飛べない蝙蝠は鷹の背中で夢を見る

きょもほく 《惚れた弱み》

注)きょもほく付き合ってません。
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⁡⁡大我side
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「お疲れ様でした」

今日は最初から最後まで京本とのペア撮りだったので、必然的に楽屋で一緒になる。

嬉しいシチュエーションだけれど、俺たちは二人だけの時は、特にお互い話しかけることもなく、静かすぎる時間が過ぎてゆく。

それを息苦しく感じていたのは、もう弄られることもないくらい昔のことだ。

「京本、なにか飲む?」

何種類も置かれたペットボトルの中から甘い飲み物をセレクトする。

「え…?あぁ…それで」

違えることなく選べるのは、当たっているのか、それとも京本が妥協してくれているのか、昔からそれだけが分からない。

まぁ、ほとんど分かりはしないけれど。

「ん。」

ペットボトルを京本が座っているソファのテーブルに置いて、じっと見下ろすと、ふと視線を上げた京本に上目遣いで見つめられた。

俺はこの目線に弱いこと、知ってるだろ。

「ありがと。……なに?」

「…手かして」

「手?……これでいいの?」

すんなりと俺に伸ばされた手をシェイクハンドではなく、撮影の時と同じように指を絡めて繋ぐ。

「やっぱりだ」

「なにが?」

キョトンと見上げる瞳に、ふっと笑って答える。

「昔より、もちもちしてる」

「………悪かったな」

数秒の間を置いて、京本が目を据えてぼそりと呟いた。

「え、違っ!…うわっ」

急に手を引かれて、バランスを崩したまま京本の隣に倒れ込むように収まる。

呆気に取られている間に、繋いだ手を離されて、そのまま肩をガンガンと殴られた。

「ちょっ、痛い…」

なおもガンガンと殴られるから、その手首を掴んで止めた。

「痛いって」

「んはっ!北斗は我慢しないんだ?俺は北斗からの肩パンめっちゃ我慢したのに」

あのインダビューを真似したのか。

「いや。痛いでしょうよ、あなた。俺、ここまでじゃなかったよな?」

「そう?痛覚は人それぞれ違うからね」

「あれ、そんな痛かったんだ?ごめん」

「ふふ。痣になったからね、マジで」

「嘘…ごめん」

「そのごめんはいらないよ。嘘だから」

くすくすと笑う、その悪戯な瞳には敵わない。

今も昔も、その瞳は俺がどう立ち回ろうと変わることはなくて。

どうしたって俺に分が悪いのは、惚れた弱みだ。
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【終】⁡
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