初めて、


返信した内容は。


たったひとこと、


“せんぱい、”


だけで。


たくさん、


たくさん、


話したいことが、あるなって思ったら。


その後が、続かなくて。


でも全部、


聞きたいことは“なんで”なんだよね。


そしたら、さらに躊躇って。


どうしようって、思ってたら電話が鳴ったから。


間違って、押しちゃったよね、


応答ボタン。






さゆ『・・・もしもし、』




拓　「ええ⁈出た！」





ええ？

出ちゃだめなやつ⁈





さゆ『なにそれ。
　　　かけたのそっちなのに、』



拓　「いや、えーと、なに？びっくりして、」





先輩、っぽくないね、って、

なんか、かわいくて。





さゆ『ふは、

　　　動揺しすぎ、』


拓　「うるせーな！

　　　なんで出た！！」





その言い方は、なくない？

なんでかけた？だよ、





さゆ『・・・なにそれ、』


拓　「・・・ちがう、

　　　悪かった、」





意外とすぐ謝るw

尻に敷かれるタイプなの？





さゆ『・・・先輩さ、

　　　ほんとわかりづらい、』


拓　「放っとけ、」





かと思ったら、

ナマイキで。

ツンツンの、ツン。





さゆ『・・・わたし、

　　　何かした？

　　　機嫌、悪かったよね、』


拓　「え、？」





聞きたかったのは、

１番、

聞きたかったのは。





さゆ『・・・面と向かって、聞けなくて、
　　　なんか、怒ってたし』


拓　「あ、、」





そんな風に、

イライラしながら、

一緒にいる必要なんてなくて。

忘れてない？

わたしたち、

まめちゃんがいなきゃ、

ただの他人だったんだから。





さゆ『あのさ、


　　　無理して一緒にいる必要、


　　　ないと思う。』


拓　「無理、してねーし。

　　　おまえこそ、無理してね？

　　　おれより、

　　　マメとおかんといる方が楽しそうだしな、」
　　　




無理、してないの？

無理ばっかり、してる気がするけど、。





さゆ『そ、んなの、

　　　当たり前じゃん、』


拓　「当たり前かよ、」





当たり前。


先輩みたいな、距離感バカ男を、


好きになったわたしこそ、バカなんだよ。





さゆ『先輩といるの、

　　　緊張するんだよ、、

　　　先輩、甘すぎるから、』


拓　「それ、、

　　　どーゆー、意味、」


さゆ『急に名前呼ばれたり、

　　　触られたり、

　　　ドキドキするでしょ、』





電話口の声、


いつもと違うみたいで。


もっと胸がザワザワ、するんだよ。





拓　「・・・おまえ、

　　　今、家？」





この、“おまえ”も。


なんだか特別な気がする。





さゆ『え？うん、もちろん、』


拓　「今から行く、」


さゆ『え⁈

　　　ちょ、先輩⁈』





電話、


繋がったまま。


なんか、ガサガサ聞こえて。


雑音、


すごくて。


なに？


え、なんなの？


って、思ってたら。