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忠実な彼ほど牙を剥く

翌日、政府より一通の手紙が届いた。
そこには指名手配と昨日来た男の顔が載ってあった。
下には偽の視察官と名乗って女の審神者へのセクハラを行っていたと報告されていると書いてあった。

主はそれを見るなり怪訝な顔をされていた。

「まさか主、何かされたのでは!!!」

俺はわざと何も知らない振る舞いをした。

「されてはないが、されかけたのは事実だ」

知っている。側へ駆け寄った時、主は体を震わせ険しい顔をされていた。
それにお茶をいれたのにも関わらずすぐ帰ろうとした男の挙動不審ぶり。何かしようとした所へ俺に邪魔をされた、みたいな所だろう。

「俺が側を離れたばかりに……申し訳ございません。政府には俺から報告しておきます」

「いや私が迂闊だった。長谷部は悪くないさ。すまないが頼めるだろうか?」

「かしこまりました。」

そう言うと主はいつものように本日の仕事にとりかかった。
傍からすればいつもの主だ。
しかし内心は複雑な気持ちなのだろう。
何せ政府の者だと思ってた者が全然関係のない男だったのだから。

でもご安心を。
その男はすでに俺が始末しておきました。
だから政府に報告する必要もないのです。
主に仇なす輩は俺が斬る。
あなたは何も知らなくていいし、心配しなくていい。

「服を1つ駄目にしたな」

自室の隅においてあるゴミ袋の中の血塗られた戦闘服を見て1人呟いた。
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