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明石国行のその後の話

暖かい。
自分が知っている2人ではなくとも、目の前にいるのは確かに蛍丸と愛染国俊。
生きている、そう分かった瞬間に目頭が熱くなった。

「私の願いというのは、来派の明石国行として2人の保護者としてこの本丸に居てほしい」

「え?………」

自分が2人の保護者に?
正直、何を言っているんだと思った。

「どこの馬の骨かも分からない自分が2人の保護者せえなんて…ええんですか?ちょっと不用心過ぎやないですか?」

自分は遠回しに諦めるよう促した。
この女も2人も自分がやったことを知らない。
ましてやそんな自分が2人の保護者になって良いはずがない。

「知ってるよ。でもそれは俺たちの事を思っての行動だってという事も知ってる」

「どんな事があろうとも例えそれが酷な事であっても俺たちの保護者は国行しかいねぇんだ」

ハッとして2人を見ると、自分の目をじっと見つめてそれは紛れもない嘘偽りのない言葉だった。

「「だから、俺たちの国行でいてよ」」

そう言うと2人は自分を包むように抱きしめた。
ボロボロと涙が溢れた。
心に溜まっていた黒いものがとれていく。

「さて、これでもまだ刀解してほしいだなんて言うか?」

「いいや、2人にそんなこと言われたら、嫌やなんて言われへんやないですか。」

「じゃあ、決まりだな。」

主はんは握手を求めそっと手を差し伸べ自分がその手をとる。

「じゃあ改めて明石国行いいます。自分、やる気ないのが売りなんでなーんも期待したらあきまへんよ?」

「ああ、よろしく明石」

「国行はやる時はやる男だぜ」

「普段こんなだけどねー」

「こら、要らんこと言わんでええねん」

2人がケラケラと笑い自分の手を引いて歩く。

遠くの空には綺麗な虹がかかっていた。



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