第3訓 猫の戦友
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焦りと共に、よく分かったなと感心する。
さすが戦場で幾千もの場面を見、そして普通の人間じゃ気付かないような匂いに気づくな、と。
由羅「誰も殺してないし誰も傷つけてねぇよ」
さらりと答えるが土方は目を逸らさない。
土「...本当か?なら飲んだのか?なんで」
由羅「...ん〝ーーー。えーっとですねぇ.....」
万事屋に薬を飲まされたとも言えず、ましてや攘夷浪士の高杉に血を分けてもらったとも言えず。
まさかこの程度の匂いで気付かれると思わず何も考えていなかった。
うだうだと言い訳を考えるが何も思いつかず。
冷や汗をかき目を泳がす由羅を見て、土方は今までよりも重く息を吐いた。
土「...またお得意の言えねえってやつか?総悟に何かあった訳じゃあるめぇな?」
由羅「そこは本当に何もないです...」
沈黙が少し流れ、すると勢いよく扉が開いた。
沖「ブッコロス!!!」
土「!?」
由羅「ギャァァァ!!デタァァァァ!!!!」
あの後万事屋に戻るも由羅の姿がないことに、沖田が怒りを露わにバズーカを構えた。
その姿は、神楽との戦闘でついた傷なのだが土方はあらぬ方向に勘違いをした。
土「総悟!何かあったのか!?」
沖「置いていかれやした!!」
土「あ?」
しばしの沈黙。
由羅「んっふ、かわいいかよ!、じゃなくて!お前が勝手に消えたんだろうが!」
ジト目で由羅を睨むも、沖田は諦めたかのようにバズーカをおろした。
土「...ハァ、聞かねぇでおいてやる。由羅と総悟は書類やってこい」
慌しい場面に立ち上がっていた土方は静かに腰を下ろし書類を渡す。
沖「何かあったんですかィ?俺は書類なんざやってる暇あるなら由羅さんをブチコロしてぇんですけど」
由羅「俺は止めましたー!無視して町を破壊行動したのは沖田クンですー!それに殺すなら土方クンにしてくださいー!」
土「うるせぇ!!とっとと仕事しろ!!」
ピシャリ、と締め出しをくらい二人の視線が合う。
沖田に何があったのかを聞かず、答えようともしなかった土方を見て由羅はまた気を使わせてしまったかと考える。
いまだにジト目で睨んでくる沖田の背中を軽く叩いた。
由羅「...今度何か奢るからユルシテ」
沖「チッ、何かくれるってんなら由羅さんの命を頂戴しやすぜ、下僕野郎」
由羅「ご主人様は怖いなぁ、許してニャン」
ふざけてそういうと、先程の仕返しと言わんばかりに由羅の背中を叩く。
由羅「イ〝ダァ〝!力加減!俺の七倍はあったよ!?いや八倍かな!?」
沖「ギャーギャーうるさいですぜ」
といいつつも顔に笑みが戻った沖田を見て安堵する。
人の顔色見たり見られたり、もっと砕けて仲良くなりたいなぁ、と考えるも自分が悪いかと小さなため息をつく。
由羅「見廻りとか関係なくどっか行こ」
沖「また万事屋ですかィ?」
由羅「ごめんってばあああァァァァ!!!!」
ーーーーー
しょうもない喧嘩をし、書類を終わらせ1日が終わる。
次の日の昼、見廻りをかね由羅は一人で江戸を歩いていた。
由羅「(空回りしてばっかだなぁ...)あ、銀と...き?」
遠くに見えた銀時を見つける。
特に慌てた様子ではないが、いつもの死んだ目で何かを探すような素振りが見えた。
銀時も由羅を見つけこちらへ歩いてくる。
銀「よォ」
由羅「うす、何かあったの」
慌てるそぶりはないものの、前日の恥ずかしさが少し残るもお互いに何もなかったかのように挨拶を交わした。