三井ver

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恋人の口から『好き』を聞きたい、それが乙女心というもの。

｢女編に子どもの子、なんて読むっけ？｣

で、早速試してみた。
ほら、思い立ったが吉日って言うじゃない？
実行出来る方法はあるし、恋人も目の前にいるわけで。

｢好きだろ｣

...なんてこと。
ここまで良い意味で期待を裏切られるなんて。話だって、脈絡ゼロで振ったのに。

｢...ふふふ｣
｢な、なんなんだよ...急に｣
｢ん？感動してるの｣

下手したら、幼馴染から恋人に関係が変わった時と匹敵するくらいにはね。

｢ワケわかんねーよ...｣

でも、当の本人は本当に分かってないみたい。

｢ヒント、さっきの質問に対する寿君の答え｣
｢はぁ？だから...｣

続かない言葉の内容は十中八九、抗議的なものだったはず。それが止まったままということは、ようやく意味を理解したと捉えて良さそうだ。
証拠に顔赤いし、なんなら手で隠してるし。

｢...ヒントってかアンサーじゃねーか｣
｢気づいた開口一番にツッコむのそこで良いの？｣
｢うるせっ...あー......クソッ、なんで気づかなかったんだよ...｣
｢素直だからじゃない？...言ったこと後悔してる？｣
｢んなわけあるかよ！｣
｢うっ...！｣
｢こ、今度はどうした？｣
｢寿君のかっこよさに感動の第二波がきた...｣
｢なんだそりゃ...｣
｢えへへ｣

収穫結果は予想の遥か上、やっぱり今日は吉日だ。