第2訓 猫のしごと
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それに気づいた由羅は「刀振り回すの久しぶりだから加減できるか分からないけど、ごめんね」と笑うと1人の天人へ向かって走り出す。
「ぐっ...!」
刀を持っていた天人はかろうじて由羅の刀を塞いだと思いきや、打撃でふらついた体を支えきれずに尻餅をつく。
由羅はその行動を初めから分かっていたかのように足で頭を蹴り上げる。
「カッ...」
気絶をした天人に目もくれず、援護をしようとしていた天人3人の攻撃を避けると素早く反撃へと移り気絶させていく。
由羅「あと2人」
「やめろォ!もう吐くからやめてくれ!」
由羅「...」
勝てないと判断した天人は由羅に許しを乞う。
が、由羅は先ほど倒した天人が所持していた刀を拾い、
思いきり土方の方へと投げつけた。
土「うお!?」
刀は土方の顔スレスレを通り過ぎる。
パラパラと土方の髪の毛が2.3本抜け、驚く土方。
土「っあにすんだオメェ!」
由羅「いや、後ろ」
ちょいちょいと人差し指で刺された方向を見るとスタンガンを持ち気絶している天人。
「ぐぁっ...!」
土「なっ...」
由羅「ほっておいたら俺も副長の座のチャンスがあったか。しくったわ」
土「上等だゴルァ!」
由羅「はは、まぁ手出さないでって言ったの俺なんだけど」
話しながら残った1人の天人に近づく。
残った天人は奥歯をギリ、と噛み締め由羅に刀を向けている。
由羅「見え見えの演技してんじゃねぇよ」
「貴様...許さんぞ!」
由羅「許さなくて結構。ブツ持ってんのお前だろ?早く吐いてよどう見てももうそっちに勝機はないし」
それでもなお刀を下げようとしない姿を見、バカだなぁと思いつつ由羅は思い切り振り込んだ。
キィィンーー!
刀がぶつかり合う。
天人がギリギリで防ぐも由羅はニヤニヤと笑った。
「...っ!」
由羅「少しはやるみたいだな。でもそれじゃあ全然ダメだよ」
振り下ろした右手だったが、刀を左手に持ち替えズブリと天人の左腹へと突き刺さった。
「ウァアッ...!!」
由羅「殺さない程度って俺あんまり分かんないからさ、早く吐いた方がいいよ」
うつ伏せに倒れ込んだ天人の顔を足でクイ、と持ち上げる。
それでもなお由羅を睨みつけると、ヘラリと笑ったかとように見えた瞬間足で思いきり顔面を踏んだ。
地面へと突っ伏する天人。
「ガッ.....」
由羅「そっちが怪我人出してる以上俺はなんとかしなきゃいけないんだよね。右の腹にも穴開けるか?」
少し黙り込んだ天人だが、ポツリと呟く。
「...俺らもたしかに無理やり売り捌いてた。でも俺らは刀チラつかせてただけだ。あの血痕は俺らのだ」
由羅「...どういうことだ」
「けっ、俺らにもわかんねぇよ。ゲホッ、ここ吉原でやれって言われただけだ..昼間にバレねぇように取引はしろと言われたが吉原でやれとうるさくてな」
そこで由羅は先ほどの燻んだ緑の髪が脳裏にちらつく。
由羅「(居場所を突き止めようとしてるのか...)」
だとしたら、由羅自身が先ほど真選組である事を明かした事をまずいと考えた。
土「おい、どうかしたのか」
由羅「問題ねぇよ」
由羅は天人の前でしゃがみ込むと、小声で「そいつの名前は」と聞く。
「確か...紫(シイバ)と言ったな」
由羅「...はぁ」
右手で頭を抱えると大きなため息をつく。