〈long〉クヴァールの瞳
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素子から簡単に自己紹介をされ、それが終わると休むように言われた。
足がうまく動かないのをいい事に抱きかかえられて移動する事になったが、思わず同性にも関わらずドキリとしてしまった。
先程は椅子に固定されていて気がつかなかったが、後ろの方にベットがあったようでなな子はそっとそこに寝かされてしまった。
「私じゃなくてサイトーの方がよかったかしら?」
「いえそんな!あの私重くないですか!」
「私こう見えても義体なの」
真面目な空気から一転、突然のサイトーの名前に動揺したなな子は顔を真っ赤にしながら話を逸らした。
素子はクスクスと笑っているが、後ろにいたサイトーも自分の名前が出ると思っておらずなんとも言えない空気に耐え切れず先に部屋を出た。
トグサが照れてやんのと笑いながら出ていったドアの方を見ていた。
「あの、別にその、サイトーさんとはそのなんでもなくてあの」
ふふふと素子は笑うとなな子は益々顔を赤くさせるしかなかった。
「それじゃあまたあとで来るわ。何かあればそこの端末から呼び出してくれれば対応するわ」
そして二人は部屋を出て行く。
残されたなな子だったが、シンとした無音の部屋に落ち着かずそわそわしてしまった。
しかし過度のストレスからか目を瞑ると眠気が襲ってきた。
+ + +
素子がオフィスに戻ると九課のメンツがソファに座って待機していた。
階段を降り、皆の前に立つ。
荒巻も部屋に入室し、全員の顔を見ると小さく頷く。
部屋の明かりが暗くなり、ソファの正面の巨大なモニターになな子の情報、事件の詳細などが表示された。
大体の内容を全員にシェアし、意見をまとめているとトグサがそっと口を開いた。
「それで、彼女はこのままどうするんです?」
「私とイシカワとボーマとタチコマで電脳へのアクセスを試みるわ。バトーとトグサは現場で情報を集めろ。パズとサイトーは彼女の家族、友人関係を当たれ。以上」
部屋の明かりが戻り、各々の仕事に取り掛かった。
そんな空気の中、一人だけ動きのにぶい男がいた。
サイトーだった。
普段の彼には考えられない様子で何か考えているようだったが、ポーカーフェイスが崩れる事はなかった。
しかしパズは何かを察して思わず声をかけた。
「おい大丈夫か」
「・・・あぁ」
「何か気になる事でもあるのか?」
「いやなんでもない、行くか」
サイトーは誤魔化すように車の鍵を手に取りオフィスから出ていった。
+ + +
どれくらい眠っていたのか。
部屋には窓も時計もなく電脳もまともに動いていないせいで時間の経過を把握できずにいた。
なな子がゆっくりと身体を起こすと特に痛みはなくなっていた。
最近気になっていた頭痛もなく、ここまで体調がいいのは久々だった。
眠る前にトグサからもらった水に手を伸ばすと既にぬるくなっていてなんとなく時間の経過を感じる事ができた。
ごくりと一口、飲む。
するとドアが開く音がし、そちらに目を向ける。
入ってきたので素子だとわかるとほっとしたが、その後ろには見た事ない大柄な男性二人がいた為、なな子の皮膚がぴりっと緊張した。
警戒するなな子に素子は彼らも仲間だと説明をし紹介をした。
二人は気にする事ないと優しく笑ってくれた事もあり、なな子の緊張は少しほぐれた。
素子と会話をしている間、イシカワとボーマは何やら機械のセッティングなど作業をしていた。
なな子はそちらが気になってチラチラと見ていたが、素子が話しかけてきたので会話に集中する事にした。
「体調はどう?」
「ここのところ、体調崩してたんですけど・・・久々にゆっくり眠れたからか今すごく体調がいいです」
「何か持病でも?特に通院履歴はあったように思わなかったけど」
「最近頭痛がするというか・・・電脳が痛むというか・・・まぁそれだけだったので特に病院には行く必要もないかと思って市販のお薬使ってました」
そんなに大事な事だったかな?となな子が不思議そうに素子を見つめていると、難しそうな顔で黙り込んでしまった。
「"電脳"が痛むってどんな感じに?」
「んー、うまく伝わるかわからないんですけど・・・なんかチリチリするような・・・」
「・・・・・・その痛みはいつからか、覚えてる?」
質問の意図がわからず、わけもわからないまま大体この位からだったかなと思い出しそっと素子に伝えた。
