夜桜夢
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[成人式]
「__、迎えに来たよ。」
汚れを知らない純白のスーツに純白の靴、仕事時のように高い位置で髪をくくり、完璧に決めた鳩田飛鳥は、108本の白バラの花束を抱えて成人式を終えた__の前にやってきた。
純白のスーツが汚れることも厭わず、どこぞの国の王子様のように片膝をつき、__に右手を差し伸べる。
「君に1番ふさわしいのは僕で、僕に1番ふさわしいのは君だ。君には何不自由無い生活と溢れかえるほどの愛を約束しよう。…僕と結婚してくれないかい?」
__の手を取って彼が向かうのは結婚式場。
会場を決めてドレスを選んで…
気づいた時には役所に婚姻届を提出していた。
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[バレンタインデー]
鳩田くんは多分潔癖症だ。スーツにコートそして手ぶくろという着こなしは露出が少なく、外界の汚れを彼の素肌に届かせない。
彼が手袋を取る姿を見たのは片手で数えるほどだった。
閑話休題
本日は乙女の一大イベント、バレンタインデーである!
想いが伝わるのは、やはり手作りとも考えたが、既製品のチョコレートの方が良いかと考え直し、少しお高めのものを購入した。
それを渡すと少しだけ
しょもっ…
とした顔をしているので、不思議に思う__。
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潔癖症気味であることは事実だし、
以前話したことを覚えていてくれたことがとてもうれしいが、
同時にやはり__の手作りが欲しいな……と思ってしまう。
そんなことを思う自分に少し驚く。
ああ、こんなにも僕は彼女のことが好きらしい。
「チョコレートとてもうれしいよ、ありがとう。僕のことを考えて既製品にしてくれたんだろう?
__の気持ちが本当に嬉しい。
…でも、もし我儘が許されるなら
__の手作りチョコもくれないかな」
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そんなふうに言われて、断れるわけが無いじゃないか。
渡せたらいいなとほんの少し期待してこっそり鞄に忍ばせていた手作りのチョコレートを彼に差し出す。
「ぅ゛…
可愛い笑顔でにこにこと僕を見つめてどうしたんだい」
鳩田くんの可愛い我儘が嬉しくて
なんて返したら彼は驚いて目を見開いた。
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翌日
社長室で手作りチョコを見つめ、
笑みを隠せずにいる社長が発見される。
仕事の疲れを、チョコ越しに__の笑顔を思い出すことで癒している。
__に賞味期限を忠告されても
あと五日間は食せない鳩田飛鳥。
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*⋆꒰ঌ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ ໒꒱⋆*
[ホワイトデー]
「ハッピーホワイトデー、
いつも家を留守にしてしまっていてすまないね…
これからはもっと君の元に帰れるよう努力すると約束するよ。
それと、これを僕だと思って傍に置いておいてくれないかい?」
そう言って__の前に差し出されたのは首元に水色のリボンをつけた真っ白のテディベア。
「僕はまた会社に戻らなくてはならないんだ。
愛しているよ__。」
申し訳なさそうに眉尻を下げ、愛の言葉を紡ぐと、彼はこの場を後にした。
扉がしまった瞬間、
__はテディーベアが形を歪めるくらい抱きしめる。
「今日こそは一緒にいられると思ったのに…」
誰に届くでも無いその言葉は宙に浮かんで普通ならば弾けて消える。
しかし、その言葉はテディベア伝いに彼の耳に届いていた。
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僕の言うことを少しも疑わず、素直に従って、
__、君は本当に可愛いね。
テディーベアの中に仕掛けた高性能盗聴器から聞こえてくるのは、彼女の寝息と心音。
そして鼻をすする音…泣いていたのだろうか。
「おやすみ 僕のお姫様 良い夢を」
今日は僕も早めに寝るとしよう。
彼女の寝息を睡眠導入にして
*⋆꒰ঌ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ ໒꒱⋆*
[エイプリルフール]
私の恋人は愛が重く、束縛が激しく、少し怖い。
エイプリルフールなら後から嘘だったと誤魔化しが効くので、4月1日に彼を呼び出し、別れの言葉を告げた。
部屋の温度5℃暗い下がったかのように悪寒がして、空気が淀み、重苦しくなった。
『嘘だよ!!エイプリルフール!!』
と慌てて弁明するも後の祭り、
__の雰囲気から別れ話が本気なことは
バレてしまっていた。
そして、もし嘘だったとしても
「別れて欲しい」
なんてことを__が口にすることが許せなかった。
「せっかく君のことはお姫様みたいに大切にあつかっていたのに…
こんなにも考え無しで馬鹿な子だとは思わなかったよ。」
「フム そうだね
◯◯区の◯◯に住んでいる君のご両親。
母親は家の近くのスーパーでアルバイト、
父親の仕事は…確か◯◯社で管理職をしていたね、部長だったかな。
その会社はぽぽっぽ本舗の傘下でね、社長である僕の一声で一端の社員なんてどうとでもできるんだ…
さぁ、もう一度言ってくれるかい?」
