このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

イチジ

ねぇ」

そう言って目の前に居る特徴的な髪型と服装の……ヴィンスモーク・イチジ、まぁ私の彼氏に声を掛ける。

「……」

返事がない。

「ねぇってば」

「……」

二回目も返事がない。

「ちょっとイチジ!」

いい加減頭に来たから、耳元で大きな声で名前を呼んでやった。

「……あぁ、なんだ?」

イチジは、さも今気付きましたって感じの顔で返事をする。

「もー!さっきから呼んでるんだから返事してよね!」

こっちは用事があって呼んでるんだから。

「悪い。……で、何の用だ?」


少しの沈黙。


「あ、えっと…………何だったっけ?」

「俺に聞かれても困るんだが」

イチジが困ったようにこっちを向き、そう言った。

さっきの一連の事で忘れちゃったじゃん!イチジの馬鹿!

「俺は馬鹿じゃない。少なくともお前よりは、な」

「ひっど!……ってそんな事はどうでも良くて……。イチジ最近疲れてるんじゃない?ほら、さっきの呼びかけだって気付いてなかったみたいだし……」

仕事が色々と立て込んでて、ここ数日ろくに睡眠も取れなかったもんなぁ。ちょっと心配……かも。

「大丈夫だ」

「大丈夫じゃないでしょ。ここ数日ずっと仕事ばっかで睡眠も全然取れてなかったじゃん!……私も全然構ってもらえなかったし……」

少し不貞腐れ気味に言ってみる……。

だって一週間はまともに喋ってないんだよ!辛すぎでしょ!

そう思っていた瞬間、身体が浮いた。
持ち上がった、の方が正しいか。

「えっ、なっ、な、何!?」

「じっとしてろ」

「あ、はい」

イチジに姫抱き……所謂お姫様抱っこをされ、ベッドの上に降ろされた。


待って、これって……!




とか期待してた私が馬鹿でした。

布団の中でイチジに抱き締められたと思ったら、数秒後に寝息が聞こえた。

きっと寝た……んだと思う。

本当はすっごく構って欲しかったけど……イチジの体調が悪くなったら元も子もないもんね。



まぁその代わり私はドキドキし過ぎて眠れないけど笑








またの御来店を心よりお待ちしております。
2/4ページ
スキ