成人済みヒロイン。
〜ルームクリーナーと五奇人〜
空欄の場合は「流畝舞美」になります
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…ルームクリーナーである彼女の仕事は…
アイドル活動で忙しい彼等に変わって
部屋と心を綺麗にする事…
ーいつものように、流畝舞美がESビルの窓拭き中、それは訪れたー
「流畝、流畝は居るかね…?!」
声を上げながら、ズンズンと廊下を進んで行く宗…
「お師さん、めっちゃ目立っとんで。」
戸惑いながら、後を付いて来るみかにもお構い無しに…
「五月蝿いのだよ、影片!こうしている間にも芸術が生まれる可能性が潰えようとしている!急がねば…!」
「舞美さんはお師さんのお掃除屋さん、だけや無いんと思うんやけど…でもま〜、確かにお師さんもそろそろ休まなアカンし、衣装部屋も綺麗にせな。手伝おうてもらいたいのも事実や。」
…息抜きと創作、どうやら宗にとって、流畝舞美は特別な意味合いで馴染みのルームクリーナーらしい…
『はいはい。宗さん、私はここですよー。』
周りが見えていないのか、舞美を通り過ぎそうになる宗に声を掛ける。
「どこにいるのかね…?!」
『宗さんの斜め後ろ、ですよ〜。』
言うと同時に振り向く宗…
「やっと見つけた!僕をこれだけ歩き回せるとは大した度胸だね!」
『私はただお仕事をしてただけですけどね。』
「舞美さん、お今日は〜…♪」
『はいはい。今日は〜。宗さんにみかちゃん。』
「流畝!早速だが、今直ぐにでも仕事を頼めるかね…?!」
「お師さん、いつもながらに急やね…」
『今からですか?良いですよ〜。今日は特に予約も入っていませんし…』
「では、早速、衣装ルームへ向かおうじゃないか!」
用事が済んでもう目的しか見えていないのか、宗は流畝とみかをそのまま、上機嫌にルームへ急ぐ…
「いっつも急に、ごめんなぁ〜…舞美さん…」
困った様に話す、みか、だがそんな彼ににこりと微笑んで…
『大丈夫ですよ〜。もう慣れましたから。…それに、私がお手伝いする事で、宗さんの新しい芸術に触れられて、生み出せる事が、何よりも嬉しい事なので…』
遠慮がちに彼女が微笑めば、反対にみかは人懐っこい笑みを浮かべて…
「おおきに。舞美さんはほんまに優しくてえぇ人やね。お師さん、誤解される事が多い人やから、そんな風に思っていてくれる人がおると、おれも嬉しくなってしまうわ〜。」
『ありがとう御座います。でも、優しいのはみかちゃんも、ですよ?』
「えへへ、ホンマ〜?おれは、自分のしたいようにやってるだけやけど…おおきに、舞美さん。」
「何をしているのかね…?!流畝に影片!早く来たまえ!」
二人の間に和やかな空気が流れたと思いきや、宗にそう言われ、舞美とみかは互いに顔を見合わせ苦笑いする…苦笑いと言っても、二人共実に楽しそうな苦笑いだ。これが二人にとっての日常、らしい…
「待ってぇなー!お師さん〜!」
『今行きますー!』
ーーー
衣装ルーム
ーーー
宗は新しい衣装を制作している…
「お師さん、この衣装ーはどこにしまったらえぇの?」
「それは右端に掛けといてくれたまえ。」
「はーい。」
『宗さん、ここも掃除して良いですか?』
「かまわないが、段差には注意するのだよ。」
『…はい。ありがとう御座います。』
触れてはいけない物や場所、宗の指示の元、ルーム内は整頓されていく…
更に数時間後…
「…」
『宗さん、そろそろ休憩にしませんか?紅茶とお菓子を持ってきたので…。』
「お師さん、舞美さんの言う通り、休も〜。根詰める過ぎるのもよぉないて…」
