戦に行かないで、なんて言えない。


戦は彼の、王騎様の大切な...


でも

嫌な予感がする。
漠然とした感情が心を支配している。



「行か...ないで....」


「凛....」


涙を流しながら王騎に抱きつく。


ああ、なんて自分勝手なんだろう。



「私を1人にしないで...」


言葉が止まらない。


王騎はそんな凛を優しく撫でた。



「1人にはしません。必ず凛の元に帰ってきます。
あなたの側にはいつもこの王騎がついていますよ」


見上げると切なそうな優しい表情をした王騎様。


「うそ....」

ココココと笑う。

「本当です」


「だって...」


じゃあなんでそんな顔するの

すると次の瞬間、

息ができなくなるくらい抱きしめられた。



「帰ってきたら、夫婦になってくれますか？」


「え...！」

涙が止まる。


そんな凛を見て王騎はンフフと笑った。


「そんなに驚くことですかァ？」

「い、いえ...でも...！」



「凛を離すつもりはないですから。この先もずっと」

見つめ合う。

「......じゃあ絶対、離さないでください」



約束。


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