成人済みヒロイン。
陽だまりの君
空欄の場合は「流畝舞美」になります
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ーふと、思う時がある
自分は何の為に 生きているのかとー
…でも 決まって、答えは出ない…
最終的に答えを導き出すのは自分しかいなくて
それでも生きて行くしかない と自分で決めるから…
『…とは言え、そう思えるきっかけが無ければ、しんどいのには、変わらないのだけれど…』
ソファーに寝転がり、ひたすらに天井を見つめる…近くにはアンジェラ(犬)とエカテ(猫)が当たり前の様に寄り添っている…。
『…どうしようかな…』
目元を腕で覆いながら、唇をキュと引き締める…辺りに漂うは、静かで重い空気…だった筈だが…
「今日はー!舞美さん!僕が出向いてあげたよー!」
日和氏の元気な声に場の空気は一新され、飛び起きて、アンジェラ達とぽかんと硬直する…
『…え、日和さん…?なんで…何かお約束していましたっけ?』
「約束が無いと舞美さんに会いに行っちゃいけないルールなんて僕には無いね!」
相変わらずの日和節である…それが彼の良い所ですが…
『そう、ですか…しかし折角来て戴いたのは嬉しいのですが…今私はそれ所ではなくて…』
「おやおや〜?空気が重いね〜?悪い日和!丁度欲しい物もあるし…暇なら僕の買い物に付き合ってもらうね!」
『え、いやあの、ですから私は今…』
「僕はここでメアリとそのお友達(アンジェラとエカテ)と遊んでいるから、その間に早くお着替えをするね!」
『えー……』
…駄目だ。こうなってしまったら日和さんは絶対に考えを変えない…
「ほらほら、メアリ〜、お友達とお行儀良くお遊びしようね〜!」
『…(お行儀良いお遊びとは…?)メアリさん達はどうするのです?』
「心配しなくても大丈夫!後でジュン君が来てくれるから!…ほらほら!舞美さんも早くお着替えしてきて!僕とお出掛けをするのだから、相応な格好をしてくるね!」
『…(ジュン君、ごめんなさい。そしてこのお方と相応の格好とはいかに?)はぁ。分かりました。』
…仕方なく、私が折れるしかない…
ーーーーー
…それからと言うもの、渋々ついて行ったは良いが…買い物だ。という割には買い物はせず、庶民を娯楽?を経験したかったのか、何故かカラオケから始まり、遊園地、ゲームセンタ-、現在喫茶店にて私はぐったりしている…日和さんパワーが凄過ぎて…
「うんうん!たまにはこういう庶民の娯楽も試してみると存外楽しいものだね!」
『…それは、良かったです…』
と言うかあれだけ色々な所へ行ってて何故にこの貴族様はこんなに元気なの…?!
「あれあれ?舞美さんは、もう疲れてしまったのかい?」
『いやいや…日和さんが元気過ぎるだけです。』
「皆の太陽はこれくらいで陰ってなんていられないからね!」
…何故か自信漫々に言う日和さんに、思わず笑みが溢れる…あれ?私、いつの間にか…
『ふふ、何ですかそれ…』
「…やっと笑ったね。」
手の甲に顎を乗せながらの突然の優しい眼差し、優しい声色…急な出来事に心拍数が上昇する…日和さんに言われて気づいた…さっきまでの暗い気持ちが今もうどこにもない…
『あ…えと……』
「うんうん!やっぱり舞美さんは笑ってる顔の方が可愛いね!」
『っ…』
どうしてこの人はそう恥ずかしくなる言葉をさらっと言えるのか…
「さてと!流石にジュン君が可哀想だから、舞美さんのマンションに戻ろうか!僕は優しいからね!」
人の気持ちも知らないで彼は席を立とうとする。
『あ、あの!でも!まだ日和さんの欲しい物が買えていませんよ…?!』
慌てて日和さんの腕を引っ張ると、彼はふわりと微笑んで…
「もう手に入ったよ。僕が欲しかったのは、舞美さんの笑顔、だから。」
もう、嫌だ…このお方…心臓が保ちません。
『あ…りがとう御座います。』
「おや〜?照れた顔も付けてくれるの?ちょっと貰い過ぎだけど…良い日和になりそうだね!」
そう言って、喫茶店の領収書を手に取ると、彼は私の先へ行く…
『あ、待って下さいっ…!日和さん!せめてものお礼に私に…!』
…貴方はいつだってそう、私に暗い影が落ちた時、いつもそうやって私を明るく照らしてくれる…
凪砂さんが淡い光で包みこんでくれる月だとすれば、眩しいぐらいの光を放ち私を導いてくれる貴方は太陽…そう正(まさ)しく陽だまりの君…
「早くしないと置いて行ってしまうよ!」
『まま、待って下さい!日和さん!』
そんな貴方だからこそ、皆が魅かれる存在なのであろう…
陽だまりの君
(…最も僕がここまでするのは、舞美さんだからだけどね。)
(ん?日和さん、何か仰いました?)
(何でもないね!)
(…?)
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