「…ふむ。効率を上げる為にも頂くとしよう…」
宗の横では既に、みかが幸せそうにカップケーキを頬張っている…
「それにしても、舞美さんって、お茶淹れたり、お菓子作ったり、ホンマ何でも出来るんやね〜。お師さんを納得させるて、相当やで…」
「ふん。他があまりにも使えなさ過ぎるだけなのだよ。」
「もー、そないな事ばっかり言うとるから、誤解されるんやで〜?お師さん。」
「何故僕が回りに合わせないといけないのかね‥?!言わせたい俗物共には言わせておけばいいのだよ…!!」
『…ふふ…』
いつもの掛け合いに微笑む舞美…すると、宗が思い立ったように創りかけの衣装を差し出し…
「そうだ流畝、また助力を頼みたい。全体的なベースはこれで良い、だが何かが足りない…君はどう思う?」
流畝はまじまじと衣装を見ながら…
『うーん…そうですねぇ…いつも通り、素敵な出来上がりですけど…敢えて言うのであれば、胸の飾りの宝石にリボンとか付けちゃ駄目ですか?』
彼女が言えば宗は目を見開き…
「そうか…!であれば…」
「アカン。もう回り、見えてへんわ…」
『ふふふ、お役に立てて良かったです…』
ー暫くしてー
『それでは、Valkyrieのお二方、本日はご利用、ありがとう御座いました。』
「いやいや!こちらこそ、ホンマにおおきに〜。舞美さんのお陰で、お師さんも休めたし、お部屋も綺麗になったわ。ありがと〜な〜。」
『いえいえ…』
直後、みかのスマホが音を立てる…
「んぁ?お仕事の話かも…ちょっと待っててなぁ…」
『大丈夫ですよ。もうお暇しますから…』
「堪忍なぁ〜…舞美さん。またな〜!」
みかは衣装ルームへと戻って行く…
『それでは宗さん。何か有りましたら、またご利用下さい…失礼致しま』
「待ちたまえ舞美。」
『え!…っと、はい何でしょう…?』
普段は名字で呼ばれる筈が、急に名前で呼ばれ舞美は戸惑う…
「日頃世話になっている礼だよ。受け取りたまえ。」
『…これは…?』
手渡されたのは、何かの招待状の様で…
「一週間後開かれる展示会のチケットだ。…当日は僕が直々に案内するよ。」
『え…良いんですか?』
「不満かね?」
『いえ!…そう言う訳では……ただ、宗さんは主催者ですし。お忙しいのでは無いかと…』
「その辺は調整済みだから、問題は無いよ。…誰にも横やりはさせない…」
『え…?』
小さな声で呟かれた言葉に舞美は宗の方を見るが…
「な、何でも無いのだよ…!」
視線を逸らされてしまった…
『?…そうですか…』
「…い、嫌なのかね…?」
『いえ、嬉しいです。ありがとう御座います。宗さん…』
「う、うむ…」
すると用事を済ませたみかが戻って来たようで…
「あれ?まだおってくれたん?舞美さん!嬉しいわぁ…!…んぁ?お師さん、何や顔赤ない…?」
「や、喧しいのだよ!影片!そんな事を言ってる暇があるのであれば、新たな作品をさっさと作りたまえ…!」
「へ?何でいきなりおれが怒られてるん…?!」
『あ、えっと…』
「君が気にする事は何も無いよ…!」
困惑するみかがふと舞美の手元を見て、次はにっこりと微笑む…
「あぁ~、お師さん、やっと舞美さんに渡せたんね〜♪」
『やっと…?』
「余計な事は言わなくて良いのだよ!影片!仕上げ作業に戻るよ!」
「あ、ちょちょ、待ってぇ〜!お師さん!押さんといてなぁ〜!舞美さん今度こそまたな〜!!」
そして彼が衣装ルームの扉を閉め切る前に…
「当日は楽しみにしていたまえ…舞美」
不器用に微笑みながら扉を閉めた…
『…はい。楽しみにしています。宗さん…。』
舞美は大切に招待状を胸の前に両手で抱えると、とても幸せそうに微笑みながら、その場を後にした…
