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みんなでホラー映画を観る話

これは数多くある本丸の中でとある本丸のお話。


みんなで夜ご飯を食べ終わってからの事だった。
各々自室に戻り、審神者も自室に戻ろうとすると後ろからジャージの裾を引っ張られる。

振り向くと鯰尾がニコニコした顔で立っていた。

「主さん、この後って暇ですか?一緒に観たいものがあるんですけど」

「別に何も無いしいいよ。何観るんだ?」

すると、鯰尾は後ろに何か隠し持っていた物を取り出し目の前で見せる。

「じゃーん!!!ほらーえいがってやつです!」

DVDのパッケージは井戸から髪長い女がこちらを見ているというパッケージだった。

「ほ、ホラーか……」


「もしかして主さん怖いのとか苦手ですか?」

DVDを握りしめたまま少し残念そうな顔をしているのを見た審神者は

「いや、大丈夫だ。むしろ好きだぞ」

などと嘘をついた。
後々後悔すると分かっていながら、鯰尾を悲しませたくない、せっかく誘ってくれたのだからという情が勝ってしまったのだ。

そこへどこで話を聞いていたのか、明石と青江が自分らもええですか?と入ってきた。

「いいですよ!人は多い方が楽しいですし、ね!主さん!」

「あぁ、そうだな。あと部屋は私の部屋を使っていいぞ」

審神者は少しホッとした。
人数が多い方が怖さも和らぐ、そう思ったのだ。
それも後悔で終わるとは知らずに。
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