第4訓 猫の昔話
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紫「っなに謝ってんだよバカ由羅!俺こそ...俺こそお前の事、止めてれば...!」
その言葉を聞いた瞬間、体が凍りついた。
止める意思があったのか、自分の気持ちと全く同じだと思っていた自分が浅はかで仕方ない。
由羅「違っ...ごめん....!!」
お互い涙がボロボロと溢れていた。
衰弱しきった自分の体じゃ自分一人で立ち上がる事すらできなかった。
紫は服の裾でひたすら涙を拭っている。
紫はこんな状態で敵に立ち向かったのか、一体、どんな気持ちで...
「感動シーンを邪魔してすまないが、早速栄養をつけてくれないか。起きたまえ」
あれだけ抵抗していた紫がグッと黙り込んだ。
きっと死ぬほど抵抗し、無駄だと学んだのだろう。
由羅は紫の態度を見て何も言い返すことはせず、出された食事を口にした。
見るところ点滴されているので、延命程度の栄養は与えられ続けていたのだろう。
「紫、お前はこれからのことをそいつに説明してやれ」
それだけ言うと紫は舌打ちで返し、ふん、と天人は鼻で笑い部屋を出て行った。
紫「...目覚めたばっかなのにすまねぇ」
ゴシゴシと涙を拭う紫を見て自分も涙を拭った。
そうだ、こんなところで死んじゃいられない、嘆いちゃいられない。
生きて、生きて生きて、天人をぶっ殺してやる...!
由羅「いい、話して」
紫「まず...俺たちは今本当に人間の餓鬼と同じくらい、いや、弱ってるこの体じゃそれ以下だ。んで、由羅も俺と同じく...今は耳や尻尾がねぇ、天人の作った薬を飲めばそれは一時的に解除されるらしい...」
そうか、そういえば紫の頭がぺちゃんこに見えるな...
自分の頭と尾骶骨を触ってみたが、たしかにそれは消えていた。
紫「拘束惧付けられた状態で薬飲んで一回戻ったんだけどよ...頭が割れそうだし腰の感覚がなくなった。力を失う時も同様」
由羅「また痛いの...」
ハァ、と頭がうな垂れる。
これから先何度もこの痛みを感じなければならないのか。
紫「今までされてたみてぇに長時間じゃねぇだけマシだと思った。意識は失わなかったし」
それでも嫌なものは嫌だ。
あの激痛は耐えれたもんじゃない。
由羅「んで俺たちは何を強いられてんの?まぁ、想像はつくけど」
紫「天人側の応戦、だとよ」
由羅「だろーなぁ...」
紫「ま、ざっとこんなもんだけど」
それから自分が起きてない頃大丈夫だったか、とか聞いたけど特に何もなかったと言うのを聞いて安心した。
飯は与えられるし、呼び出しをくらったのは薬の実験一回のみらしい。
巻き込んでごめん、止めてればとか思わせちゃってごめん、と謝ると「違う、俺一人でやるつもりだったから嬉しかったんだ。巻き込んでごめん」と返事が来た。
なんだこいつ、やっぱり全く俺と同じじゃねぇか、と安心したらまた少し涙が出た。
これからのことを話そうとしたが、ここは監視カメラがあるからまた今度とシーッとされた。