両親のことなんて彼には一度も教えていないのに…
「人を見る目」に優れていると豪語する彼のことだ、
私と私の周りの人達の個人情報なんて初めから全て把握されていたのかもしれない。
逆らえるわけが無い。
全てを諦めた__を見て、
彼は妖しく微笑んだ。
*⋆꒰ঌ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ ໒꒱⋆*
[花火大会]
花火大会の日、
本日分の仕事を片付けたら社長室の大きな窓から一緒に花火を見ようと2人で約束をした。
彼は流石と言うべきか、
山のような仕事を定時までに終わらせたが、
__は急遽外回り営業が入ってしまい
会社に戻った頃には花火大会が終わってしまっていた。
花火を見ることができなかった悲しみの中、仕事の報告はせねばと、
社長室の扉をノックし、返事が返ってきたので中に入る。
こちらに背を向けて椅子に腰掛けている彼の表情は見えず、
怒っているのでは無いかと不安になる。
恐る恐る近づき、声をかけると彼はこちらを振り向き、
色とりどり多種多様な花火が詰まった袋を__に向けた。
「お疲れ様。
一緒に見ることは出来なかったけれど…
実は家庭用の花火の試作品が沢山あるんだ。
屋上で一緒にやらないかい?」
彼とする素朴でありきたりな家庭用の花火は、
どんな花火大会の打ち上げ花火よりも輝いて見えた。
あまり家庭用の花火に触れてこなかったのか、どこかワクワクと楽しそうな顔をしている彼。
ネズミ花火なんか見せたらどんな反応をするだろうと考えて、少し笑ってしまう。
『来年もまたやりましょうね』
*⋆꒰ঌ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ ໒꒱⋆*
[クリスマス]
サンタさんもびっくりな社畜である
ぽぽっぽ本舗の鳩田社長。
もう寝ているか…
と思いながら__と同棲している家のドアを開けると、
なんと__はまだ起きていたようで、
お疲れ様
と出迎えてくれた。
それだけでなく、
サプライズでプレゼントやご飯を用意してくれていた__の優しさに、
子供の笑顔が沢山見れた嬉しさと共に疲れも溜まっていたので、うるっときてしまった。
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[モブくんと鳩田社長と塩対応?な__]
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~モブside~
僕の名前は田中モブ男、ぽぽっぽ本舗の一社員だ。
そんな僕には近頃気になっていることがある。
それは、この会社の社長とその秘書であり、
彼女の__さんについてだ。
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『社長、この後13時より会合の予定が入っていますが昼食はいかが致しますか?』
「今度の土曜日、アクアリウムにでも行かないかい?そのあとディナーでも──『…前日に予定があるので別の日に、』
『今日は一人で居させてください。もし急ぎの用がありましたら連絡を。』
「わかった、でも無理はしないでくれたまえ。」
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最近僕が聞いた会話を思い返してみた。
社長の彼女さんに対する態度は大変甘いのだが、彼女さんは塩対応で耳にするのは必要最低限の業務連絡のような会話ばかりである。
(仕事中だから仕方ないのかもしれないのだけれど)
社長のことを心から慕っている僕は社長にも彼女さんにも幸せになって欲しい。
幸せに仲睦まじく毎日を送って欲しい。
そんな出過ぎた思いから
「あっ…あの失礼ながら、__さんは社長と比べると愛情表現が少ないというか、少々冷たいなと思ってしまうのですが社長は寂しくないのですか…?」
と書類を提出するついでに直接社長に伺ってしまった。
社長は少し目を見開き驚いた様子だったがすぐに真剣な表情を浮かべた。
僕の問いに答えてくれるのだろうか…
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~鳩田side~
そんな事を聞かれるとは思ってもいなかったので一瞬思考が止まってしまった。
答える義理もないが…まぁ良いだろう。
彼女との最近の会話を思い出し
「………
(まず__は公私混同しないタイプなのだ。デートの誘いを断られたときだって前日に予定があったのは僕の方で、__は忙しい僕のことを考えて別の日に、と言ってくれたのだろう…確かにあれは無理をしたスケジュールだったので助かった。
一人でいさせて欲しいというのも周期的に生理だったはず…僕にあたってしまわないようにという__なりの配慮だ。
僕としてはもっと頼って、縋ってくれると嬉しいのだけど)
そうだね。でも、寂しくは無いんだ。」
(胸中の全てを教えてあげるほど僕は君に心を許していない、そして__の可愛らしい本心は僕だけが知っていればいい。
こんな僕と比べればモブのような立場の奴に教えてなどやるものか)
「こればっかりは惚れた弱みかな、彼女の行動は全て可愛いと思ってしまうんだ。」
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~モブside~
微笑みながらそう返す社長の言葉は紛うことなき本心だろう。
本当に見当外れで、お節介なことをしてしまったようだ。
「僕はなんてお節介なことを…
社長、申し訳ありませんでした!
