第2訓 猫のしごと
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土「チッ、もやもやするが近藤さんがそれを承諾してるなら何も言わねぇよ」
少しイライラした表情を見せる土方。
由羅「...怒んないでよ、俺だってどうしていいかわかんなくなる」
自覚のなかった土方は、ふいに立ち止まった由羅が困ったように笑う姿を見て少し表情を緩め悪りぃと軽く謝った。
その顔を見て由羅は再度だらしなく歩き出す。
由羅「ただでさえ怖い顔してんだからびびらせんなっつの、お前はどこまでホラーを目指すの?全米を震え上がらせたいの?」
土「ならちったぁ可愛らしくしてるんだな」
由羅「え、松平のとっつぁんだって可愛くてお茶目な猫さんって言ってたじゃん」
土「オメェはただのバカだろ」
由羅「バカって言った方がクソバカボケ野郎なんですぅ」
土「悪口を三倍にして返すんじゃねぇよ」
いつも通りの会話をしながら歩く2人。
5分、10分、30分と歩くが一向にそういった物は見当たらない。
色々な細い路地を歩くが、人1人いやしない。
由羅はいつも通りヘラヘラとしているし、これが本当に捜索になるのかと思いタバコに手を伸ばす。
由羅「...待って」
土「あ?また一本か?」
由羅「違う、さっきから匂い濃くなって来てるから今横で吸われると混じって意味わからねぇ」
その言葉に土方は目を丸くした。
そんな素振りを1つも見せていなかったが、由羅は確実に犯人へと近づいていたのだ。
土「..そう言う事は先に言え」
由羅「乱猫族は鼻が聞くからねー、血の匂いと、ちょっと薬みたいな匂いが混じってる」
ピタッと立ち止まった由羅。
右、左とすんすんと息を吸い「この建物..,?んー、分からん」と呟く。
5階程の高さはあるが横には小さく、周りに建物はあるものの目立たない。
土「報告するか?」
由羅「んー...いや、いねぇかも。少し前の匂いだな、ちょっと待ってて」
土「あっ、おい!」
由羅は身を軽くこなし一飛びで最上階へと登る。
懐から手のひらサイズの鏡を取り出すと、電柱や建物を使い一階一階小さな小窓から鏡で反射を使いながら覗いていく。
土「...(慣れてやがる)」
由羅は確認し終わると、ダンッと土方の横へと飛び降りた。
由羅「いねぇな。やっぱ混じると分かんねーなぁ、惜しいとこまでは来てると思うんだけどよ。すまん、もうちょっと付き合ってくれ」
ぐぅ、と少しぶつくされる由羅だが土方は素直に感心する。
まだ部署の決まっていない由羅だったが、近藤さんとは話をし監察方へつけるか、いやだが身なりが目立ちすぎる。
など、特攻班へつけるか解読班へつけるか、捜査班か、どれもしっくり来なかったが土方の考えは監察方である山崎と組ませるのも悪くないと思い始めていた。
土「目処はつきそうか?」
由羅「おぅ、ここにいた事は間違いねぇけど...はぁ、仕方ねぇ。悪いがだるくなってきたからちょっと犯人っぽく成りきって死体になってくんね?」
土「そんな唐突に殺人予告されたの初めてだわ!」
由羅「なんかもうだるいんだもん、もうお前って事でよくね?」
土「今すぐ警察やめやがれ」
由羅「ちょっと黙ってくんない?集中できねぇ」
土「この能天気野郎の情緒不安定な奴の脳みそ一度見てみてぇわ」
由羅は地面にある少ない砂を取り上げ、鼻の近くに持っていく。
何秒間かそれを嗅ぐと、こっちじゃない、そっちでもないと右往左往。
だが少しずつ場所は移動していく。
すると、道は絞れ始め、1つの大きなコンテナへたどり着いた。
そのコンテナは高さ5メートル、横幅は10メートルといったところか。
しかし全く人が寄り付かないような場所。
ゴミ捨て場のようにもなっているようだった。
土「..いかにもって場所だな」
由羅「いや、今日はここってだけだと思う、匂いが濃くない。あいつら集まるたびに場所を変えてたんじゃねぇかな」