秦の怪鳥
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天下の大将軍の妻
というのは、私にとってはかなり荷が重い。
私は元々身分の低い貴族の娘
年齢も年齢だからととんとん拍子に決まったのがこの結婚だ
そして、半年が経つが未だ王騎様と寝台を共にすることもない。
最初こそ浮かれていたが、
子供の頃に思い描いていた結婚とは全く違う。
つまり、ここには
愛はというものがないのだろう。
愛のない結婚、
「凛、ここにいたのか」
騰は凛を探していたようだ。
額が汗ばんでいる。
私がここにきて少し経った頃から、騰様とはお話するようになった。
私は毎日特にすることがない。
王騎様は戦に向かったり、他の武将のところへ行ったり、昭王のもとへいったり。
「騰様、なにかあったのですか?」
「昭王が亡くなられた」
それは衝撃の出来事だった。
この国の王が亡くなる、
そして王騎は昭王の宝刀だったのだから
.
王騎様はこの頃戦に出られくなった。
そして、城からも練兵以外に出ることはない
私はなんと声をかけていいのかわからなかった。
1人酒を飲む。
強い方ではない、この城に来てから飲み始めた気がする
覚えていないけれど
昭王が死んだあの日、
「おかえりなさいませ、王騎様」
「凛」
私の名前を呼び、それきり。
お互いの領域には関わらない
それが暗黙の了解のようなものだ
なんだか突然、それを壊したくなった。
酒のせいだろうか、
今から王騎様を尋ねることにした
コンコン
城の1番奥
巨大な廊下を渡り、巨大な扉を叩く
手には酒と器を2つ
「…」
「王騎様、いらっしゃいますか?」
すると扉の奥で動く気配がする。
留守ではなかったようだ
やってしまったと思った時にはもう遅かった
部屋の主が扉を開け不思議そうに凛を見下ろしていた
「凛、あなたですか」
「夜分遅くに申し訳ございません。あの…」
これ、と酒を見せると王騎様は驚いた表情になる
あ....やっぱりやっちゃった
と、そそくさと挨拶して立ち去ろうとすると腕を掴まれる。
「中へ」
初めて王騎様の部屋に入ってしまった。
何もかもが巨大だ。
感心しながら部屋を見渡す。
「珍しいですね、あなたからとは」
そこに座りなさいと促される。
表情は怖くてみれていない。
「ンフフ、あなた酔ってますねぇ」
あなたが酒を飲むとは意外です。
と王騎は凛の持っていた酒をひょいと持ち上げ2つの器に注ぐ。
そしていただきますとグイと飲んだ。
「それで、何かご用ですか?」
王騎は凛に尋ねる。
無理もない、こんな夜中に無礼で最悪だ
凛は目の前の自分の器を持ち一気に流し込む
「もうしわけございません」
少し呂律が回っていない。
「なにがでしょう」
まずい
と思ったのも束の間
次の瞬間顎を掴まれ上を向かされる
「....やっと目が合いましたね、凛」
優しい表情で王騎は凛に微笑みかける。
「おこって、ないですか…?」
「なぜ怒るんですか?まぁ多少はびっくりもしましたが」
うれしかったですよ、と王騎は笑い酒を飲む。
怒ってない、
そうわかるとこの際全て聞いてしまおうか
そう思った。
「王騎様は、私のことがお嫌いですか?」
チラチラと王騎の表情を見る。
すると王騎は一度凛を横目で見た後、考えるそぶりをする。
「私はあなたがこの王騎のことを嫌いなのかと」