ーはてさて、その結果はいかに…?ー
アイドル活動で忙しい彼等に変わって
部屋と心を綺麗にする事…
ーいつものように、流畝舞美がESビルの窓拭き中、それは訪れたー
「流畝、流畝は居るかね…?!」
声を上げながら、ズンズンと廊下を進んで行く宗…
「お師さん、めっちゃ目立っとんで。」
戸惑いながら、後を付いて来るみかにもお構い無しに…
「五月蝿いのだよ、影片!こうしている間にも芸術が生まれる可能性が潰えようとしている!急がねば…!」
「舞美さんはお師さんのお掃除屋さん、だけや無いんと思うんやけど…でもま〜、確かにお師さんもそろそろ休まなアカンし、衣装部屋も綺麗にせな。手伝おうてもらいたいのも事実や。」
…息抜きと創作、どうやら宗にとって、流畝舞美は特別な意味合いで馴染みのルームクリーナーらしい…
『はいはい。宗さん、私はここですよー。』
周りが見えていないのか、舞美を通り過ぎそうになる宗に声を掛ける。
「どこにいるのかね…?!」
『宗さんの斜め後ろ、ですよ〜。』
言うと同時に振り向く宗…
「やっと見つけた!僕をこれだけ歩き回せるとは大した度胸だね!」
『私はただお仕事をしてただけですけどね。』
「舞美さん、お今日は〜…♪」
『はいはい。今日は〜。宗さんにみかちゃん。』
「流畝!早速だが、今直ぐにでも仕事を頼めるかね…?!」
「お師さん、いつもながらに急やね…」
『今からですか?良いですよ〜。今日は特に予約も入っていませんし…』
「では、早速、衣装ルームへ向かおうじゃないか!」
用事が済んでもう目的しか見えていないのか、宗は流畝とみかをそのまま、上機嫌にルームへ急ぐ…
「いっつも急に、ごめんなぁ〜…舞美さん…」
困った様に話す、みか、だがそんな彼ににこりと微笑んで…
『大丈夫ですよ〜。もう慣れましたから。…それに、私がお手伝いする事で、宗さんの新しい芸術に触れられて、生み出せる事が、何よりも嬉しい事なので…』
遠慮がちに彼女が微笑めば、反対にみかは人懐っこい笑みを浮かべて…
「おおきに。舞美さんはほんまに優しくてえぇ人やね。お師さん、誤解される事が多い人やから、そんな風に思っていてくれる人がおると、おれも嬉しくなってしまうわ〜。」
『ありがとう御座います。でも、優しいのはみかちゃんも、ですよ?』
「えへへ、ホンマ〜?おれは、自分のしたいようにやってるだけやけど…おおきに、舞美さん。」
「何をしているのかね…?!流畝に影片!早く来たまえ!」
二人の間に和やかな空気が流れたと思いきや、宗にそう言われ、舞美とみかは互いに顔を見合わせ苦笑いする…苦笑いと言っても、二人共実に楽しそうな苦笑いだ。これが二人にとっての日常、らしい…
「待ってぇなー!お師さん〜!」
『今行きますー!』
ーーー
衣装ルーム
ーーー
宗は新しい衣装を制作している…
「お師さん、この衣装ーはどこにしまったらえぇの?」
「それは右端に掛けといてくれたまえ。」
「はーい。」
『宗さん、ここも掃除して良いですか?』
「かまわないが、段差には注意するのだよ。」
『…はい。ありがとう御座います。』
触れてはいけない物や場所、宗の指示の元、ルーム内は整頓されていく…
更に数時間後…
「…」
『宗さん、そろそろ休憩にしませんか?紅茶とお菓子を持ってきたので…。』
「お師さん、舞美さんの言う通り、休も〜。根詰める過ぎるのもよぉないて…」
「…ふむ。効率を上げる為にも頂くとしよう…」
宗の横では既に、みかが幸せそうにカップケーキを頬張っている…
「それにしても、舞美さんって、お茶淹れたり、お菓子作ったり、ホンマ何でも出来るんやね〜。お師さんを納得させるて、相当やで…」
