〈long〉クヴァールの瞳
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柘植なな子
25歳、身長***cm、体重***kg、女
篠原工務店でオペレーターとして勤務
特に問題行動もなく、補導歴なし
旧姓は苗字 なな子
両親は10歳の時に事故により死亡
柘植 吉春の養子になった
「・・・養子ってのが気になって色々と調べてみたんですよ。そしたらこの苗字って女の母親はポセイドン・インダストリアルの研究員ときた」
薄暗いダイバールームにはイシカワと素子とサイトーの姿があった。
イシカワがある程度探ってきた情報にはサイトーが接触した女の経歴と顔写真が目の前の液晶に映し出されていた。
素子は液晶を睨み付けるように眺める。
「義理の父親である柘植吉春もポセイドン・インダストリアルの研究員で、柘植なな子の実の母親の同僚だったようです」
このタイミングでこの情報はちょっとくさいと思いますけどね・・・と付け足しイシカワは苦笑しながら背もたれに寄りかかった。
その言葉にサイトーも考え込んでしまった。
ここ数日、脳殻破壊される事件が増えていた。
脳殻の破壊だけではなく、一部の被害者は両目が盗まれていた。
事件の被害者は決まって20代の女性で現場には使用済みの電脳麻薬が落ちていた。
この電脳麻薬の効果は今までの比ではない程"ぶっとんだ"状態になれるらしく若者に人気があると言う。
現場にあった唯一の証拠がこの電脳麻薬で、現在九課では脳内麻薬の出所を探っていた。
サイトーが付けていた対象はポセイドン・インダストリアルの裏の研究所を行き来する麻薬の売人の可能性があった。
「彼女が例の売人とどういう繋がりがあるか、詳しく調べる必要があるな」
「病室で少しだけ会話をしたが、どこからどう見ても普通の女だったけどな。もしそれが・・・演技だとしたら」
「主演女優ものね」
素子の演技がかった言葉にイシカワが肩を竦めながらサイトーを見た。
素子はただ液晶を眺めて、思考をまとめるかのようにじっと動かなかった。
そこへパズからの電脳通信が入り意識が戻される。
「《少佐》」
「《どうした》」
「《対象はまちがいなく電脳麻薬の売人だ》」
「《接触相手の情報は》」
「《今画像を送る》」
パズがそういうと素子の電脳にバーの店内写真が映し出された。
薄暗いバーのカウンターに腰掛ける二人の男。
サイトーが追っていた男と神経質そうな男だった。
「《・・・イシカワに解析させるわ、聞いてたわねイシカワ?》」
「あいよ」
もたれ掛っていた椅子から背を離すと肩をごきごきと鳴らし、仕事に取り掛かった。
「《接触相手は男のようだが・・・これまでとパターンが違うな》」
「《先程から頻繁に電脳通信をしているようで、この後誰かに渡すようです》」
「《なるほど・・・パズはそのまま現場で状況が変わったら報告》サイトー、バーに向かうぞ」
了解、と返事をすると二人はダイバールームを後にした。