はらはらと舞うは恋の風花

【story ⑪】

⚠bl苦手な方はスルーしてください⚠


《北斗side》


ゆっくりと食事をして、仕事の細かいスケジュール確認のため、定期的にマネージャーへ電話をする俺は、京本に断ってから寝室へと移動した。

ふと、画面に表示された髙地からのメッセージをタップして開く。

「へぇ」

あいつらしい気遣いというか、お節介に思わず声が出た。

……………


「なぁに、先に入ってんの」

「だって、北斗が遅いから」

言いながら、白い背中を弓のようにしならせた京本が、桧の露天風呂から身を乗り出して、眼下の湖を眺めている。

「そんな乗り出したら見られるよ」

「は?誰にさ」

「……月に?」

俺の言葉に、「ふぅん…」と目を細めて、呆れたように呟やかれた。

ざっと洗って掛け湯をしてから、足を伸ばしても十分の広さがある湯船に浸かる。

「ほら、身体冷やすから」

腰に腕を回して引き寄せて、膝の上に座らせた。

「ちょ…。後ろからとか!急にやめっ」

「んー?」

言って、目の前の項に唇で触れると、びくんと華奢な肩が震えた。

「…っ。なんか、あたるんだけど」

「あててんの。分かってるくせに」

「だ、だめだからね!お風呂でなんて…」

振り向いて、期待に高揚する瞳で言われても説得力ないの分かってる?

それ、無意識なの?

「ここはそう思ってないみたいだけど?」

「やッ、、ほく、、んんッ」

お湯の中で腰を持ち上げて手を離すと、重力に逆らえずに沈みながら、京本が俺を中へと迎え入れる。

「は、、んッ、、もぅ、、ばかッ」

ふるりと震える身体を、後ろから抱きしめて、そのまま動かずにいると。

「、、っ。…ほくと、、」

「んー?」

「なん…で、、?」

耐えているのか、隠しきれずにふるふると華奢な肩が揺れる。

「京本が言うように、お風呂だからね」

ちょっと意地悪だったか?

「も…北斗なんて、、嫌い…」

「…え?」

「いじわる…」

「京本?」

ちょっと待て。

さすがに感度のいい体質の京本でも、ここまでなのは、なぜ….。

その疑問の答えは、視線を移した先ですぐに見つかった。

近くに置かれた、俺が用意した冷酒。

先に寝てしまうだろう京本には内緒で、後で飲むつもりだったそれが、なんでここに?

「あなた、これ呑んだ?」

こくんと頷く。

あぁ…だからか。

「酔ってんの?」

「酔ってないもん」

「身体、抜くよ」

「やぁ、、」

「逆上せちゃうでしょうが」

「動いたら…でちゃ、、」

「ちょっと我慢して」

抱えたまま、お湯から京本を引き上げる。

ほんのりと朱に染る上裸に、ゴクリと喉が鳴った。

「……ほく…」

肩越しに振り向いた揺れる瞳が、俺を誘う。

「京本。声…我慢できる?」

「ふぇ…できな…」

「ん。わかった。こうしような?」

向き合う体勢に変えたら、京本が首に腕を回してきゅっと抱きついてきた。

チクリと肩に痛みがはしる。

「、、んんッ、、くッ」

「ふふ。いくらでも痕つけていいよ」

ゆっくりと揺れるたびに、パシャパシャと水音が響く中。

「……ッ。あぁッ」

濡れ髪の絶世の美貌が、一際甘い声で鳴いて、がくんと胸に倒れ込んできた。

その後、のぼせた京本を抱えて、ベッドまで移動する間も、酔いのせいか「ほっくん、あのねぇ〜」と甘えた声で囁くけれど、きっとそれは、明日の朝には覚えてないんだろうな。


【⑬へ続く】


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