「私!?ですか…?」
「ええ」
最初に来た頃から目も合わせてくれませんし、と王騎は少し悲しげな表情になる。
「少なくとも私は、好いていない相手を妻にすることはありませんよ。しかし、あなたがどうしても私を嫌いなのであれば家に返そうと思っていたところです」
「え…で、でも…王騎様は私を一度も…その、」
王騎は器を机に置き、凛の肩に手を乗せる
「夫婦とは、それが全てではありません。
愛おしいからこそ大切にしたいのです」
愛おしい、
その言葉に凛の心はドキッと跳ね上がる。
「私、王騎様の妻にはふさわしくないと…ずっと不安で…消えたかった」
寂しかったのだ、と。
すると王騎は凛を抱きしめる。
「凛をこんなにも不安にさせてしまっていたんですね…この私を許してくれますか?」
「はい…」
強く抱きしめ返す。
「あなたには、この話をしなければなりません。聞いていただけますか?」
突然王騎様は上を見上げ、1人の将軍の話を始めた。
夫婦になるはずだったある女性の話を。
私は涙した。
そんなことがあっていいのか、
「私のために泣いてくれるのですか」
「…王騎様も、泣いても良いのですよ」
そうか、…
目を見ればわかる、“まだ”なのだ。
「私は凛に深く踏み込んでしまったら…と、もう2度と大切な人を失いたくなかったのです。
この先、私は決着をつけるべき時が来るかもしれません。
その時はあなたを1人にしてしまうでしょう。
…ですから好都合だと思いましたよ、あなたに嫌われていて」
王騎はンフ、と笑い凛の顔を覗き込む。
すると凛は恥ずかしそうに目を逸らす。
「きらっ…てなどは…愛のない結婚とは…おもっていましたけど…思ってましたけど!嫌いではなかったです、絶対!そうです、王騎様を嫌うなんてとんでもない」
王騎は凛の正直な言葉にたまらずココココと笑う。
「私は最初からあなたを気に入っていたのですがねぇ」
次から次へと、....!
今の自分はきっと茹でたタコみたいになってるに違いない。
そして、気付いてしまった。
私はどうやら、この一瞬で
王騎様が好きになってしまったみたい。
今更おかしな話だけど、
「私は、王騎様に一生ついていきます。この先になにがあろうと、私は王騎様と共にあります。私はあなたの妻ですから」
「… 凛、もう後戻りはできませんよ。この先あなたを、この王騎がみすみす手放すことはありません。いいですか」
「…はい!王騎様」
なんだ
ずっと側に愛はいたのだ。
.
というのは、私にとってはかなり荷が重い。
私は元々身分の低い貴族の娘
年齢も年齢だからととんとん拍子に決まったのがこの結婚だ
そして、半年が経つが未だ王騎様と寝台を共にすることもない。
最初こそ浮かれていたが、
子供の頃に思い描いていた結婚とは全く違う。
つまり、ここには
愛はというものがないのだろう。
愛のない結婚、
「凛、ここにいたのか」
騰は凛を探していたようだ。
額が汗ばんでいる。
私がここにきて少し経った頃から、騰様とはお話するようになった。
私は毎日特にすることがない。
王騎様は戦に向かったり、他の武将のところへ行ったり、昭王のもとへいったり。
「騰様、なにかあったのですか?」
「昭王が亡くなられた」
それは衝撃の出来事だった。
この国の王が亡くなる、
そして王騎は昭王の宝刀だったのだから
.