あっ、こちら書類になりますご確認ください。」
そう言い深々と礼をして、世の中には色々な恋愛があるのだなと思いながら社長室を出た。
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このことをきっかけに__との関係における厄介者リストに己の名前が加わったことを彼はまだ知らない。
「__がいくら僕に対して塩対応に見えたからって、
__のことを悪く言っていい理由にはならないのだからね。」
*⋆꒰ঌ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ ໒꒱⋆*
[推し]
スパイの中で太陽推しな__のことが気に入らない鳩田飛鳥。
__のことは大切にしてるので太陽に嫌がらせをして憂さ晴らしをするが、
その事が__にバレて1週間口を聞いて貰えなくなる。
*⋆꒰ঌ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ ໒꒱⋆*
[お姫様]
この部屋には朝を告げるものが一切届かない。
小鳥の軽やかなさえずりも、
カーテンの隙間から漏れ出る陽の光も、
子供たちの元気ハツラツとした話し声も、
ヂリヂリと喧しくなる目覚まし時計も、
この暗くて真っ白な閉鎖空間には届かないのだ。
でも、__にはそれが日常で慣れたものだった。
ここで自分の思いとは反して暮らし始めてもう半年は経つ。
__の体は朝を告げるものがなくとも、
彼がやって来る前にひとりでに目覚めるようになっていた。
そう…
この汚れを知らない真っ白な閉鎖空間の中で唯一、
__を目覚めさせる存在
ガチャリ
起き上がろうと足を動かそうにも、
彼の愛と比例するかのような重たい枷が__の足にはめられているのでそれは容易ではない。
コツコツコツ…
そうこうしているうちに、
彼が今日もここにやって来てしまったらしい。
扉が開く───
「おはよう、
お早いお目覚めだね。僕のお姫様♡」
この人が__をここに閉じ込めた張本人、鳩田飛鳥。
そう、あの全世界で大人気の玩具メーカー
" ぽぽっぽ本舗 "の社長なのだ。
彼はいつものように優しい笑顔で挨拶をしてベッド横までやって来ると、
__の頭を撫で、額に触れるだけのキスを落とした。
「目覚めの紅茶を持ってきたんだ。
勿論、__のお気に入りの茶葉だ。」
ゆらゆらと白い湯気の浮かぶ紅茶はいれたてで、
確かに__の好きな茶葉の香りがした。
「今日の朝ごはんはフレンチトーストだ。
もう食べられるかい?」
お腹は空いていないし、
空いていたとしても自分のことを監禁した人が作った料理なんて口にしたくはない。
しかし人間の体は難儀なもので、
なにか口にしないと生きていけない。
お抱えの三ツ星シェフだとかに食事を任せていそうなのに、__の口にするものは彼が欠かさず作る。
それが
体内から、細胞から、
彼に新しく作り替えられているようで、
なんだかとても気持ちが悪かった。
「僕が朝ごはんを持ってくるまでこの部屋で大人しく過ごしていたまえ」
そう言って、
名残惜しそうに__の髪ひと房すくい、
キスを落とすと彼は部屋から出ていった。
彼の言うように
"お姫様"
ならば、
白馬に乗った王子様がここから連れ出してくれないだろうか…
この際泥棒だってスパイだってなんでもいいからと、
そんなふうに現実を逃避することしか今の__には出来なかった。
*⋆꒰ঌ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ ໒꒱⋆*
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