成人済みヒロイン。
寒い日には…
空欄の場合は「流畝舞美」になります
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ー暗く、冷たい何か、が這い上がってくるー
『…ゔ……』
…ここ数日、寝付きが悪い…
『…う、ん……』
…酷くうなされてしまうのは…風が冷たくなってきたからであろうか…
…苦しい…誰か…誰か…助けて…
『…?』
…と、薄ら意識の中、頬を温かな感触が伝う…
この温かさを、私は知ってる…
苦しい時、何度この温かさに救われた事か…
ぼんやりと目を開ければ……
『……凪砂、さん…?』
…彼が、とても苦しそうな表情をして、私の頬を撫でていた…
「…どうして、泣いているの?…舞美さんが悲しいと、私も悲しい……」
『いらしてたん、ですね…いぇ、大した事では…少し夢見が悪かっただけで…大丈夫です…』
「…怖い夢を見たの?…体もこんなに冷えてしまって…」
言いながら、ベットに座っていた彼が、私の両手を取り、次に上半身だけ起こした私を、優しく抱きしめてくれる…
瞬間、冷たくなった心と体が、じんわりと温かくなってゆく…
『…っ…』
彼の優しくて穏やかな声とその慈しむような動作に、抑えてた感情が込み上げてきて、私も凪砂さんの背に腕を回す…
「怖かったね。……大丈夫。私は舞美さんの側にいるから。一緒に眠ろうか…」
言い終えるよりも先に、彼はベットに潜り込み、そのまま私を正面から包みこむよう抱きしめる…
『…で、でも、何か私に、用事があったんじゃあ…』
嬉しさを感じながらも慌てて言えば、彼は美しい笑みを浮かべ、優しい手付きで頭を撫でてくれる…
「大丈夫だよ。私は、何だか舞美さんに呼ばれた気がしたから、立ち寄っただけ……」
『…そう、ですか…』
「…来て良かった。舞美さんの役に立てたみたい……君がいてくれるから、私もここに存在しているんだよ。…私が何者か分からなくなる時に、貴女も私の側にいてくれるよね?」
『それは……私にとって、凪砂さんは大切な存在ですから…』
「その言葉が、その想いが、私にとって、何よりも嬉しい事だから、舞美さんには変わらず、私の側で笑っていてほしいな…」
『…ありがとう、御座います……』
凪砂さんの言葉と体温に安心したのか…徐々に瞼が重くなってくる…
「大丈夫。…今の舞美さんには、私と同じで、皆がついてる…一人では、ないから……」
…その言葉を最後に、私は意識を手放した……
ー翌朝ー
…扉が勢い良く開けられる…
「舞美さーん!!凪砂くーん!!僕が迎えに来たよー!」
「おひいさん、うるさいっすよ〜。二人が取り込んでたらどうするんですか。」
「でしたら尚の事、お二人の為に!止めにいきませんと‥!」
「…自分の為じゃなくて?」
「はっはっはっ、まさかそんな‥!」
メンバーが相変わらずの漫才をしている中、日和だけ何故か急に時が止まったように動かない。
「あれ?おひいさん、どうしたんですか?」
「まさか既に有らぬ事態に‥?!」
日和の横から、茨が勢いよく身を乗り出せば…
「…。なんですか、この状況は……」
メンバーが見た光景、それは凪砂と舞美は向かい合って気持ち良さそうに眠っていて、その周りに愛犬と愛猫が寝ていると言う…
何とも和やかで微笑ましい光景だった…
「…見てると、謎の癒やしの効果がありますね…。」
「…やれやれ…」
「実に愛に溢れる光景だね!僕も混ぜるといいね!」
「だからおひいさん!声大きいですって‥!二人が起きたらどーするんですか!」
「…寧ろ好都合です。お二人には大変恐縮ですが、我々はお二方を迎えに来たんですから‥」
「やっぱ茨、思念、混じってません?」
「はははっ!ですからジュンの考え過ぎだと言ってるじゃないですか〜!」
「…ぜってぇ、嘘だ……」
ー二人が目覚めるまで、後数分ー
End
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