王騎様はこの頃戦に出られくなった。
そして、城からも練兵以外に出ることはない
私はなんと声をかけていいのかわからなかった。
1人酒を飲む。
強い方ではない、この城に来てから飲み始めた気がする
覚えていないけれど
昭王が死んだあの日、
「おかえりなさいませ、王騎様」
「凛」
私の名前を呼び、それきり。
お互いの領域には関わらない
それが暗黙の了解のようなものだ
なんだか突然、それを壊したくなった。
酒のせいだろうか、
今から王騎様を尋ねることにした
コンコン
城の1番奥
巨大な廊下を渡り、巨大な扉を叩く
手には酒と器を2つ
「…」
「王騎様、いらっしゃいますか?」
すると扉の奥で動く気配がする。
留守ではなかったようだ
やってしまったと思った時にはもう遅かった
部屋の主が扉を開け不思議そうに凛を見下ろしていた
「凛、あなたですか」
「夜分遅くに申し訳ございません。あの…」
これ、と酒を見せると王騎様は驚いた表情になる
あ....やっぱりやっちゃった
と、そそくさと挨拶して立ち去ろうとすると腕を掴まれる。
「中へ」
初めて王騎様の部屋に入ってしまった。
何もかもが巨大だ。
感心しながら部屋を見渡す。
「珍しいですね、あなたからとは」
そこに座りなさいと促される。
表情は怖くてみれていない。
「ンフフ、あなた酔ってますねぇ」
あなたが酒を飲むとは意外です。
と王騎は凛の持っていた酒をひょいと持ち上げ2つの器に注ぐ。
そしていただきますとグイと飲んだ。
「それで、何かご用ですか?」
王騎は凛に尋ねる。
無理もない、こんな夜中に無礼で最悪だ
凛は目の前の自分の器を持ち一気に流し込む
「もうしわけございません」
少し呂律が回っていない。
「なにがでしょう」
まずい
と思ったのも束の間
次の瞬間顎を掴まれ上を向かされる
「....やっと目が合いましたね、凛」
優しい表情で王騎は凛に微笑みかける。
「おこって、ないですか…?」
「なぜ怒るんですか?まぁ多少はびっくりもしましたが」
うれしかったですよ、と王騎は笑い酒を飲む。
怒ってない、
そうわかるとこの際全て聞いてしまおうか
そう思った。
「王騎様は、私のことがお嫌いですか?」
チラチラと王騎の表情を見る。
すると王騎は一度凛を横目で見た後、考えるそぶりをする。
「私はあなたがこの王騎のことを嫌いなのかと」
「私!?ですか…?」
「ええ」
最初に来た頃から目も合わせてくれませんし、と王騎は少し悲しげな表情になる。
「少なくとも私は、好いていない相手を妻にすることはありませんよ。しかし、あなたがどうしても私を嫌いなのであれば家に返そうと思っていたところです」
「え…で、でも…王騎様は私を一度も…その、」
王騎は器を机に置き、凛の肩に手を乗せる
「夫婦とは、それが全てではありません。
愛おしいからこそ大切にしたいのです」
愛おしい、
その言葉に凛の心はドキッと跳ね上がる。
「私、王騎様の妻にはふさわしくないと…ずっと不安で…消えたかった」
寂しかったのだ、と。
すると王騎は凛を抱きしめる。
「凛をこんなにも不安にさせてしまっていたんですね…この私を許してくれますか?」
「はい…」
強く抱きしめ返す。
「あなたには、この話をしなければなりません。聞いていただけますか?」
突然王騎様は上を見上げ、1人の将軍の話を始めた。
夫婦になるはずだったある女性の話を。
私は涙した。
そんなことがあっていいのか、
「私のために泣いてくれるのですか」
「…王騎様も、泣いても良いのですよ」
そうか、…
目を見ればわかる、“まだ”なのだ。
「私は凛に深く踏み込んでしまったら…と、もう2度と大切な人を失いたくなかったのです。
この先、私は決着をつけるべき時が来るかもしれません。
その時はあなたを1人にしてしまうでしょう。
…ですから好都合だと思いましたよ、あなたに嫌われていて」
王騎はンフ、と笑い凛の顔を覗き込む。
すると凛は恥ずかしそうに目を逸らす。
「きらっ…てなどは…愛のない結婚とは…おもっていましたけど…思ってましたけど!嫌いではなかったです、絶対!そうです、王騎様を嫌うなんてとんでもない」
王騎は凛の正直な言葉にたまらずココココと笑う。
「私は最初からあなたを気に入っていたのですがねぇ」
次から次へと、....!
今の自分はきっと茹でたタコみたいになってるに違いない。
そして、気付いてしまった。
私はどうやら、この一瞬で
王騎様が好きになってしまったみたい。
今更おかしな話だけど、
「私は、王騎様に一生ついていきます。この先になにがあろうと、私は王騎様と共にあります。私はあなたの妻ですから」
「… 凛、もう後戻りはできませんよ。この先あなたを、この王騎がみすみす手放すことはありません。いいですか」
「…はい!王騎様」
なんだ
ずっと側に愛はいたのだ。
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