嫌な予感がした。



王騎様に仕えて5年、
私は王騎様専用の召使として働いている。

召使と言っても酷い扱いではなく、王騎様は私のことを1人の人間として接してくれる。
こんな扱いを受けたのはここが初めてだった。

そんな私は身分も弁えず秘めた想いがある

当然だと思う。
そのくらい王騎様は私を人間として、女として接してくれていた。
が、私と王騎様では身分が違いすぎる。

過去にお見合いを勧められたこともあった。

だが、乗り気ではなかった。

そして
嫌な予感がする とは、此度の戦のことだ

今度の戦は何か違う
そう、漠然と思った

考え込みながらいつものように王騎様の腰帯を結ぶ

「凛、どうしました？」

上を見上げると優しい表情をする王騎がいた

「え？」
「悲しそうな顔をしていますよォ」

すると私の手を握りしめる

「なにか不安なことでも？」

私はなぜかわからないが涙が出た

「なぜ泣くのですか？」

握りしめる力が強くなる
でもその力は優しくて、

「わかりません。ただ、」
「ただ？」




「行かないでください」

言ってしまった。
ハッとして王騎様を見ると驚いた顔をしていた

当然だ

「私はどこにも行きませんよ。」

察したのか、わからないがそういうとうさを抱きしめる

「私はずっとここにいます」
「ほんと....ですか？」

涙で前が見えない
なぜこんなにも涙が、
王騎様はここにいる
私を抱きしめてくれる

「はい、必ず戻ってきます」

約束は守ります。天下の大将軍ですから
と優しく微笑む

うさも微笑み返す

「戻ってきたら私と、」
「...？」

「決着がつけば私と...


私と結婚してください、凛」


予想外のプロポーズ
返事はもちろん

「はい...！」



2人は深く抱きしめあった


戦に向かうその時まで、