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仕事が煮つまり、気分転換すべくカルデアの食堂を目指し歩いていたときだった。
廊下の先で困った顔で立ち止まる男の姿があった。
「柳生さん?」
「・・・貴殿は・・・」
「ああ、失礼しました。職員の苗字です。何かお困りでしたか?」
「いやなに、かるであに来てからまだ日が浅い物で恥ずかしながら道に迷っておったところであった」
彼はそう上品そうに、だが茶目っ気のある微笑みをこちらへと向けた。
その微笑みがまるで少年のようで可愛いなと思ったがそれは心の中へとしまいこんだ。
「どちらに行かれる予定でしたか?」
「なに、噂に聞いただけなのだが・・・茶室があると聞いてな。やはり畳の上が一番落ち着く故、な」
「なるほど・・・そうでしたか。よろしければご案内いたしますよ」
「相済まない」
二人で目的の場所まで歩き始めたが、ただの職員である私がサーバントと接触する事などほとんどなかった。
それ故に何を話せばいいのかさっぱりわからず会話が止まってしまった。
というかそもそも、若輩者の自分には大人の男性と接する機会なんてのがほとんどなかったのだ。
突然、こんな上品な男性を前になんの話題を出せというのだ。
カルデアで缶詰になってる女にこの男性を喜ばせる話題など出てくるわけがない!
「えーーとあのーー・・・やっぱり畳のお部屋だと落ち着かれるんですか?」
「ふむ。慣れ親しんだ匂いというのもあるのだろうな。何より、べっどというものは中々慣れぬものよな」
「なるほど・・・ではお部屋を和室にしてみます?」
「自室を畳に出来るのであろうか?」
「ダヴィンチちゃんにまずは相談しないといけないんですけど、恐らくはうまくいくかと・・・ノッブ・・・あ、信長さんとか茶々さんなんて金ぴか和室にしちゃいましたからねぇ・・・」
「きんぴか・・・」
思わずノッブの部屋を思い出し思わず笑ってしまった。
和室は和室でもあの部屋は目の前の柳生さんには全く似合う気がしない。
柳生さんも想像したのか、一緒にくすくすと笑っていた。
笑わない人なのかと思っていたが意外にも笑ってくれる人のようだ。
「気になるなら寄り道していきます?」
「それはまたの機会にとっておこう」
「ふふ、わかりました。さ、着きました。こちらのお部屋が茶室です」
「すまぬ、助かった・・・時間があるなら礼に茶を・・・」
彼の言葉を遮るようにピーピーと場違いな音が響いた。
なな子のスマホが通信を知らせる音だった。
慌ててスマホを取り出し、中身を確認すると急ぎ戻るようにという内容だった。
ゲェっと思わず顔に出てしまっていたらしく、柳生も仕方ないといった顔をしていた。
「ご、ごめんなさい・・・折角お誘いいただいたのに・・・」
「何、時間は幾らでもある。また改めて誘おう」
「そう言っていただけると助かります。その時はお茶に合う和菓子をご用意してから伺いますね!」
「和菓子か・・・それは楽しみにしておこう・・・」
柳生さんが微笑んでくれるならと、思わず口走ってしまったが彼の微笑みを目の前で味わえるのならそのくらい軽いものだ。
彼の喜びそうな和菓子は何だろうか・・・キッチンエミヤに相談してみよう。
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りゅうたんと和菓子がたべたい
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