それが役に立つのかどうかもわからず、なな子は何となく不安になった。
なるほどね、と素子は一人納得したように呟いた。
足がうまく動かないのをいい事に抱きかかえられて移動する事になったが、思わず同性にも関わらずドキリとしてしまった。
先程は椅子に固定されていて気がつかなかったが、後ろの方にベットがあったようでなな子はそっとそこに寝かされてしまった。
「私じゃなくてサイトーの方がよかったかしら?」
「いえそんな!あの私重くないですか!」
「私こう見えても義体なの」
真面目な空気から一転、突然のサイトーの名前に動揺したなな子は顔を真っ赤にしながら話を逸らした。
素子はクスクスと笑っているが、後ろにいたサイトーも自分の名前が出ると思っておらずなんとも言えない空気に耐え切れず先に部屋を出た。
トグサが照れてやんのと笑いながら出ていったドアの方を見ていた。
「あの、別にその、サイトーさんとはそのなんでもなくてあの」
ふふふと素子は笑うとなな子は益々顔を赤くさせるしかなかった。
「それじゃあまたあとで来るわ。何かあればそこの端末から呼び出してくれれば対応するわ」
そして二人は部屋を出て行く。
残されたなな子だったが、シンとした無音の部屋に落ち着かずそわそわしてしまった。
しかし過度のストレスからか目を瞑ると眠気が襲ってきた。
+ + +
素子がオフィスに戻ると九課のメンツがソファに座って待機していた。
階段を降り、皆の前に立つ。
荒巻も部屋に入室し、全員の顔を見ると小さく頷く。
部屋の明かりが暗くなり、ソファの正面の巨大なモニターになな子の情報、事件の詳細などが表示された。
大体の内容を全員にシェアし、意見をまとめているとトグサがそっと口を開いた。
「それで、彼女はこのままどうするんです?」
「私とイシカワとボーマとタチコマで電脳へのアクセスを試みるわ。バトーとトグサは現場で情報を集めろ。パズとサイトーは彼女の家族、友人関係を当たれ。以上」
部屋の明かりが戻り、各々の仕事に取り掛かった。
そんな空気の中、一人だけ動きのにぶい男がいた。
サイトーだった。
普段の彼には考えられない様子で何か考えているようだったが、ポーカーフェイスが崩れる事はなかった。
しかしパズは何かを察して思わず声をかけた。
「おい大丈夫か」
「・・・あぁ」
「何か気になる事でもあるのか?」
「いやなんでもない、行くか」
サイトーは誤魔化すように車の鍵を手に取りオフィスから出ていった。
+ + +
どれくらい眠っていたのか。
部屋には窓も時計もなく電脳もまともに動いていないせいで時間の経過を把握できずにいた。
なな子がゆっくりと身体を起こすと特に痛みはなくなっていた。
最近気になっていた頭痛もなく、ここまで体調がいいのは久々だった。
眠る前にトグサからもらった水に手を伸ばすと既にぬるくなっていてなんとなく時間の経過を感じる事ができた。
ごくりと一口、飲む。
するとドアが開く音がし、そちらに目を向ける。
入ってきたので素子だとわかるとほっとしたが、その後ろには見た事ない大柄な男性二人がいた為、なな子の皮膚がぴりっと緊張した。
警戒するなな子に素子は彼らも仲間だと説明をし紹介をした。
二人は気にする事ないと優しく笑ってくれた事もあり、なな子の緊張は少しほぐれた。
素子と会話をしている間、イシカワとボーマは何やら機械のセッティングなど作業をしていた。
なな子はそちらが気になってチラチラと見ていたが、素子が話しかけてきたので会話に集中する事にした。
「体調はどう?」
「ここのところ、体調崩してたんですけど・・・久々にゆっくり眠れたからか今すごく体調がいいです」
「何か持病でも?特に通院履歴はあったように思わなかったけど」
「最近頭痛がするというか・・・電脳が痛むというか・・・まぁそれだけだったので特に病院には行く必要もないかと思って市販のお薬使ってました」
そんなに大事な事だったかな?となな子が不思議そうに素子を見つめていると、難しそうな顔で黙り込んでしまった。
「"電脳"が痛むってどんな感じに?」
「んー、うまく伝わるかわからないんですけど・・・なんかチリチリするような・・・」
「・・・・・・その痛みはいつからか、覚えてる?」
質問の意図がわからず、わけもわからないまま大体この位からだったかなと思い出しそっと素子に伝えた。
それが役に立つのかどうかもわからず、なな子は何となく不安になった。
なるほどね、と素子は一人納得したように呟いた。