好きな人
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「沢北?」
「...え?あっはい!」
「話聞いてる?」
「あー...告白するんですっけ?」
「そう」
「脈、あるんですか」
「んー...少なくとも嫌われてはないと思う」
「博打じゃないですか...」
「恋はいつでも大博打だよ」
「ふっ...なんすかそれ......てか、どんな人なんですか?」
「知りたい?」
「そりゃ...恋バナだし」
「そうだったそうだった」
話の流れで自然に訊ねることは出来たものの、内心バックバクである。
と言うか、返しが心に刺さりすぎてそっちの方が焦った。パニクって「好きな人のことだから」とか口走らなくて良かった、本当に。
「んーとね...まずかっこいい!」
「...面食いでしたっけ?」
「沢北、見た目云々の問題じゃないの。恋をすると相手が輝いて見えるんだよ」
「うっ...」
「まあたしかに顔の造形良いから否定も出来ないんだけど」
「結局良いんじゃないですか...」
「はい次!優しい!」
「あー...それは大事ですね」
「でしょ?あとはね、身体能力も高い!運動神経抜群!」
「へー...スペック高いんすね」
(...けど、それならオレだって同じ、だよな?)
誓ってナルシストではないけれど、周囲の反応から悪くないルックスの自覚はあるし、日本一のバスケ部エースを張る実力は言わずもがな。優しさは......うん、嫌な奴ではないはず。
大丈夫、まだ上田さんの好きな人に負けてない。
「あとはねぇ...かわいいかな」
「あざといってことですか?」
「そのポテンシャルはあるだろうけど...素直とか純粋って方かなぁ」
「ふーん...」
「あとおバカ」
「びっくりした...急にディスるじゃないですか」
「ディスってないよ!犬が自分の尻尾捕まえようとぐるぐる回ってたらおバカだけどかわいい♡ってなるでしょ、それと同じ!」
「分かるようで分からない例え...」
「実際頭はそんな良い方じゃないみたいだし」
「やっぱディスってません?!ホントに好きなんですか?!」
「大好きだよ!」
ツッコミを入れた自分の責任だが、ものすごいダメージを受けた。
(そんでこの状況にすらときめいてしまうオレって一体......てか、今言った特徴の人、うちの部にいたっけ?)
ひとつひとつが当てはまる人なら何人もいるけれど、全ての条件に合う人物はいない気がする。
あわよくば相手の正体を突き止めようと思っていたのに、謎は深まるばかりだ。