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深津ver





恋人の口から『好き』を聞きたい、それが乙女心というもの。

「あのさ、女編に子ども「好敵手の好、ピニョン」...はっやい」

まあ、速攻で虚しくも砕け散ったわけですが。

「せめて最後まで聞いてほしかった」
「昼休み終了10分前の選択として間違ってないピニョン」
「ど正論...!けど一応答えてはくれたもんね!そんな優しいとこが好き!」
「どちらかと言うなら、時間が差し迫っている中で突拍子もない言動をした愚かな幼馴染への対応ピニョン」
「イエッサー!肝に銘じます!」

傍から見ると主従関係にも見えるらしいが、これでも一応...いや、歴とした恋人です。
ただ、恋人以前に幼馴染だから、ちょっとそれっぽく見えないかもしれないだけ。うん、きっとそう。

「はぁ、今回はタイミングを見誤ったなぁ...」
「先に言っておくピニョン。同じ手は二度通用しないピニョン」
「そもそも一度目も通用しなかったけどね!でもかっこいいセリフ聞けたから結果オーライ!」
「...幸せな奴ピニョン」
「愛しの恋人様のおかげです!」
「そうかピニョン」
「そうです!」

たしかに目論見は失敗、『好き』を聞き出すどころか返り討ちにされた。
でも、今この瞬間だって、私が幸せなのは嘘じゃない。だって、時間がないって分かってる中で、子どもじみた言葉遊びって分かってて、それでも彼は付き合ってくれた。

ね、私って幸せ者でしょ?

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