第1章
夢小説設定
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真希を筆頭に、パンダくん、狗巻くんが憂太を囲み、私は後ろから弓を構えていると、五条先生がこの高専について説明を始めた。
呪いに対抗できるのは、同じ呪いだけ、その呪いを学ぶための呪術高専、他の学校とは明らかに特殊な環境。その説明を聞いてる憂太の顔はどう見ても、この高専について分かっていない表情だった。
これは絶対説明してないやつだ。五条先生は、こういう所があるから困ってしまう。まぁ五条先生はともかく、何故姉さんがいながらこんなことになっているのか。私は思わず姉さんの方向に目を向けた。
貴2「憐……そんな目で見ないでください。大まかに説明はしたのですが、そういえば呪いの説明からしていないことに今気づきました……。くっ……不覚です。」
夫婦揃ってこれだ……。私も真希達も呆れた目で五条先生達を見てしまった。
五「あっ早く離れた方がいいよ〜。」
貴2「そうでした、皆さん早く離れてください!」
五条先生と姉さんが私達に呼びかける。すると憂太の後ろの黒板から、突如大きな手が飛び出し真希の持っていた槍を握り、異様な声が響く。
里「ユウタヲォオ……」
乙「待って!!里香ちゃん!!」
里「イジメルナァアアア!!!!」
貴「え……。里香……なの……??」
ここで私は、憂太の後ろに憑いていた呪いが、実はかつての幼馴染で親友だった祈本里香であることを知った。
特級被呪者 乙骨憂太
特級過呪怨霊 祈本里香
記録 ──────────── 6年前 宮城県仙台市
里「憂太、誕生日おめでとう!」
貴「誕生日おめでとう、憂太!」
乙「やったぁ!!開けていい??」
里「いいよ。」
乙「開けていい!!?」
里「いいってば。」
貴「憂太、はしゃぎすぎだよ〜。でもきっと気に入るよ!二人で考えたんだ〜!」
6年前、私と憂太と里香はいつものように公園で遊んでいた。この日は憂太の誕生日で、この日の為に私と里香は色々なプレゼントを考えていた。
──────憂太の誕生日から数週間前
里「憐〜もうすぐ憂太の誕生日だね。何がいいかな?」
貴「憂太なら里香があげたものなら、何でも喜んでくれると思うよ。」
里「里香もそう思う!でも、里香だけじゃないよ。憐からのプレゼントだってきっと憂太は喜ぶよ!」
貴「そうかな〜?……でもきっと憂太は里香からの方が嬉しいと思うよ。」
以前から里香と相談していた私だが、二人について密かに考えていたことがあった。
それは二人がお互いを想い合っているということ……。私からのプレゼントでも憂太は喜んでくれる……でもきっと憂太は里香から贈られるプレゼントの方が嬉しいはずだ。
だから、私からは贈らずに里香がプレゼントを贈る。上手くいけば、二人はお互いの想いを知り、一緒になって……きっと幸せになる……。
最初から私の入る隙間なんて何処にもなかった……。分かっていた……だから、自分の胸の痛みなんて気にしない……些細な問題だった。
里「何言ってるの!憐!憐から貰ったプレゼントなら、憂太は絶対喜んでくれるから!ね?分かった?」
貴「まぁまぁ私のことは置いといて……。里香は何をあげるの?」
里「もう〜!里香はね……これだよ。」
貴「!?……それって……」
里香が見せてくれたのは、小さなダイヤがついたシルバーリング。お互い将来を共にすることを約束する小さな誓い、覚悟を示す指輪。この頃から姉さんに教わった気がする。
里「婚約指輪だよ。里香のお母さんの指輪なんだ。」
貴「そ……そうなんだ!凄い綺麗……。きっと憂太は喜んで受け取ってくれるよ!だって憂太も……憂太も里香のこと……」
分かってた、分かってたの。自分の想いが無駄だということに。あの二人の仲を邪魔したい訳じゃない……けどその先はあまり言いたくない。だって私は里香も憂太も大好きだから……。
笑顔で二人の結末を見守ろう……。その後だったら……誰にも見られなければ、少しは……泣いてもいいよね?
