第4訓 猫の昔話
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相当酔っているのだろう。
沖田は机に両腕をつき、顔だけをこちらに向けた。
沖「今日はあんな手使って一本とりやしたが強いのは分かりやした。
刀で本気でやりあってたら死んでまさァ、なのに、なんなんですかね
姉上とは全然似てないのに、由羅さんと姉上が重なる」
由羅「今日は偉くデレるな」
くるくると沖田の髪をいじっていた由羅の手を沖田が弱く握った。
沖「...もう土方コノヤローなんかに取られたくねェんです。
俺より強いし、俺よりジジィだし、」
由羅「じ、じじぃ...」
正直可愛い。
馬鹿ほど可愛い。
口に出すと沖田はもう何も話してくれなくなるだろう、と由羅は握られた手をただ無反応に受け入れる。
恋愛感情なんてものはなしにただ話しているのだろうが、これじゃあ口説かれているようだ。
いやいやだめだ姉上と重なるとか言ってんだぞ、いやいやいやそこじゃない。
俺銀時しゅきぃ...って言ったとこだぞ。
トュンクなんてないないない。
沖「俺より土方クソヤローのとこばっかいくし、万事屋とも仲良さそうだし、なのに、なんでなんですか...」
由羅「?」
沖「守ってやりてェと思うのは」
ふわりと笑った総悟に由羅は思わず手がビクッと動いた。
由羅「総悟それはやばいって...」
はぁ、と落ち着くために息を吐く。
沖「もう俺のモンになっちまえばいいのに...」
と言うと沖田はするりと指を絡め恋人つなぎをするとその手ごとそれを枕にして寝た。
由羅「...うぇっ!?」
不覚にも爆発しかけた心臓と、顔に血が上る感覚。
歳下に言われた経験がなく、それも守りたいなんて愛おしそうに目を見られながら言われると由羅は高鳴ってしまった心臓に驚きを隠せないでいた。
沖「すぅ...」
由羅「よ、酔ってただけ...だよね、うんうん。俺も酔ってるし、うん」
五分ほどあれやこれやと脳内と心臓が慌ただしく動いていたが、水を頼み片手で飲み干すと起こさないように沖田の頭から手を引いた。
起きる様子はない。
土方に聞くところによると、沖田はそもそも普段は稽古にはあまり顔を出さないらしい。
珍しく昼前に起き、緊迫した戦いで疲れも溜まっていたのだろう。
由羅「俺モラルとか倫理観とかガバガバだから持って帰っちゃいますよー...はぁ、明日殺されそうだからしないけど」
小声でそう言うが沖田はぐっすり眠ってしまっている。
勘定をすませ、肩を軽く何度か叩くが起きる様子はないので肩は担ぎ上げる。
「ありがとうございましたー」
店員の愛想の良い声を背に歩き出そうとした時。
「いや、さすがにお巡りさんが未成年飲酒に淫行はやばいでしょ~」
聞き覚えのある声に振り返る。
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