おんぶ、からの...
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人にはくだらない、だけど自分には結構重要な頼み事を出来る相手って、そんなに多くない。
家族、親友...あと、私なら幼馴染もその対象。
「なあなあ、烈」
「なんや」
「一生のお願いがあんねんけど」
「お前の一生何回あんねや」
「一生なんやから一度に決まっとるやん」
「せやったらボケでも始まったんか?こないだも一生のお願い言うとったやろ」
「えー...あ、前世とか前々世とか来世とか...まあその辺の分につけといて」
「アホやな。ホンマお前アホやな」
「2回も言う?」
「アホ奈緒子」
「ひっど!」
たしかに唐突な話ではある。
一生のお願いも、彼の言った通りもう何度か使っているし。
「で、お願いてなんや」
でも、なんだかんだで毎回聞いてくれるんだから、調子に乗っても仕方ないよね。
「おんぶして!」
「ガキか」
「10代後半はまだまだガキですぅ」
こんな苛立たせるような言い方で聞いてもらえるのかって?...聞いてもらえるんですよ、それが。
ここだけの話だけどね。
「はぁ............早よ乗れ」
ね、言ったでしょ?
「さっすが烈!」
控えめに屈む烈に飛び乗ると、普段よりも視界が広い。
「なかなかの景色...!」
「そら良かったな。よし、降りろ」
「いや、早ない?」
「目的は果たしたやろ」
「うん.........じゃ、発進!」
「落ちろ」
「せやから......落ちろ?!」
「重いねん」
「レディーに失礼やろ!」
「ほざけ。レディーの意味調べ直してこいや」
「もー!憎まれ口ばっか叩いて!」
「お前には言われたないわ」
若干不服ではあるものの、大人しく広い背中を後にした。
お願いは叶えてもらったし...それに、
「なあなあ、烈」
「なんや」
「またやってな?」
今日がダメなら次がある。
「...気ぃ向いたらな」
ほら、ね。