そう思いながら里香の言葉を待っていると、里香は満面の笑みで笑った。
里「里香ね、憂太が大好き!だからこの指輪をあげるんだけど、憐の事も大好きなんだよ!」
貴「里香……ありがとう!私も大好き!」
里「だからね、憐……憐にはこの指輪をあげる!」
そう言って先程の指輪と同じような指輪を、手のひらにのせてくれた。ただ違うのは色が少し金色だ。
貴「わぁ〜とっても綺麗!でもなんで??私の誕生日近くないよ??」
里「知ってるよ!でも憂太の誕生日プレゼントを探してる時にあの指輪を見つけたの。その時に思ったの……里香が大好きなのは、憂太だけじゃないよ。いつも傍にいてくれる大切な憐に……里香と親友でいてくれる憐に贈りたいなって。」
里「だから……受け取ってくれる?」
そう言って里香は改めて私に笑いかけてくれた。
貴「そんなの……当たり前だよ!私だって、里香がとっても大切なの……。人見知りで友達がいなかった私に、あの病院で話しかけてくれたのは里香だった。それから仲良くなって、退院した後に憂太を紹介してくれて仲良くなったんだっけ……。本当にありがとう里香!」
里「良かった〜!里香の方こそありがとう!ずっとつけててね、その指輪。」
貴「当たり前だよ〜ずっと付けてる。」
そう言ってその後、憂太が公園に来ていつものように遊んだっけ……。
そしてこの指輪は後に、里香が私に遺してくれた最後の宝物である。
呪いに対抗できるのは、同じ呪いだけ、その呪いを学ぶための呪術高専、他の学校とは明らかに特殊な環境。その説明を聞いてる憂太の顔はどう見ても、この高専について分かっていない表情だった。
これは絶対説明してないやつだ。五条先生は、こういう所があるから困ってしまう。まぁ五条先生はともかく、何故姉さんがいながらこんなことになっているのか。私は思わず姉さんの方向に目を向けた。
貴2「憐……そんな目で見ないでください。大まかに説明はしたのですが、そういえば呪いの説明からしていないことに今気づきました……。くっ……不覚です。」
夫婦揃ってこれだ……。私も真希達も呆れた目で五条先生達を見てしまった。
五「あっ早く離れた方がいいよ〜。」
貴2「そうでした、皆さん早く離れてください!」
五条先生と姉さんが私達に呼びかける。すると憂太の後ろの黒板から、突如大きな手が飛び出し真希の持っていた槍を握り、異様な声が響く。
里「ユウタヲォオ……」
乙「待って!!里香ちゃん!!」
里「イジメルナァアアア!!!!」
貴「え……。里香……なの……??」
ここで私は、憂太の後ろに憑いていた呪いが、実はかつての幼馴染で親友だった祈本里香であることを知った。
特級被呪者 乙骨憂太
特級過呪怨霊 祈本里香
記録 ──────────── 6年前 宮城県仙台市
里「憂太、誕生日おめでとう!」
貴「誕生日おめでとう、憂太!」
乙「やったぁ!!開けていい??」
里「いいよ。」
乙「開けていい!!?」
里「いいってば。」
貴「憂太、はしゃぎすぎだよ〜。でもきっと気に入るよ!二人で考えたんだ〜!」
6年前、私と憂太と里香はいつものように公園で遊んでいた。この日は憂太の誕生日で、この日の為に私と里香は色々なプレゼントを考えていた。
──────憂太の誕生日から数週間前
里「憐〜もうすぐ憂太の誕生日だね。何がいいかな?」
貴「憂太なら里香があげたものなら、何でも喜んでくれると思うよ。」
里「里香もそう思う!でも、里香だけじゃないよ。憐からのプレゼントだってきっと憂太は喜ぶよ!」
貴「そうかな〜?……でもきっと憂太は里香からの方が嬉しいと思うよ。」
以前から里香と相談していた私だが、二人について密かに考えていたことがあった。
それは二人がお互いを想い合っているということ……。私からのプレゼントでも憂太は喜んでくれる……でもきっと憂太は里香から贈られるプレゼントの方が嬉しいはずだ。
だから、私からは贈らずに里香がプレゼントを贈る。上手くいけば、二人はお互いの想いを知り、一緒になって……きっと幸せになる……。
最初から私の入る隙間なんて何処にもなかった……。分かっていた……だから、自分の胸の痛みなんて気にしない……些細な問題だった。
里「何言ってるの!憐!憐から貰ったプレゼントなら、憂太は絶対喜んでくれるから!ね?分かった?」
貴「まぁまぁ私のことは置いといて……。里香は何をあげるの?」
里「もう〜!里香はね……これだよ。」
貴「!?……それって……」
里香が見せてくれたのは、小さなダイヤがついたシルバーリング。お互い将来を共にすることを約束する小さな誓い、覚悟を示す指輪。この頃から姉さんに教わった気がする。
里「婚約指輪だよ。里香のお母さんの指輪なんだ。」
貴「そ……そうなんだ!凄い綺麗……。きっと憂太は喜んで受け取ってくれるよ!だって憂太も……憂太も里香のこと……」
分かってた、分かってたの。自分の想いが無駄だということに。あの二人の仲を邪魔したい訳じゃない……けどその先はあまり言いたくない。だって私は里香も憂太も大好きだから……。
笑顔で二人の結末を見守ろう……。その後だったら……誰にも見られなければ、少しは……泣いてもいいよね?
そう思いながら里香の言葉を待っていると、里香は満面の笑みで笑った。
里「里香ね、憂太が大好き!だからこの指輪をあげるんだけど、憐の事も大好きなんだよ!」
貴「里香……ありがとう!私も大好き!」
里「だからね、憐……憐にはこの指輪をあげる!」
そう言って先程の指輪と同じような指輪を、手のひらにのせてくれた。ただ違うのは色が少し金色だ。
貴「わぁ〜とっても綺麗!でもなんで??私の誕生日近くないよ??」
里「知ってるよ!でも憂太の誕生日プレゼントを探してる時にあの指輪を見つけたの。その時に思ったの……里香が大好きなのは、憂太だけじゃないよ。いつも傍にいてくれる大切な憐に……里香と親友でいてくれる憐に贈りたいなって。」
里「だから……受け取ってくれる?」
そう言って里香は改めて私に笑いかけてくれた。
貴「そんなの……当たり前だよ!私だって、里香がとっても大切なの……。人見知りで友達がいなかった私に、あの病院で話しかけてくれたのは里香だった。それから仲良くなって、退院した後に憂太を紹介してくれて仲良くなったんだっけ……。本当にありがとう里香!」
里「良かった〜!里香の方こそありがとう!ずっとつけててね、その指輪。」
貴「当たり前だよ〜ずっと付けてる。」
そう言ってその後、憂太が公園に来ていつものように遊んだっけ……。
そしてこの指輪は後に、里香が私に遺してくれた最後の宝物である。