〈long〉クヴァールの瞳
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サイトーは緊迫した空気の中、車を走らせていた。
煙草を吸いたくなる気持ちを抑え、夜の町並みを猛スピードで移動する。
素子は無言でイシカワからの情報をまとめていた。
「おいおいおい、待ってくれよ・・・《少佐ァ!》」
ダイバールームからイシカワの焦り声の通信が響く。
イシカワが話すよりも早く、先程パズから回ってきたバーの写真が表示された。
この写真、とイシカワが呟きながら画像が解析され一部が拡大されていく。
バーカウンターのグラスが大きく表示された。
「柘植 吉春・・・!」
素子は驚きのあまりグラスに映りこんだ男の名前を声に出していた。
サイトーも息を飲んだ。
イシカワが解析した画像と資料写真が完全に一致した。
間違いなく、グラスに映りこんだ男は柘植吉春だった。
「《パズ!その場にこの男はいるか!!》」
素子の怒鳴り声に驚いたパズだったがイシカワからの写真を確認し、バーの中を見回した。
しかし目的の男の姿はもう既になかった。
車内に素子の舌打ちが響いた。
バーに着き、車を降りた素子は自然を装いながらも足早に階段を降りバーへと入った。
目視。
パズの姿を確認し、カウンターへと目をやる。
カウンターには先程パズから報告のあった電脳麻薬を受け取った男の姿があった。
売人は既に枝を張っている事もあり、そのまま泳がせたらしくこの場にはいなかった。
その後ろからサイトーもバーへと入り、何食わぬ顔で入り口近くの席に―店を出るときはサイトーの横をすれ違わないと出られない位置に―腰を下ろした。
素子も自然な雰囲気のままバーテンダーに注文をし、隣の男へ身体を向ける。
「ハァイ、お兄さん・・・一緒に呑まない?」
「悪いが君のような女性には興味がないもので」
素子の瞳をチラリと一度だけ見、興味がなくなったのか視線をグラスへと戻し、酒をあおった。
最後の一口だったらしく、グラスをテーブルに置き立ち上がった。
しかし男は立ち上がることができなかった。
「私も、あなたには用はないのよね・・・用があるのは・・・」
と言い男の腕に絡みつき―傍から見ると女が男に媚びているかのような動きで―拘束し、そっとスーツの胸ポケットに手を這わせた。
素子の動きを察した男は慌てて素子の拘束から逃げようとするも、九課でメスゴリラと言わしめる素子のパワーに適うわけがなく、只怯える事しか出来ずにいた。
「フフ、お兄さん・・・"電脳麻薬 "持ってるじゃない」
素子はにっこりと微笑むと素早く相手の首にQRSプラグを差し込んだ。
+ + +
「くそっ」
トグサとバトーが事務机で渋々報告書を書いていると遠くの廊下から何かが壊れる重低音と素子の悪態が聞こえた。
恐らく重低音の犯人は素子で壁かどこかを殴ったであろう事は直ぐにわかった。
思わず手を止め、お互い目を合わした。
「《おいトグサ、今日の少佐荒れてんな》」
「《・・・旦那知らないの?昨日追ってた男から情報手に入れようとしたらそいつゴーストハックされてたらしくて目の前で電脳焼ききったらしい。んで、目的の情報は何も手に入らず・・・少佐はブチギレって話》」
「《ゴーストハックゥ?この事件、やっぱり相当やべえんじゃねえの?》」
「《だから、あの少佐もキレてるんでしょ!》」
「《バトー!トグサ!さっさと報告書あげてこっちの事件に入れ!》」
「「《りょ、了解!》」」
「旦那・・・もしかして今の会話聞かれてた・・・?」
「ま、まっさかァ・・・?」
煙草を吸いたくなる気持ちを抑え、夜の町並みを猛スピードで移動する。
素子は無言でイシカワからの情報をまとめていた。
「おいおいおい、待ってくれよ・・・《少佐ァ!》」
ダイバールームからイシカワの焦り声の通信が響く。
イシカワが話すよりも早く、先程パズから回ってきたバーの写真が表示された。
この写真、とイシカワが呟きながら画像が解析され一部が拡大されていく。
バーカウンターのグラスが大きく表示された。
「柘植 吉春・・・!」
素子は驚きのあまりグラスに映りこんだ男の名前を声に出していた。
サイトーも息を飲んだ。
イシカワが解析した画像と資料写真が完全に一致した。
間違いなく、グラスに映りこんだ男は柘植吉春だった。
「《パズ!その場にこの男はいるか!!》」
素子の怒鳴り声に驚いたパズだったがイシカワからの写真を確認し、バーの中を見回した。
しかし目的の男の姿はもう既になかった。
車内に素子の舌打ちが響いた。
バーに着き、車を降りた素子は自然を装いながらも足早に階段を降りバーへと入った。
目視。
パズの姿を確認し、カウンターへと目をやる。
カウンターには先程パズから報告のあった電脳麻薬を受け取った男の姿があった。
売人は既に枝を張っている事もあり、そのまま泳がせたらしくこの場にはいなかった。
その後ろからサイトーもバーへと入り、何食わぬ顔で入り口近くの席に―店を出るときはサイトーの横をすれ違わないと出られない位置に―腰を下ろした。
素子も自然な雰囲気のままバーテンダーに注文をし、隣の男へ身体を向ける。
「ハァイ、お兄さん・・・一緒に呑まない?」
「悪いが君のような女性には興味がないもので」
素子の瞳をチラリと一度だけ見、興味がなくなったのか視線をグラスへと戻し、酒をあおった。
最後の一口だったらしく、グラスをテーブルに置き立ち上がった。
しかし男は立ち上がることができなかった。
「私も、あなたには用はないのよね・・・用があるのは・・・」
と言い男の腕に絡みつき―傍から見ると女が男に媚びているかのような動きで―拘束し、そっとスーツの胸ポケットに手を這わせた。
素子の動きを察した男は慌てて素子の拘束から逃げようとするも、九課でメスゴリラと言わしめる素子のパワーに適うわけがなく、只怯える事しか出来ずにいた。
「フフ、お兄さん・・・"
素子はにっこりと微笑むと素早く相手の首にQRSプラグを差し込んだ。
+ + +
「くそっ」
トグサとバトーが事務机で渋々報告書を書いていると遠くの廊下から何かが壊れる重低音と素子の悪態が聞こえた。
恐らく重低音の犯人は素子で壁かどこかを殴ったであろう事は直ぐにわかった。
思わず手を止め、お互い目を合わした。
「《おいトグサ、今日の少佐荒れてんな》」
「《・・・旦那知らないの?昨日追ってた男から情報手に入れようとしたらそいつゴーストハックされてたらしくて目の前で電脳焼ききったらしい。んで、目的の情報は何も手に入らず・・・少佐はブチギレって話》」
「《ゴーストハックゥ?この事件、やっぱり相当やべえんじゃねえの?》」
「《だから、あの少佐もキレてるんでしょ!》」
「《バトー!トグサ!さっさと報告書あげてこっちの事件に入れ!》」
「「《りょ、了解!》」」
「旦那・・・もしかして今の会話聞かれてた・・・?」
「ま、まっさかァ・・・?」