キャラじゃない
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さゆ「先輩、ありがとう。」
真っ直ぐ、
おれを睨んで。
拓 「は?」
唇が少し、
震えてるのを。
さゆ「最後に、
先輩のこと、
ほんとに嫌いになれた、
イケメンって、
ロクなやつ、いないね?」
ちょっと、
かわいいと思ってしまったのは。
おれの頭のネジが1つ、
もしかしたらもう1つ、
飛んでるからかもしれない。
拓 「おま、」
こいつの口が悪いのは、
今に始まったことじゃないけど。
それにしても、
こいつに似合わないなって。
さゆ「2度と関わらないで、」
似合わないセリフを吐いて。
ひたすら睨んで。
振り返りもせずに、出て行くのを。
ただ、
呆然と見送って。
これで、
いいんだろ?
おれがそばにいたら、
あいつは、
しんどいんだろ?
他のやつらと、
全く方向性は違うのに、
結果は同じ、だなんて。
おれの過去が、
卑屈を呼ぶのを、
ただただ、脳内で諍う。
でもその中で、
唯一今までと違うのは。
こいつのそばには、
いたいってこと。
拓 「待て、」
おれのキャラじゃなく、
慌てて追いかけて。
さゆ「え、?
せ、んぱ」
また、バカみたいに、マメばっかり可愛がりやがって。
拓 「もう、
絶対帰ったと思った、」
あの顔は多分、本気だろう。
さゆ「え?」
でも、もう、いい。
拓 「マメ、今日だけ褒めてやる、」
足元に、ぺっ
と、マメを放ったら。
またこいつ、威嚇しやがって。
さゆ「いや、えらそうにしてるけど、
まめちゃん怒ってるからね?w」
そう言って笑ったおまえは、
おれの中の記憶の、おまえのまま。
拓 「1回だけ、言うからよく聞け、」
わかってる、
さゆ「な、に、」
おまえは、
おれを、
好きにはならないって、
わかってるけど。
拓 「おれ、
自分でも信じられないけど、
多分、
おまえのこと、
好きだ、」
それでも、今言わないと終わると思った。
今までのおれの人生を、
全否定することになる、この言葉を。
さゆ「・・・は、?」
また、
固まって。
おれの目を左右、
こいつの瞳孔が、行ったり来たり。
おれだって、
わけ、わかんねーよ、でも。
おまえといるの、
なんか、幸せなんだよ、なんて。