「ふん。他があまりにも使えなさ過ぎるだけなのだよ。」
「もー、そないな事ばっかり言うとるから、誤解されるんやで〜?お師さん。」
「何故僕が回りに合わせないといけないのかね‥?!言わせたい俗物共には言わせておけばいいのだよ…!!」
『…ふふ…』
いつもの掛け合いに微笑む舞美…すると、宗が思い立ったように創りかけの衣装を差し出し…
「そうだ流畝、また助力を頼みたい。全体的なベースはこれで良い、だが何かが足りない…君はどう思う?」
流畝はまじまじと衣装を見ながら…
『うーん…そうですねぇ…いつも通り、素敵な出来上がりですけど…敢えて言うのであれば、胸の飾りの宝石にリボンとか付けちゃ駄目ですか?』
彼女が言えば宗は目を見開き…
「そうか…!であれば…」
「アカン。もう回り、見えてへんわ…」
『ふふふ、お役に立てて良かったです…』
ー暫くしてー
『それでは、Valkyrieのお二方、本日はご利用、ありがとう御座いました。』
「いやいや!こちらこそ、ホンマにおおきに〜。舞美さんのお陰で、お師さんも休めたし、お部屋も綺麗になったわ。ありがと〜な〜。」
『いえいえ…』
直後、みかのスマホが音を立てる…
「んぁ?お仕事の話かも…ちょっと待っててなぁ…」
『大丈夫ですよ。もうお暇しますから…』
「堪忍なぁ〜…舞美さん。またな〜!」
みかは衣装ルームへと戻って行く…
『それでは宗さん。何か有りましたら、またご利用下さい…失礼致しま』
「待ちたまえ舞美。」
『え!…っと、はい何でしょう…?』
普段は名字で呼ばれる筈が、急に名前で呼ばれ舞美は戸惑う…
「日頃世話になっている礼だよ。受け取りたまえ。」
『…これは…?』
手渡されたのは、何かの招待状の様で…
「一週間後開かれる展示会のチケットだ。…当日は僕が直々に案内するよ。」
『え…良いんですか?』
「不満かね?」
『いえ!…そう言う訳では……ただ、宗さんは主催者ですし。お忙しいのでは無いかと…』
「その辺は調整済みだから、問題は無いよ。…誰にも横やりはさせない…」
『え…?』
小さな声で呟かれた言葉に舞美は宗の方を見るが…
「な、何でも無いのだよ…!」
視線を逸らされてしまった…
『?…そうですか…』
「…い、嫌なのかね…?」
『いえ、嬉しいです。ありがとう御座います。宗さん…』
「う、うむ…」
すると用事を済ませたみかが戻って来たようで…
「あれ?まだおってくれたん?舞美さん!嬉しいわぁ…!…んぁ?お師さん、何や顔赤ない…?」
「や、喧しいのだよ!影片!そんな事を言ってる暇があるのであれば、新たな作品をさっさと作りたまえ…!」
「へ?何でいきなりおれが怒られてるん…?!」
『あ、えっと…』
「君が気にする事は何も無いよ…!」
困惑するみかがふと舞美の手元を見て、次はにっこりと微笑む…
「あぁ~、お師さん、やっと舞美さんに渡せたんね〜♪」
『やっと…?』
「余計な事は言わなくて良いのだよ!影片!仕上げ作業に戻るよ!」
「あ、ちょちょ、待ってぇ〜!お師さん!押さんといてなぁ〜!舞美さん今度こそまたな〜!!」
そして彼が衣装ルームの扉を閉め切る前に…
「当日は楽しみにしていたまえ…舞美」
不器用に微笑みながら扉を閉めた…
『…はい。楽しみにしています。宗さん…。』
舞美は大切に招待状を胸の前に両手で抱えると、とても幸せそうに微笑みながら、その場を後にした…
ーはてさて、その結果はいかに…?ー
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