飛べない蝙蝠は獅子の鬣に抱かれて眠る

【きみは天使か堕天使か】樹ver.


樹side

「……ん。寒…」

隣できょもの肩が、ふるりと震えた。

それもそのはずだ。

お互い下着だけをつけた上裸に、顎まで布団を引っ張った。

きょもが布団から出ずにゴソゴソとなにかしている。

後ろから、ぎゅっと抱きしめた。

「きょも…起きるの?」

「ごめん、起こした?ちょっと寒くて。エアコンのリモコン探してる」

「あ…。床に落ちてるわ。昨日、あの後で切ったら落として。そのまま」

きょもの髪を梳いたら、みるみる紅く染まる頬が、昨夜のことを思い出しているんだろうとわかる。

いつまでも初々しい反応は、朝の俺には刺激が強すぎて困る。

「俺が取る」

身体を起こして、ベットから降りたら、すぐ手の届く床にあったので、暖房をつけた。

「…ん。これでい?」

また探さなくていいように、定位置のサイドテーブルにリモコンを戻しておく。

「ありがと、樹」

布団からひょこりと顔を出して答えるところも、また……。

寝起きのふわふわした、きょももまた……。

俺の衝動に、拍車をかける。

「部屋が暖まるまで、温めてあげるよ」

「…んんッ。ちょっ、、樹ッ、、朝だからッ」

「ふふ。朝だから、いいんでしょ?」

キスをして、不敵に微笑んで見せれば、その先を察したきょもが、逃げ出そうとするけれど。

ごめんね、俺の方が素早いんだわ。

「やぁッ、、もうッ、、まだ樹の、、ッ」

「まだ?…あぁ。ここに俺の感触が、残っちゃってたりする?」

抵抗するきょもの膝を割って腰を進める。

「ん、、あぁぁッ」

昨夜の情事に解れた蕾は、抵抗虚しく俺を容易く受け入れる。

「…きょも?ここだよね」

その細い腰に手を掛けて、逃げる隙を与えずに穿つ。

「樹ッ、、やぁぁッ、、ぁんッ」

「身体、温まったろ?」

「…ん、、もうッ、、あぁッ、、樹、、」

快楽を逃がすことができずに眉を寄せるきょもの表情は妖艶で、思わず舌で唇を舐める。

「ん、、いいよ。、、イキな」

身体を倒して、きょもの耳元で囁くと、白い身体を反らして、きょもが待ち構えた俺の掌に白濁を散らした。

「…はぁ、、も、、樹のばかッ」

上がった息のまま、きょもが抗議する。

「ごめん。止まんなかった」

ゆっくりときょもの中から自身を引き抜いて、ティッシュで掌と自身を拭く。

「……樹は、イかなくていいの?」

じっと上目遣いに俺を見つめて、きょもが訊く。

きょもの後ろもきれいに拭いて、隣に転がった。

「ふふ。そんなこと言っていいの?俺がなかなかイかないの、知ってるっしょ?」

「そ、、そうだけど!でも…」

「きょも、ありがとう。でも、今日は映画行くんでしょ?クレジットまで座ってられなくてもいいの? 」

「え、やだ!」

即答するきょもが可愛くて、頬にキスをする。

「んふふ。樹は、夜までお預けね?」

無防備に安心しきった笑顔で、きょもからキスをされた。

その破壊力…。

言った手前、ガラガラと崩れる理性を立て直す努力をする俺の気持ち、少しは分かってくれないかな。


【終】
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