沢北栄治様

あなたが日本を発ってもう1ヶ月ですね。いえ、まだと言うべきでしょうか。
当たり前のことだけど、あなたがいなくても時間は経つし地球の回転が止まることはありません。私も変わらぬ毎日を過ごしています。
...無情ではなく無常を表したかったのだけど、こんな書き方だと誤解されてしまいますね。漢字からなんとなく分かると思いますが、読みは同じでも意味は違うんですよ。
簡潔に言うと、あなたのいない生活は想像していたよりずっとずっとさみしいのです。

アメリカ生活はどうですか？
一番心配なのな食生活です。みんなにも散々言われたと思うけど、その辺の水道水を生で飲まないよう注意してください。お野菜も食べないと身体を壊しますよ。
ああそれと、言葉の壁は大きいでしょうが、そこは慣れるしかないので頑張ってください。習うより慣れろと言いますからね。(私&山王バスケ部一同)

うーん、なんだか少し暗いまま終わってしまいそうですね...。せっかくの手紙に泣言ばかり綴るのは勿体ないので、最後に工業祭とテストのことも。
今回のテストは自分の勉強だけだったのに、いつもより悪かったのが驚きです。と言っても凡ミスばかりだけど、人に教える大切さを改めて学びました。
工業祭の方は写真を同封してあります。
本人は乗り気じゃなかったけれど、女装コンテストのイチノさんがとても可愛らしくて、大はしゃぎしてしまいました。
他の皆さんとも撮っていただきました。上から順に見てくださいね。

それではこの辺で。また送ります。

上田奈緒子

p.s
普段使わない敬語に驚いたことでしょう。
せっかく手紙を認めるのなら、趣のある文章にしてみたくて。