〈long〉クヴァールの瞳
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密室の化粧室にはなな子の他には目の前で息絶えた女の姿と床に投げ捨てられている使用済みの電脳麻薬しか見当たらなかった。
サイトーはすぐさま通信を飛ばした。
「《バトー、トグサ、いるんだろ・・・至急店まで来てくれ。一課が来ると面倒だ。根回しを頼む》」
「《なんだ、何があった》」
「《殺しだ》」
「《なら別に一課に任せればいいんじゃないの・・・?》」
「《現場に・・・電脳麻薬が落ちてる》」
サイトーの只ならぬ様子に何かを察したバトーとトグサは現場へと急いだ。
「ぁ・・・あっ・・・っ・・・・・・!」
「大丈夫だ、落ち着け。ゆっくり呼吸しろ・・・」
なな子の喉から漏れた空気が言葉にならない音のみを発していた。
これが演技だっていうのかとサイトーは眉間に皺を寄せながらなな子を見つめた。
一先ずは現場から遠ざけ、部屋の外の廊下へと座らせ落ち着かせる事に専念した。
顔面は蒼白で、瞳からは光が失われ視点も定まっていない。
そこへ連絡を聞きつけたバトーとトグサが走って来た。
「まだ中は詳しく調べてない。店側が救急車と警察に電話したようだからあと数分で来る筈だ」
わかった、とバトーが返事するとすぐさま現場へと入り、続いてサイトーも入って行った。
トグサは足を止めなな子をちらりと見た。
しかし時間がない事を思い出し、二人の後に続いた。
トグサが部屋に入ると既にバトーは身元の確認、サイトーは現場の確認をしていた。
「手口はほぼ一緒。目玉だけはそのまんまだな・・・」
「じゃあこれは別件って事?」
「どうだろうな。目玉を刳り貫く時間がなかったか、想定外の事が起きて途中で止めたか・・・店の映像残ってるか?」
「ああ、イシカワに回して解析してもらってる。念の為店内の客の顔もスキャン済みだから一致すれば直ぐわかる筈・・・ただ、犯人がまだ店に残ってるとは思えないんだよなぁ・・・」
二人の会話を聞いていたダイバールームのイシカワから通信が入った。
「《待たせたな。20:56に被害者が席を立ってる。んで、その後は・・・》」
「《その後は・・・何だよ、もったいぶって》」
同じく通信を聞いていたサイトーは察しがついてしまった。
いつもと変わらぬポーカーフェイスで、声色も変わる事なくサイトーが呟く。
「《その後、入ってきた女は柘植なな子だな》」
「《・・・ああ、その通りだ。映像に細工もなければハッキングの形跡もない。》」
「《じゃあやっぱりそいつが一連の犯人なんじゃねえの?》」
「《旦那、それはちょっと性急すぎるんじゃ・・・》」
「じゃあ答え合わせすりゃいいんじゃないの」
とバトーがにやりと笑いなな子のいる廊下へと出て行った。
手には何時の間に伸ばしたのかインターフェースからQRSプラグを持って。
サイトーとトグサが顔を見合わせながらその後に続いて部屋を出た。
バトーは既になな子のインターフェースにプラグを差し込んでいる所だった。
「まあ確かにそれが一番手っ取り早いけどさ・・・」
トグサが呆れながらその様子を見ていた。
「・・・・なんだァこりゃ・・・・・」
「・・・旦那・・・?」
バトーの動きが不自然に停止した。
サイトーとトグサの二人で声をかけるが何の反応もなかった。
まさかウイルス!と思ったときだった。
ガンッと物凄い音を起てて、バトーが吹っ飛びプラグが引き抜けた。
素子がバトーを殴りつけ吹っ飛ばしたのだ。
驚き戸惑う二人を余所に素子は手早くなな子の首に電脳錠を差し込んだ。
なな子は糸の切れた操り人形のようにドサリと床へ倒れこんだ。
「で、電脳錠・・・!やっぱり彼女が・・・!」
「詳しい話は九課でするわ」
素子はそれだけ言うとなな子の身体を軽々と持ち上げ店を後にした。
