第4訓 猫の昔話
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銀「んなっ...おま、それは反則だろ...」
鼻の奥がツーンとし、鼻血が出るような感覚を覚え思わず右手で顔を隠した。
由羅「すまん、俺が勝手に好きなだけだから気にしないで」
いやいやいや、あんたそれねぇ。
天然って訳でもねぇけど無自覚で言ってんのかこいつは、と思ったが顔が赤いあたり羞恥心はあるらしい。
でもたった一回、しかも餓鬼の頃に見ただけで接点もねぇしなんでこいつは俺のことそんなに好きなんだ...
考えるが見当もつかない。
が、素直にこれだけ自分を思ってくれている相手がこうもたじろぐのは見ていて不愉快ではない。
由羅「良かった、恥ずかしさのあまり勃起しなかった」
感動してる間に何に安心してんだコイツは。
銀「ま、色々聞いちまったし何かあれば銀さんを頼りなさいよ」
由羅「ん...ありがと」
銀「んで依頼料なんだけど」
由羅「とるのかよ」
銀「ぶは、うそうそ。もう何もない?」
由羅「今度また紫と会わなきゃいけねぇんだよなぁ、1週間後」
はぁ~と大きなため息をつき、わかりやすく尻尾と耳がだらりと垂れた。
由羅「次は油断しねぇから大丈夫だと思うし、真選組にいる事もバレてないし」
銀「何かあったら呼べよ。俺にできることならしてやる」
由羅「俺はそんなに弱かねーよ」
笑って言うが、一人でデカイ事を抱え込んでいるのがわかる。
由羅「最近何もかも空回りしててちょっとしんどかっただけ、こんな時間まで付き合わせてわりぃな」
というと銀時から服を受け取り、真選組へ戻った。
帰り際に「何もなくても来て良いんだぞ、甘いもんもってな」と言われた言葉が嬉しかった。
銀時の優しさはあの頃から何も変わらない。
あの攘夷戦争が終わった後、俺たちは出会っている。
長い時間を共にしている。
長く、深い時間を共にしたが、みんなの中には自分という存在がないのだ。
世界で一人、
ただ同じ種族の紫と自分だけが知る話。
まるで、世界に二人だけで取り残されたような気分だ。
紫は自分に執着する事でしか悲しみや寂しさを取り繕うことができなかったのだろう。
そう思うと、最低な事をされたにも関わらずチクリと胸が痛んだ。
ごめん、紫ーーー。