手紙
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沢北栄治様
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。
...と、新年の挨拶をしたものの、国際便なのであなたが目にするのは中旬くらいでしょうね。
でも挨拶は大事ですよね。一年の幕開けは、特に。
あなたと連絡を取ったテツさんから、年末年始で様子が真逆だったとの報告がありました。年内最後の会話では弾むような声だったのに、数日後にはどんよりした雰囲気が電話越しに伝わってきた、と。
時期的に考えて前回の手紙に書いたことが無関係と思えない...と言うかほぼ確実にそれですよね、原因。
あなたの心配と気遣いをおざなりにするわけではないのだけど、それは杞憂に終わりましたよ。
怒ることも呆れることもありませんでしたから。
私から言っておいて何故、となるでしょうね。
正直な話、ちょっと喜んでしまったんです。結果はどうであれ、あなたが私のわがままを受け入れようとしてくれたこと、それがとてもとても嬉しかったんです。
悪趣味と思われても仕方ないけれど、私のことで一喜一憂するあなたが愛しく思えてなりません。
しかしその分、私の言葉のせいで変な気苦労をかけてしまった罪悪感があるのもまた事実。
お互い、過ぎたことはどうしようもないので、せめてあなたが笑顔になれるような話をします。
冬休みに入る前、河田さん達からクリスマスプレゼントをいただきました。私が試験期間中にダウンしたことを知り、そのお詫びも兼ねているのだとか。半分は堂本先生が負担してくださったそうです。風邪をひいたのは先輩達の責任じゃないから、と一旦は遠慮したものの、美紀男君のテスト勉強のお礼でもあるからと食い下がられてしまいました。それこそ大したことはしていないのだけど。
ちなみに、中身は焼き菓子のアソート。
覚えてますか?あなたがこっちにいた時、たまに付き添いで来てもらったお店のこと。外観も内装もすごくメルヘンで、男だけで入店するのはかなり躊躇うであろうあのお店です。
嬉しいやら申し訳ないやらでいっぱい...なんて思いつつ、結局受け取りました。せっかくの厚意を無下にするのも気が引けるし、なにより欲には勝てません。季節限定の柚フレーバー、美味しくいただきました。
どうですか?読み始めた時より少しでも元気になれましたか?この話、ちゃんと皆さんから許可を得ているので安心してくださいね。
そうだ、プレゼントのお返しはバレンタインにしようと思っています。別にイベントに拘る必要はないのでしょうけど、そっちの方がわくわくする気がしたので。思い出にもなりますし、どうせなら楽しくしたいですから。
あなたの心が晴れて、素敵な一年になることを願いながら、この辺りで終わります。
では、また。
上田奈緒子
p.s
抹茶やキャラメルなどもあったそうです。でも、他のフレーバーと違っていつもあるわけじゃないし、私は柚が大好きだからこれだ、と思ったそうです。
私が柚好きだと知っているの、家族以外だとあなただけのはずなんですけど...不思議ですね?