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明石国行の話

時間遡行軍の目を盗み、本丸の廊下を走る。
他の連中はまだ戦闘中なのか先程から誰とも会わない。

誰にも気づかれないよう抜け道を使って本丸の外へと出た。

振り向くと、自分らが本丸に着いた時よりもより一層の火が本丸を包んでいた。
恐らく皆は戦いながら主はんのことをまだ探しているのだろう。

そんなことはもうどうでも良かった。
とりあえずこの男を本丸から連れ出す。
それだけを考えていた。

「ここまで来れば大丈夫だろ!」

男の手を引いて本丸から少し離れた森に着いた。

「政府には緊急事態の連絡をいれてある。時期に助けがくるさ」

男はそう言うとその場にしゃがみ込んだ。

「皆には悪いと思っているよ。置いて逃げたんだから………。けど仕方ないんだ、やっぱり自分が大事だからさ」

「せやなぁ………じゃあ自分が手をすべらせても仕方ありまへんなぁ」

目の前の男の心臓を目掛けて刀を突き刺した。

「がはっ!!!!………あ、明石……貴様!!!!」

「申し訳ないんやけど、こっちはあんさんの身勝手で2人失ってるんですわ。とっとと死んでくれはります?それに国俊も蛍丸もおらへんのならあんさんなんかに仕える意味ないわ」

「ま、待って……くれ……。明石……俺が悪かっ……た。2人なら…必ず……また顕現して……みせるから……だから!!!」

助けて。
そう言うのだろう。
分かっている。
この時にはもう憎いを通り越して呆れていた。

「ほな、さいなら」

心臓を貫いた刀をぬくと、首めがけて刀を振り下ろした。
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