大阪組編
(4)『触らぬ神に祟りなし』
土「”その物事に関わり合わなければ災いを招くこと
はない”って意味やな。なんとなくでも意味分か
りそうなもんやけど...岸本から」
「”悪霊退散”」
土「がっつり自分から関わろうとしとるやん... 本来
の意味とほぼ真逆やな」
岸「やられる前にやるんが鉄則やろ」
土「神相手にそない殺気立たんでええわ」
岸「祟ってくるような神は悪霊と同じや」
土「いやそこは知らんけど」
奈「淳君は得意そうやなぁ」
土「なにが...え、まさか悪霊祓いのこと言うてる?」
奈「うん。陰陽師とか似合うんちゃうかな。南もそ
う思わん?」
南「せやな...胡散臭い生臭坊主はイメージと合うで」
岸「言えとるなそれ」
土「そこの幼馴染コンビはあれか、前世でボクに祓
われたんか?」
岸「知るかそんなん。急にスピリチュアルなこと言
うてんなや」
南「どっちか言うたら厨二やな」
土「自分らのボクに対する態度のせいやろ......もうえ
えわ。奈緒ちゃんの解答いくで」
「”奇奇怪怪”」
岸「字的に心霊ぽいとこしか合うてへんなこれ」
南「勘で書いたんか」
奈「上手くまとめられんかってん...無解答よりはええ
やんか」
土「あんま同意したないけど岸本と南の言うてるこ
とも間違うてへんなぁ...けど、努力しようとした
姿勢は立派やで」
奈「えへ」
土「...ただなぁ」
奈「ただ?」
土「ただ...無理に四字熟語で答えんでもええからな?
岸本、自分も四字熟語やったのこれ偶然か?」
岸「当たり前や。今までの解答でも似たようなんあ
ったやろ」
土「せやからこっちも確認とってんやろ。そもそも
なんで四字熟語縛りやねん...」
岸「知らんわ」
奈「たまたまやろなぁ」
土「...そやな。ほなもう一人の同思考回路、南の答え
はなんや?」
「”姦姦蛇螺”」
土「やっぱ四字熟語......て、これ洒落怖やないか」
南「よう知っとったな」
土「有名な話やからな」
奈「姦姦蛇螺、うち知ったん去年読んだけど怖すぎ
て寝られんかった...」
岸「情けない...打ち負かしたる!くらいの心持ちでお
れや。あとオレはリゾバのが不気味やったで」
奈「あれも怖かった...!」
南「姦姦蛇螺よか現実味あるしな。くねくねもトラ
ウマ植えつけてくる話やった」
岸「あんなん読んでもうたらしばらく田んぼ見んの
避けるわ」
奈「それ言うたら八尺様も怖いんやない?うちは女
やからそこまでやったけど、男の子は...」
岸「あー...あれに関しては怖いよりガタイの良さ有効
活用出来そうでええな思うわ」
土「なんでそこだけ急に現実的なん?あと怪談話で
盛り上がりすぎやろ」
南「なんや混ざりたいんか?」
土「ちゃう、本題進めたいだけや」
奈「けど淳君とも怖い話したいなぁ」
土「別の機会でやろな?はい、話戻して...南、一番気
になったこと聞きたいんやけど」
南「なんや」
土「なんで自分これは漢字で書けたんや?」
南「接触回数や」
土「どんだけ読んどんねん...接触回数がホンマやった
ら勉強もちゃんとすればどうにかなるやろ」
南「興味ないもんはなんぼやっても身に付かんわ」
土「無駄に説得力あるな...あと全員、諺に四字熟語で
答えんでええから。四字熟語縛りにしてもうた
ら答えられんもん多すぎるわ」
奈「はーい」
岸「面白みない奴やな」
土「いや面白みとかいらんし。意味は正しく覚えな
あかんやろ」
岸「こういうとこで真面目なフリして生臭坊主の実
態隠しとんのか」
土「その設定もういらんやろ」
南「坊主のくせに茶髪でチャラついとる煩悩まみれ
の俗物男か...」
土「ちゃう言うてるやん、それもう忘れてホンマ頼
むから」