第2訓 猫のしごと
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
由羅「お迎えありがとなー」
土「ったく、お前はほんと気分屋だな」
由羅「えぇー、俺しっかりしてると思うんだけど」
着流しでくわえ煙草で会話をするあたり、真選組だというふうには思われない。
が、チラホラと2人を見るものもいたが2人はそんなことを気にせず歩く。
土「つかお前刀を取りに行きてぇみたいだな、どこにあるんだ」
由羅「お、近藤さんに聞いた?そうなんだよ地球では真選組でもないのに刀持ってたら捕まるって聞いて預けてたの。場所は吉原」
土「なんでまた吉原に」
由羅「俺美しいからチヤホヤされるんだよね、だから気に入った」
土「...」
由羅「否定しろや...普通に信頼できるやつがいるだけだ」
土「お前に信頼関係のあるやつなんていたんだな」
由羅「それどういう感情で言ってんだっつの」
自動販売機に横にあった灰皿に吸い殻を捨てると由羅は思い切り体を伸ばす。
由羅「っはぁ~、今日は非番だけど朝からドタバタしたし今から吉原だし、夜は宴会だし大変だな」
土「万事屋で何かあったのか?」
由羅は心の中で少しマズった、と思いつつも顔に出すことはせず「銀時が割と俺に興味あったって事くらいかな」と言うと土方は頭にハテナを浮かべる。
由羅「俺ってエロいの?」
土「なんだそれ」
由羅「なんか体の線がえろいだの言われて鍛え直そうかなあとか思ったり」
土方は由羅を見て、「確かにお前細い訳じゃないのに妙に線がはっきりしてるな」と言う。
由羅「ははっ、意味わかんねー」
笑いながら横を歩く由羅。
土「(確かに、こんなにバカそうなやつ見てたらこっちもつられるって言うか...)」
そう思いながらも口に出さない。
初めあれだけ警戒していたのにも関わらず、それを口にすることはプライドが許さなかった。
由羅「てか俺稽古とかにも参加してないし大丈夫な訳?」
土「お前がいつも朝まで書類してんの近藤さんも知ってんだろ」
由羅「いやあ、あれは俺の容量が悪いっていうか。書類まじで意味わかんねぇ」
頭をがくりと下げる姿を見ると、本当に書類に手を焼いてるんだなと土方は感じる。
土「その前にお前稽古とかする必要あるのか?近藤さんは由羅が組手なんかしたら真選組が全員負傷するだの言ってたけど」
由羅「松平のとっつぁん俺のことどんな風に紹介してんだよ、俺手加減できるよ?」
心配するとこは手加減できるとかそういう事じゃないが、乱猫と種族は元々超過激派民族と聞く。
だが土方は由羅のお手前がどれほどのものなのか少し気になっていた。
土「戦闘経験は?」
由羅「...俺、攘夷戦争参加してたからね」
土「!?」
由羅は天人。
と、いうことは由羅は人間を殺していたのかと驚愕する表情を見て慌てて弁解する。
由羅「あぁ違うよ、俺達の種族ってさぁ?無理やり連れてこられたの。俺たちは自分の星で平和に過ごせてれば良かったんだけど」
土「どういうことだ?」
由羅「天人に無理やり連れてこられた乱猫の種族が何人かいるんだけど、俺らはそれに猛反対。地球人に乗っかって俺らも天人ばっさばっさと、あ。これ幕府の上の人間も知ってるし今更俺のこと捕まえらんねぇから言うんだけどさ」
なんなら人間様達からは感謝されてるくらいだし、と付け加えると土方は安堵したようなため息が出る。
由羅「ま、そんなに深くは関わってねぇし、あんまり分かんねぇけど。つか文字多い。ダリィ、疲れた」
土「文字多いとか言うな」
たはぁ、と息抜けたように笑うと由羅は「一本ちょーだい」と言う。
土「おい、今は俺吸ってねぇから横で吸うお前が悪いとは言わせねえぞ」
由羅「ニコチンの代表格のお前が横にいるのが悪い」
土「...理不尽すぎてパワーワードかと思ったわ」
そう言いながらもタバコを取り出して由羅に渡す。
と共に再び自分のタバコも取り出し、火をつける。
土「お前といるとタバコ代バカになんねぇよ」
由羅「今度買って返しまーす」
さすがに貰いすぎか、と自覚し始める。
土「つかもうそんだけ吸うなら自分の買えよ」
由羅「え、俺禁煙中だもん」
真顔で返され、こいつも立派なニコチン中毒だと
思いいつも通りため息をつく土方であった。