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明石国行のその後の話

暖かい。
この感覚が何だったか、よく思い出せないけれど、自分はこの感覚を知っている。

すると今度は急に眩しい光が刺した。

恐る恐る目を開けるとそこは、見知らぬ和室だった。

「おっ、大成功だな!!」

自分の隣に赤いジャージに髪を結んだ女が立っていた。

「自分、死んだんちゃいますのん?」

思わず聞いてしまった。

「ぷっ、あはははは!!!」

女はそれを聞くなり笑った。
訳が分からなくてポカンとしていると、女はすまんすまんと謝った。

「顕現して、真っ先に生死を問うたのは君が初めてなもんだからつい…な。で、話を戻そう。まず三条大橋でうちの遠征部隊が君を見つけた。私はそれを持ち帰るよう彼らに伝えた。そして今顕現に成功したというわけだ」


「それはどうも。でも自分助けてくれなんて言うてまへんし、申し訳ないんですけど、もう誰にも仕える気もないんでこのまま刀解してもろうて結構です」

自分がピシャリと言い放つと、女は目を丸くした。

2人がいないのなら自分が戦う意味もない。
どうせこの女も自分のことしか考えないだろう。
審神者なんて皆同じ。
そんな奴らに仕えるなんてこちらから願い下げだ。

「そうか………。そうだ、君、名前は?」

あれだけピシャリと言ったのに軽く流された気がした。

「明石国行いいます。」

「じゃあ、明石。仕えろなんて言わないから1つ私のお願いを聞いてくれないか?」

「は?」

話を聞いていたのか?
刀解してくれと頼む自分をよそに自分の願いを聞けと?
結局この女も自分のことばかりか。
自分は心底呆れた。



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