成人済みヒロイン。
心の温度
空欄の場合は「流畝舞美」になります
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ー蝉が元気に鳴く、とある日ー
***
舞美のマンション
***
『…暑い、ですね……』
「そうだね。暑いね。今日もまた気温が高いみたいだよ…、」
『そう…ですか……』
いつもの様に、何の違和感も無く、ソファーに座る…人気ユニットEdenのリーダー、乱凪砂…
ただ、同じ空間にいる舞美は、どこか戸惑いの表情を浮かべていた…
『…あの、凪砂さん…?』
「なぁに?」
『…その、暑いようでしたら、私を離してくれても良いのですよ…?』
「どうして?」
何が起こってるかと言うと、暑いと言う割に凪砂は(冷房は勿論効かせているが。)、舞美を膝の上に乗せたまま読書をしているからである。
『…どうして、って、暑いなら、人肌は避けた方が良いかと思いまして……』
「あぁ…そう言う事。……ふふ、大丈夫だよ。舞美さんの人肌なら問題無い…寧ろ心地良いくらいだから…」
『いやあの…、』
「本当に閣下は、舞美さんがお気に入りですね。…まぁお気持ちは分かりますが…」
「茨、本音が漏れちゃってますよ〜。」
「凪砂くぅ〜ん!満足したら次は僕に代わってくれるかい?!」
…これまた、違和感なくEdenのメンバーがふつーにそこに居て会話をしている…何度も言うが、ここは舞美の所有しているマンションである。
「私が舞美さんを求める事に、満足する事なんてないけれど…いいよ。日和君の頼みだしね、」
『えっと……』
「流石は凪砂君だね!」
「女王陛下(舞美の事)自身は置き去りにされていますが…」
「つかお二人共、盛り上がっている所悪いですが、舞美さんは物、じゃないっすからね?」
「分かってるよ!ジュン君!僕が満足したら、ジュン君にも代わってあげるからね!」
「うん。どうせなら皆で愛でたいからね…。」
「いや、俺は愛でるなら、二人の時がいいです。そう言う事じゃなくってですねぇ…舞美さんだって困ってますし……」
「ジュンも言う時は言いますね〜。」
『(何とも言えない表情で俯いている)』
「おや、どうしてだい?舞美さんにとって凪砂君は憧れの存在だよね?寧ろ喜ばしい事なんじゃあ…」
「だからでは有りませんか?…よくお顔を拝見しますと、照れているようにも見えます。実に愛くるしい♪」
『茨さん、煩い。』
「おやおや。相変わらず自分には冷たいですねー。まぁそこも女王陛下の可愛らしい所ですが…」
『……』
ふい、と茨をジト見した後に視線を反らす舞美…
「その対応も実に愛くるしい‥!」
「茨ってそう言う趣味でしたっけ?」
「いえ!自分はイジる方が好みで有ります!」
「まぁそうだよね。茨だし。」
「寧ろ茨にしては、清々しくて僕は良いと思うよ!」
「いやほんと、そうじゃなくってですね…」
…完全に置いてけぼりのマンション持ち主…すると、凪砂が顎に手を置き少し考え込むような素振りをすると…、
「…、ねぇ舞美さん、舞美さんは私にこう言う事をされるのは、嫌?」
『っ…!』
少し寂しそうな表情をする凪砂…そんな整った彼の顔がしょんぼりする様に、彼女はいたたまれなくなって…
『…その、嫌とかではなくて!……ただ…』
「…ただ、なぁに?」
首を傾げる凪砂に、彼女は視線を泳がし…
『…凪砂さんの顔、見れないんです…かっこ良すぎて…』
今一度俯いてしまった…すると凪砂は一瞬キョトンと驚きの顔の後、直ぐにくすりと優しい笑みを浮かべて…
「…ふふ、本当に可愛い‥、」
彼女の頬に触れ、顔を上げ同時に、その頬に軽いリップ音と共に口づけを落とす…
瞬く間に彼女は更に赤みを帯び始め…
「あはは♪あっという間に顔が真っ赤だね!可〜愛い♪」
「ずりぃ…」
「ここだけを見ていますと、世を騒がせているアーティストの面影がありませんなぁ‥!」
「そーゆ事を言うから、舞美さんに冷たくされちゃうんですよー。茨。」
「いやはや、これは失敬!余りにも可愛いらしかったもので!敬礼〜♪」
「そうだね。可愛いモノはどうあっても愛でたくなってしまう…。」
目を細め慈しむような眼差しを向けられて、彼女は居心地悪そうに視線を反らす…
『…ほ、程々にして下さい。……心臓が持ちません…』
「ごめんね。なるべく気を付けるよ。」
「凪砂君!凪砂君!僕も早く舞美さんをギュウギュウしたいね!」
「おひいさんはいつもベタベタなんで、まず俺がします。」
「なんだって?!ジュン君!先輩は敬うべきだね!」
「仕事ではそうしてるでしょ〜?こう言う時は別っすよ…、」
「でしたら自分は最後で構わないので待たせて戴きます!」
『…私、良いって、言ってないのに……』
ー彼等といると、彼女の心の温度は上昇するばかりだー
…暑い日々は、まだまだ続く…
end
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