虫とエンカウントしまして
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事件はいつでも突然起こるものだ。
「て、敵襲!敵襲ー!!!」
「シッ、奈緒子。こんな時間に叫んだらご近所迷惑」
「それは本当ごめんなさいだけど今は許して!」
そうよ、被害者は私。
もう寝るだけって時に大嫌いな虫と遭遇するなんて思わないでしょ。完全に油断してたせいで恋人にまで注意される声量で叫んじゃったんですが?
いや、網戸とはいえこんな時間まで小窓を開けっぱなしにしてた私も悪いけどさ!
「と、とにかく助けて!このままじゃ不安で寝られない...!」
「はいはい.........って、網戸の外?」
「網を破るかもしれないし...」
「この虫にそんな力ないよ」
「あ、開けたら入ってくるかもしんないし...」
「開ける頃にはもういないと思う、多分」
うん、私も頭では理解してるの。
で!も!
「多分じゃダメ!絶対じゃないと!」
「まあまあ...じゃあオレが窓閉めてくるから。それでもダメ?」
「う......そ、それなら...」
「じゃあ閉めてくる......ついてくるんだ?」
「事の顛末を確認しないと不安なんだもん......あ!聡を信じてないわけじゃないよ!?」
「ふーん」
「ホントだってばー!」
「はいはい。あ、結構小さい」
「小さくても脅威に変わりはないよ!怖い!」
「そう言わずに、ほら。近くで見ると案外かわい......」
「...ど、どうしたの?」
「いや、なんか......そうでもないなって」
「え.........あっ」
聞き返す前に、聡はヤツのすぐ隣をピンッと弾き、窓を閉めてしまった。
「オレが間違ってたね、ごめん」
「あ、いいえ...」
「じゃ、寝よっか」
早い、あまりにも展開が早い。さっきまでの問答はなんだったの。
...なんて思ったのに、そんなのどうでもよくなっちゃった。
今ただ、大人しく手を引かれてれば良いよね。