好きな人
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恋愛において惚れた方が負け...とよく聞くが、これは真理だと思う。
「おーい沢北!」
「なんすか、上田さん」
「恋バナしようぜ!」
「そんな野球しようみたいなノリで言います?」
「あ、元ネタ気づいた?よしよし!」
「ちょっ、やめてください!」
「なによ、別に崩れて困るヘアスタイルじゃないでしょ」
「髪型の問題じゃないですよ!」
「じゃあ何型?」
「型から離れろ!」
「あはははっ!」
楽しそうな声を響かせるこの少女は、一学年上の先輩だ。
ついでに言うと、オレの好きな人でもある。
そうでなければ、如何に先輩と言えど過度なスキンシップに不快さを覚えないはずがない。仮に自分の髪型がセットに時間をかけたものであっても許していただろう、多分。
それはそれとして、このスキンシップは嬉しい反面やめてほしいと思う時もある。仲良くしてもらえるのは下心込みで非常に有難いのだが、こちらの気持ちなど知る由もない彼女は、加減をしない。
したがって、非常に心臓に悪いのだ。
...なんて理性的なことを宣ってはいるけれど、結局のところ嬉しさが勝るのだから、我ながら感情に素直である。
「...で、なんですか?恋バナって」
「え?するの?」
「上田さんが言ったんでしょうが!」
ようやく一息ついたと思った直後にこれだ。
上田さんの相手は絶対に退屈しない代わり、ものすごくエネルギーを消費する。おそらく走り込みと同じレベルに達してるんじゃないだろうか。
もちろん、それすらもオレにとっては喜ばしい......いや、決してマゾヒストとかではなく。
「さて、一通り揶揄ったことだし...本題に入ろっか」
「オレさっき話戻しましたよね?」
「私、そろそろ告白しようと思ってて」
「無視.........って、は?!」
今、なんて?