第2訓 猫のしごと
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「ま、そう言うことだからなんかこいつっぽいなーって奴居たらここに連絡くれ、俺の名前はしいば。紫って字を書いてしいばだ」
そういいながら紫と名乗る男は紙を渡す。
「とりあえずこれ、相談料入ってるから頼むわ」
銀「お、おう...見つけ次第連絡するわ」
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新八が紫を玄関まで送ると、由羅はうなだれた様に奥から静かに出てくる。
由羅「まじか...まじかアイツ」
銀「いや、まじでどういうこと」
神「由羅、追われてるアルカ?」
質問の意図が違うことを感じながらも、由羅は座っている神楽の後ろからだるそうに抱きつく。
神「えらい疲れてるアルナ」
由羅「大人には色々あるんだよ」
玄関から帰ってきた新八が疲れた様な表情を見せる由羅に「大丈夫ですか?」と声をかける。
由羅「大丈夫。...あぁ、後ありがとな隠してくれて」
銀「事情話すってんなら許すけど」
由羅「どっちの」
銀「どっちも」
由羅「ま、とりあえず俺アイツに追われてんだわ。...おかしいと思わねぇか?俺は犯人じゃないのに俺が真選組に入隊してから殺人が起きてない」
ふと黙り込む3人に確かに、由羅が入隊してからまだ一週間と立たないが乱猫(ランマオ)事件が起きていない、と思い立つ。
由羅「俺を探し出すために、わざと俺たちの種族を導き出す様な真似をしてたんだ。それでどこからか俺が江戸にいるという情報が漏れた。真選組にいるって事はニュースで流してないし、漏れてないみたいだけど」
新「...その、なんで追われてるんですか?」
控えめに聞くと由羅は少し気まずそうな顔をし、神楽から離れる。
由羅「...あいつも言ってたけど、俺がある約束をしてそれを守ってない、からかな?それに元々あいつは俺に依存しすぎてる」
神「あいつ男アルヨ?」
由羅「まぁ大人の世界だよ」
ちら、と銀時の方を見ると驚愕しているような顔をしながらも、いやでも由羅なら、などとブツブツ呟いている。
由羅「おい、陸に打ち上げられた魚みてぇになってるぞ」
銀「いや、だっておま、まじか」
由羅「語彙力マイナス八億」
新「僕たちはどうしたら...」
考え込む新八に由羅は少し笑う。
由羅「巻き込まないように俺は極力努力する。お前らも何にも知らない、聞いてないで突き通してくれ」
新「由羅さんは大丈夫なんですか!」
少し食い気味に心配してくれているとに感謝しながらも、大丈夫大丈夫と繰り返す。
銀「お前エロいんだから自分の身のこと心配しろよ」
由羅「や、そんな事言うのお前とあいつくらいだけど」
新「...」
神「...」
由羅「なぜ黙る」
神楽がソファに座りながらもぐるりとこちらを向き、由羅の腰に手を伸ばし撫でる。
神「...言われてみれば腰がどうのこうの言ってたナ、確かに細いアル。顔はこの歌舞伎町の女王には負けるけど整ってるヨ」
由羅「いやいや筋肉ちゃんと付いてるよ?」
銀「なにそれ俺も触りたい」
由羅「座ってろ...まぁそもそも俺があいつに見つかったとこで俺に勝てる訳ねぇし良いんだけどよ。まだちょっとめんどくさい」
げんなりしながら言う由羅に3人は本当に困っているんだなと心の中で頷く。
銀「つか肝心なとこ聞けてねぇし」
本心をつこうとする銀時に、由羅は「まだ秘密~」と軽く交わす。
由羅「あ、もう12時じゃん。そろそろお迎えが...」
ピンポーン
新「?」
由羅「はーい、遅かったなウスノロー!」
しめたと言わんばかりに由羅は玄関へ行き扉を開ける。
土「誰がウスノロだ。お前と違って書類の数が多いんだっつの」
銀時は聞こえた声に体を持ち上げ玄関へ行き、そんな銀時に神楽と新八も付いて行く。
銀「よぉ多串君、何の用?依頼なら一回五千万から受け付けるけど」
土「なんだそのボッタクリ何でも屋は。そしてウスノロだったり多串だったり俺は一体何になればいいんだ」
神「妖怪ニコチンコこんなとこでどうしたアル」
土「それ以上増やすのやめてくんない?由羅を迎えにきただけだ」
新「土方さんお疲れ様です、由羅さんと非番被ったんですね」
土「おぅ、テメェだけだよ躾がなってるのは。ちょっとだけ近藤さんの義弟になるの許したわ」
新「それは結構です」
タバコを吸っている土方にまたもや「一本ちょーだい」をし、由羅は逃れられると思い土方の肩に右腕をのせる。
勢いよく乗せられた右腕に土方の重心は傾くが、そんなことは 由羅には関係なくいつも通りヘラヘラと笑っている。
土「ちょ、お前...!」
由羅「じゃ、頼むなー!ご馳走さま!」
と左手を冗談交じりに敬礼する。
銀「面倒ごとはごめんだがちったぁ自分の事を心配しろよ」
由羅「分かったよお父さん」
銀「お父さんは由羅をこんな破廉恥な体に育てた覚えはありません...!」
由羅「育てられた覚えもねぇけどな。ま、ほんとにちょっと用事あるから行ってくるわ、また暇つぶしに邪魔する」
ありがと、とまた繰り返し由羅と土方は階段を降りて歩いて行った。
新「...由羅さん大丈夫なんですかね」
神「あんまり突っ込まれたくなさそうだったアル、ほっといてもあのドラ息子は立派に育っていくヨ」
銀「お父さんは由羅がエロくて「分かりましたよ銀さん、アンタが変態だって言うことがね」
謎の残ったままの3人は、少しモヤモヤしながらも万事屋へ戻るのであった。
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