距離感
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景 「さゆ、遅かったな、」
さゆ 「あー、ちょっと寄り道してた、」
景 「そ?
てか、帰り電車一緒だった?」
さゆ 「さぁ?」
景 「しゃべってたろ⁈
またあいつと!!」
さゆ 「・・・見てたんなら一緒だった?とか
カマかけるのやめてよ!!」
景 「だってなんで隠すん!!」
さゆ 「隠したわけじゃない!
たまたま一緒だったんだよ、
そんなことなんでお兄ちゃんに
言われなきゃなんないの!」
景 「心配してるんじゃん!
さゆ、人見る目ないし!!」
さゆ 「なんでお兄ちゃんがそんなことわかるの」
景 「今までお前が連れてきた友達だって
誰一人友達なんかじゃなかったじゃん、」
さゆ 「・・・お兄ちゃんがそれ言う⁈
お兄ちゃんのせいでしょ⁈
やっぱりお父さんと残ればよかった!」
景 「さゆ!」
お兄ちゃんは心配性。
わかる、
言いたいことはわかるよ?
たくさんイジメられたわたしを守ってくれたのも、
お兄ちゃんだったから。
だけどね?
誰と話すか、
誰と仲良くなるか、
そんなものは自分で決めるから!!
お兄ちゃんとわたしは、
お母さんの子だけど、
お父さんが違う。
お兄ちゃんのお父さん?は、
わたしはもちろん、
お兄ちゃんも会ったことはない。
相続の関係で、
お兄ちゃんは会ったこともないお父さんの名字のままだ。
つまり、
戸籍もお父さんの方に入っているそうな。
だからお兄ちゃんは佐藤で、
わたしはお母さんの旧姓である、加藤。
ちょっと似てるのも、皮肉なもの。
わたしはついこの間まで一緒に暮らしていたお父さんの子だけど、
お父さんはお兄ちゃんもすごくかわいがってくれた。
だけど。
新天地を求めていたのはむしろイジメられていたわたしの方だったし、
お母さんは夜働いているから、
きっとまたいつか新しいお父さんがやってくるんだろう、なんて。
そうなった時に、
お兄ちゃんだけだと、かわいそうかなって、
思ったのもあったんだよ。
なのに。
なのに。
なかなかうまくいかないね。
景 「・・・さゆ、ごめん、言いすぎた、」
さゆ 「もう、いいよ、
お兄ちゃんが心配性なのは
今に始まったことじゃないし、」
わたしの部屋のドアをノックして、
外から優しく話しかけるお兄ちゃん。
いつもバカなことしか言わないくせに、
実は繊細で、
実はすごく弱い人。
そこはお母さんに似たんだね?
景 「でもあんまりいい噂聞かないから、
ちゃんと警戒しろよ、?」
さゆ 「うん、わかってるよ、」
心配してくれるのはありがたいけど。
そうやって噂で人を決めつけるのは、
よくないよ。
そうしないといけない環境にいるお兄ちゃんには、
難しいかもしれないけど。