好きな人
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「こ、告白......って、言いました?」
「うん」
「...っ!」
もしかしたら空耳だったたのかもしれない...そう思って聞き返したものの、上田さんからの即答でその可能性は瞬殺された。
でも、悪足掻きはやめられない。
「一応確認ですけど、なんかやらかしたことの告白とかじゃ...」
「失礼な!」
「だって、上田さんだし」
「私の人望なさすぎない?」
「そういうわけじゃ、ないですけど...」
「だいたい、最初に恋バナって言ったじゃない」
「......そうですね」
自他共に親しいと評される仲、色恋沙汰の話は今までもあがったことがある。
しかしそれは、噂話で聞いたことを雑談にするくらいだし、たまにあったオレ自身のこともファンがどうとか...とにかく、本気の恋愛話ではなかった。
(オレに報告するってことは、バスケ部の誰か...か?)
“失恋”の二文字が重くのしかかる。
こんなことなら、早く気持ちを伝えておけば...いや、好きな相手がいる時点でフラれていただろうし、告白が原因で友人関係すら崩壊したかもしれないけれど。
それでも、
(なにもしねぇよりは、告ってたら、少しは...)
たらればばかりが頭を支配する。
信頼して打ち明けてくれたと言うのに、一体今どんな顔になっているのか。独特な語尾の某先輩と違ってポーカーフェイスを保てない自覚がある分、ここで気持ちがバレるんじゃないかと心配になる。
ああでも、いっそバレてしまえば...あるいは。
(...って、なに考えてんだ!これじゃ上田さんだって困る!)
マイナス思考に陥りそうになるのをギリギリで踏みとどまる。
相手を困らせてまでどうにかしてやろうと振り切った性格ではない。まあ、尻込みしていると言えばそうなるだろうが。
(落ち着け...まだ告白してるわけじゃない、いっそいろいろ聞き出してそいつ...その人よりかっこよく見えるようにすりゃ良いんじゃ...?)
これはこれで若干反則のような気もするが、置かれた状況的にまだセーフ...だと思いたい。
負けず嫌いなんだよ、こっちは。