そこには呆然とする二人と伸びたバトーだけが取り残された。
―――遠くでサイレンの音がして二人の意識は現実に戻された。
サイトーはすぐさま通信を飛ばした。
「《バトー、トグサ、いるんだろ・・・至急店まで来てくれ。一課が来ると面倒だ。根回しを頼む》」
「《なんだ、何があった》」
「《殺しだ》」
「《なら別に一課に任せればいいんじゃないの・・・?》」
「《現場に・・・電脳麻薬が落ちてる》」
サイトーの只ならぬ様子に何かを察したバトーとトグサは現場へと急いだ。
「ぁ・・・あっ・・・っ・・・・・・!」
「大丈夫だ、落ち着け。ゆっくり呼吸しろ・・・」
なな子の喉から漏れた空気が言葉にならない音のみを発していた。
これが演技だっていうのかとサイトーは眉間に皺を寄せながらなな子を見つめた。
一先ずは現場から遠ざけ、部屋の外の廊下へと座らせ落ち着かせる事に専念した。
顔面は蒼白で、瞳からは光が失われ視点も定まっていない。
そこへ連絡を聞きつけたバトーとトグサが走って来た。
「まだ中は詳しく調べてない。店側が救急車と警察に電話したようだからあと数分で来る筈だ」
わかった、とバトーが返事するとすぐさま現場へと入り、続いてサイトーも入って行った。
トグサは足を止めなな子をちらりと見た。
しかし時間がない事を思い出し、二人の後に続いた。
トグサが部屋に入ると既にバトーは身元の確認、サイトーは現場の確認をしていた。
「手口はほぼ一緒。目玉だけはそのまんまだな・・・」
「じゃあこれは別件って事?」
「どうだろうな。目玉を刳り貫く時間がなかったか、想定外の事が起きて途中で止めたか・・・店の映像残ってるか?」
「ああ、イシカワに回して解析してもらってる。念の為店内の客の顔もスキャン済みだから一致すれば直ぐわかる筈・・・ただ、犯人がまだ店に残ってるとは思えないんだよなぁ・・・」
二人の会話を聞いていたダイバールームのイシカワから通信が入った。
「《待たせたな。20:56に被害者が席を立ってる。んで、その後は・・・》」
「《その後は・・・何だよ、もったいぶって》」
同じく通信を聞いていたサイトーは察しがついてしまった。
いつもと変わらぬポーカーフェイスで、声色も変わる事なくサイトーが呟く。
「《その後、入ってきた女は柘植なな子だな》」
「《・・・ああ、その通りだ。映像に細工もなければハッキングの形跡もない。》」
「《じゃあやっぱりそいつが一連の犯人なんじゃねえの?》」
「《旦那、それはちょっと性急すぎるんじゃ・・・》」
「じゃあ答え合わせすりゃいいんじゃないの」
とバトーがにやりと笑いなな子のいる廊下へと出て行った。
手には何時の間に伸ばしたのかインターフェースからQRSプラグを持って。
サイトーとトグサが顔を見合わせながらその後に続いて部屋を出た。
バトーは既になな子のインターフェースにプラグを差し込んでいる所だった。
「まあ確かにそれが一番手っ取り早いけどさ・・・」
トグサが呆れながらその様子を見ていた。
「・・・・なんだァこりゃ・・・・・」
「・・・旦那・・・?」
バトーの動きが不自然に停止した。
サイトーとトグサの二人で声をかけるが何の反応もなかった。
まさかウイルス!と思ったときだった。
ガンッと物凄い音を起てて、バトーが吹っ飛びプラグが引き抜けた。
素子がバトーを殴りつけ吹っ飛ばしたのだ。
驚き戸惑う二人を余所に素子は手早くなな子の首に電脳錠を差し込んだ。
なな子は糸の切れた操り人形のようにドサリと床へ倒れこんだ。
「で、電脳錠・・・!やっぱり彼女が・・・!」
「詳しい話は九課でするわ」
素子はそれだけ言うとなな子の身体を軽々と持ち上げ店を後にした。
そこには呆然とする二人と伸びたバトーだけが取り残された。
―――遠くでサイレンの音がして二人の意識は現実に戻された。