誰も傷つけたくなくて……閉じこもって消えようとしたんだ……。でも一人は寂しいって言われて、言い返せなかったんだ。」
あの日……五条先生に言われて、何も言い返せなかったことを思い出す。
乙「誰かと関わりたい!誰かに必要とされて……生きてていいって……自信が欲しいんだ。」
こんな僕でも誰かの役にたてるのだと、生きていいんだと自分自身で認められるようになりたかった。
乙「それに僕はずっと……憐ちゃんに会いたかった!以前のように仲良くしたい……、彼女の笑顔が見たい……、あの頃のように……もう一度、僕に笑いかけて欲しいんだ……。」
里香ちゃんの事だけで高専に来た訳じゃない……僕は憐ちゃんに会いたかった。生きる希望を無くしかけていた僕の唯一の心の支えが、憐ちゃんや里香ちゃんと過ごした幼き日の思い出だった。
そして、僕は小さい頃から、僕に見せてくれていた憐ちゃんの笑顔が大好きだった。
久々に再会した彼女の表情は、驚きと悲しさだけ。僕はまだ……成長した彼女の、心から笑っている表情を見てすらいない。
真「……じゃあ、祓え。呪いを祓って祓って祓いまくれ!!自信も他人も、その後からついてくんだよ!!」
真「それにな、憐のこともだ!今ここで、オマエが諦めちまったら、アイツとの関係性は今と変わらない!このままじゃアイツを泣かせるだけだろうが!!」
乙「っ!!…………。」
そうだ……僕はまだ何もしていない。
真「呪術高専 は……そういう場所だ!!!」
僕だって出来るはずだ……。その為に今までの自分から変わらなければならない……いや、変わって見せる。
乙「里香ちゃん……。」
首につけていたチェーンから指輪を引きちぎる。
─────────「 なぁに 」─────────
乙「力を貸して……。」
里香ちゃんを呼ぶために、その指輪を左手の薬指にはめた。
巨大な呪いの腹が、突如膨れ上がり割けた。その中から飛び出してきたのは、乙骨憂太を呪っている特級過呪怨霊〝祈本里香〟。里香が憂太の願いに答え、唸り声をあげながら現れた。大きな爪を使い、その巨大な呪いの身体を蹂躙し、暴れ回っていた。
五条先生が〝帳〟を下ろし、憐ちゃん達と別れた後、僕と禪院さんは、拐われた二人の子供を救出すべく、校舎の中を歩いていた。
夜の学校は暗いし、教室の窓や廊下の隅には気味の悪い化け物が出てたりと怖くてたまらなかった。その道中、禪院さんからは、呪いの習性だったり、呪術師の階級についての説明だったりと、色んなことを教えてもらっていた。その直後、後ろから出てきた大きな呪いが現れていたことに気づくのが遅れた僕達は、そのまま呪いの口の中に飲み込まれた……らしい。
らしいというのは僕はすぐ、気絶してしまっていたから覚えてないが、どうやらこの気持ち悪い空間は、あの大きな呪いの腹の中だった。気絶しなかった禪院さんから怒鳴られながら、教えられた。
また里香ちゃんに守られているのに、呼び出せなかった僕に対して禪院さんが怒鳴っていると、ふと奥の方で小さな声が聞こえた。
「助けて!……お願い。こいつ、死にそうなんだ。」
乙「よかった、生きてた……。」
だが、禪院さんによるとあまり良い状態ではないらしい。片方の子は、息も荒く倒れている状態で、もう一人の子は片目の半分が、異形な目に変化している。
真「誰もがオマエみてぇに、呪いに耐性があるわけじゃねーんだよ。」
乙「?……禪院さん?」
すると禪院さんが突然 ドサッと床に倒れ始めた。
乙「禪院さん!?」
慌てながらも彼女の身体を確認する。
乙「なんだこの傷……。呪いがかかってるのか……?」
どうやら禪院さんの太ももに傷が出来ており、そこから呪いがかかっているようだった。顔も赤い……どうやら熱も出ているようだ。
「助けてよ、お兄ちゃん!!」
乙「そんなこと……言ったって。」ガッ
思わず弱音を吐いてしまうと、倒れていた禪院さんに胸ぐらを掴まれた。
真「乙骨……オマエ マジで何しにきたんだ……呪術高専によ!!」
真「何がしたい!!何が欲しい!!何を叶えたい!!」
乙「僕は……。」
禪院さんの怒号とも呼べる問いかけに、僕はこれまでの胸の内を明かす。
乙「もう誰も傷つけたくなくて……閉じこもって消えようとしたんだ……。でも一人は寂しいって言われて、言い返せなかったんだ。」
あの日……五条先生に言われて、何も言い返せなかったことを思い出す。
乙「誰かと関わりたい!誰かに必要とされて……生きてていいって……自信が欲しいんだ。」
こんな僕でも誰かの役にたてるのだと、生きていいんだと自分自身で認められるようになりたかった。
乙「それに僕はずっと……憐ちゃんに会いたかった!以前のように仲良くしたい……、彼女の笑顔が見たい……、あの頃のように……もう一度、僕に笑いかけて欲しいんだ……。」
里香ちゃんの事だけで高専に来た訳じゃない……僕は憐ちゃんに会いたかった。生きる希望を無くしかけていた僕の唯一の心の支えが、憐ちゃんや里香ちゃんと過ごした幼き日の思い出だった。
そして、僕は小さい頃から、僕に見せてくれていた憐ちゃんの笑顔が大好きだった。
久々に再会した彼女の表情は、驚きと悲しさだけ。僕はまだ……成長した彼女の、心から笑っている表情を見てすらいない。
真「……じゃあ、祓え。呪いを祓って祓って祓いまくれ!!自信も他人も、その後からついてくんだよ!!」
真「それにな、憐のこともだ!今ここで、オマエが諦めちまったら、アイツとの関係性は今と変わらない!このままじゃアイツを泣かせるだけだろうが!!」
乙「っ!!…………。」
そうだ……僕はまだ何もしていない。
真「
僕だって出来るはずだ……。その為に今までの自分から変わらなければならない……いや、変わって見せる。
乙「里香ちゃん……。」
首につけていたチェーンから指輪を引きちぎる。
─────────「 なぁに 」─────────
乙「力を貸して……。」
里香ちゃんを呼ぶために、その指輪を左手の薬指にはめた。
巨大な呪いの腹が、突如膨れ上がり割けた。その中から飛び出してきたのは、乙骨憂太を呪っている特級過呪怨霊〝祈本里香〟。里香が憂太の願いに答え、唸り声をあげながら現れた。大きな爪を使い、その巨大な呪いの身体を蹂躙し、暴れ回っていた。