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ニジ

「わわわわっ!ちょ、ニジ様?」


ニジ様ことジェルマ王国国王の息子、ヴィンスモーク・ニジ様が私の腕を掴んだ。

昔からの付き合いだが、こんな事は初めてだ。


「なぁ」

「はっ、はい!何でしょう」


ビクビクしながら返事をする。


「甘いもん食いてェ」


珍しいな……ニジ様は甘い物あまり好まないはずなのに。


「今から作りましょうか?」

「いや、いい」


どういう事ですかね。


「目の前にあるからな」

「はっ……?」


キョトンとする。


目の前に?

ニジ様の目の前には私しか居ないのですが。


「お前だよ」

「えっ」


ニジ様が近付いてくる。


「ニジ様?」


後ずさりしてくうちに背中に壁が当たった。


──ドンッ


「っ!」


ニジ様との距離がぐっと縮まる。


これが世に言う肘ドン&股ドン……!!


「まっ、待って下さい、どういうおつもりで……」

「あ?」

「…………」


うわぁ、ニジ様怖ぁい←

てか鼻の先とかつきそう。


思わず俯く。


だってニジ様の顔面がドアップで鼻血が出(((

……顔に熱が集まるんですけど。


「あーもう!邪魔で──」

「うるせェ」


唇に柔らかいものが当たる。

目の前には勝ち誇った様な笑みを浮かべたニジ様。

ほんの一瞬だけだったが、それが何かを確認するには充分だった。


「っ!!」


ちゅっ、ちゅうっ……!?ちゅう!?

初めての!?←


「ニジ様っ」

「俺の名前を呼び捨てで呼ぶまで離さねェ」

「はぁ……!?」


これは……逃れるより呼ぶ方が早い気がする。

でもさぁ、ニジ様王族だよ?


「ほら、早くしろ」


ニジ様はそう言ってニヤッと笑うと耳を甘噛みした。


「っ!」


ニジ様はそれからも噛んだり、息を吹きかけたり、軽く舐めたりした。


「う、ん……んふっ……あぁっ」


気持ち良すぎて腰が抜けそ……。


「ニジ……っ」


消え入りそうな声でニジ様の名を呼ぶ。


「あぁ?何だ?小さくて聞こえねェな」


ニヤッと笑うとまた耳を弄り始めた。


「にっ、ニジっ!」


彼は満足そうに笑うと、顔を近づけて私の唇を塞いだ。


「!?……ぅんっ、ん、ぁ……」


ニジ様の舌が口内を荒らす。

暫くするとリップ音と共に唇同士が離れた。


「はぁっ、はぁっ、やっ、やや約束がっ……違います……よ?」


悪戯な笑みを浮かべる。


「今日は寝れねェと思え」


んな理不尽な!

思わず心の中で突っ込んだ。








またの御来店を心よりお待ちしております。
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