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さゆ 「飲み物、買ってこようか?
喉、渇いたからご機嫌ナナメなんでしょ?」
拓 「はぁ?」
なんだ、
喉が渇いて、
怒ってたのかって。
子供と一緒だね。
そんなの、
勝手に買いに行って飲んで帰ったらよかったのに、
とか思うわたしは、
やっぱりちょっとズレてるのかもしれない。
さゆ 「こっわ、
そんなに怒る?」
拓 「ちげーよ、
怒ってるわけじゃ、ねーって、」
さゆ 「じゃあなにこの眉間のシワは!」
拓 「やめろ!」
伸ばした手を、
振り払われて。
そうだ、この人、女に触られるの、ダメなんだった。
さゆ 「ご、ごめん、」
拓 「・・・・・・・・」
さゆ 「・・・か、えろ?
もう、用もないし、」
それは、
わかってるし、
百も承知なんだけど。
つい、
最近は、
わたしは大丈夫って、
思ってたとこがあったのかもしれない。
大丈夫、なんかじゃない。
わたしも他の子と同じ。
たまたま、
まめちゃんがわたしを気に入ってくれただけの話で。
そうじゃなきゃ、
わたしとこの人は、
何の関係もない、赤の他人だったはず。
拓 「腹減った、
なんか食お、」
さゆ 「1人でどうぞ?
わたしは帰る、」
拓 「は?」
早い話。
振り回されないようにすればいいんだよ。
お母さまがお仕事されてる所へ、
連れてってもらったのも、ほんとは嬉しくて。
たしかにテキトーに言ったことだけど、
わたしの言ったことを叶えてくれようとした
気持ちが、ほんとは嬉しくて。
結構な時間だったのに、待っててくれたのも、
ほんとは嬉しくて。
わたしのこと、知らないって言ったのは、
知りたいって、ことなのかなって、
すごくすごく、嬉しくて、。
でもそんなことは、
この人にとっては、
ただのバグ。
距離感がわからない、
おバカさんだから起こった事故のようなもの。
それを忘れちゃ、いけないよ。
全部、本気にしちゃ、ダメなんだよ。
バカだなぁ、わたし。
わたしもこの錯覚に、
陥るところだった。
ほんとの先輩は、
どれなの?
振り払われたわたしの手首をまた、
すっと、掴む先輩の大きな手。
かと思いきや、
その左手が、
わたしの右手を握るから。
そろそろ距離感バカ男に、
文句を言ってやりたいのに。
溢れたのは文句なんかじゃなくて、
涙だったから。
泣きたくなんか、
ないのに、。